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絵本紹介(143) くらやみこわいよ ― 2014年11月09日 21:23
題名 : くらやみこわいよ
作 : レモニー スニケット
絵 : ジョン クラッセン
訳 : 蜂飼耳
発行所 : 岩崎書店
誰もが本能的に嫌う暗闇。この絵本では嫌われ者で無機質な暗闇にも、実は命や意思がある考えてみたらと、新たな視点を用意してくれました。そして、真っ暗闇は実は一色に塗りつぶされた世界ではないよと、いろいろな黒を使って教えてくれています。
幼い男の子のラズロは暗闇を怖いと感じます。
ラズロは古い大きな家に住んでいます。屋根はきしむし、窓はつるんと工夫がないし、いくつかの階段、それに地下室もある大きな家です。
ラズロの嫌いな暗闇は、明るい昼間でもクローゼットに隠れていたり、風呂場のカーテンの陰に座っていたり、なかなかあっちに行ってくれません。
でも大抵の場合、暗闇は地下室にいます。
洗濯機からも離れた隅の、じっとり湿った箱や、誰も開けない引き出しに、ギュッと自分を押し付けて待っています。
なにを? 何を待っている?
夜です。
夜になると、暗闇は出かけます。ラズロの家や窓からも、外に広がって行くんです。
朝になると、暗闇はいつもの地下室に戻っています。だからラズロは考えました。
自分から暗闇のいるところに行ければ、暗闇の方からは来ないかもしれない。
ところがある夜、ラズロの寝室の足元を照らす電球が切れました。
そして、来ちゃいました、暗闇が。ラズロの所まで!
「ラズロ」。
暗闇は真っ暗な中で呼びます。
「見せたいものがあります」。
暗闇の声に従って、地下室のずうっと奥まで行ってみるラズロ。
そこでいったい何を見ることになるのでしょう?
ラズロは自分のベッドに戻れるのでしょうか?
ご安心下さい。意外といいやつだったんです、暗闇は。
いやぁ、暗闇って幾つになっても怖いですね。古い大きな家なんて、暮らすのとても無理です。主人公のラズロ、暗闇が怖いクセに、よく真っ暗な地下室に降りて行けるなぁ。
今年4月にジョン・クラッセンのトークを聞きましたが、彼はコンピュータで絵を描いているそうです。なので、この作品の黒も、たぶんべったりの黒ではなくて、微妙な色合いを選んでいるのでしょう、とてもきれいで印象に残る黒です。
今世界からどんどん暗闇が消えているのでしょうね。自分では全く苦手ですが、絶滅してしまう前に、暗闇を守ることも必要かもしれませんね。
作 : レモニー スニケット
絵 : ジョン クラッセン
訳 : 蜂飼耳
発行所 : 岩崎書店
誰もが本能的に嫌う暗闇。この絵本では嫌われ者で無機質な暗闇にも、実は命や意思がある考えてみたらと、新たな視点を用意してくれました。そして、真っ暗闇は実は一色に塗りつぶされた世界ではないよと、いろいろな黒を使って教えてくれています。
幼い男の子のラズロは暗闇を怖いと感じます。
ラズロは古い大きな家に住んでいます。屋根はきしむし、窓はつるんと工夫がないし、いくつかの階段、それに地下室もある大きな家です。
ラズロの嫌いな暗闇は、明るい昼間でもクローゼットに隠れていたり、風呂場のカーテンの陰に座っていたり、なかなかあっちに行ってくれません。
でも大抵の場合、暗闇は地下室にいます。
洗濯機からも離れた隅の、じっとり湿った箱や、誰も開けない引き出しに、ギュッと自分を押し付けて待っています。
なにを? 何を待っている?
夜です。
夜になると、暗闇は出かけます。ラズロの家や窓からも、外に広がって行くんです。
朝になると、暗闇はいつもの地下室に戻っています。だからラズロは考えました。
自分から暗闇のいるところに行ければ、暗闇の方からは来ないかもしれない。
ところがある夜、ラズロの寝室の足元を照らす電球が切れました。
そして、来ちゃいました、暗闇が。ラズロの所まで!
「ラズロ」。
暗闇は真っ暗な中で呼びます。
「見せたいものがあります」。
暗闇の声に従って、地下室のずうっと奥まで行ってみるラズロ。
そこでいったい何を見ることになるのでしょう?
ラズロは自分のベッドに戻れるのでしょうか?
ご安心下さい。意外といいやつだったんです、暗闇は。
いやぁ、暗闇って幾つになっても怖いですね。古い大きな家なんて、暮らすのとても無理です。主人公のラズロ、暗闇が怖いクセに、よく真っ暗な地下室に降りて行けるなぁ。
今年4月にジョン・クラッセンのトークを聞きましたが、彼はコンピュータで絵を描いているそうです。なので、この作品の黒も、たぶんべったりの黒ではなくて、微妙な色合いを選んでいるのでしょう、とてもきれいで印象に残る黒です。
今世界からどんどん暗闇が消えているのでしょうね。自分では全く苦手ですが、絶滅してしまう前に、暗闇を守ることも必要かもしれませんね。
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