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絵本紹介(146) ゆき2014年11月20日 23:58

題名   : ゆき
作     : ユリ シュルヴィッツ
訳     : さくま ゆみこ
発行所  : あすなろ書房

 寒くなってきましたねぇ。東京ではお正月を過ぎないと出会えませんが、北海道、東北、上信越あたりでは、そろそろ雪の季節ですね。そんな季節に合わせて、今日は冷たくて暖かい雪の日のお話しの紹介になります。絵の色合いがとても優しい絵本です。

 そらははいいいろ。
 やねもはいいいろ。
 まちじゅう どんより はいいろです。

 そこへはいいろの そらから
   ひとひらの ゆきが まいおりてきました

 男の子がうれしそうに「ゆきがふっているよ」と言います。
 くろひげのおじいさんは「これっぽっちじゃ ふっているとは いえんな」


 でも灰色のそらからは、ひとひら もうひとひら。
 「ゆきが ふっているよ」もういちど男の子はいいました。
 それをきいたひょろなが帽子のおじさんは「どうってことないな」

 空から舞い降りて来る雪が増えています。
 男の子はやっぱり「ゆきが ふっているよ」
 「すぐに とけるわよ」 おしゃれ傘のおばさんがいいました。


 大人たちはみんな、雪が降っていると認めてくれません。
 ラジオの天気予報でも、雪は降らないと言っています。
 男の子だけが、空から落ちて来る雪が増えて来た街を、楽しそうに歩きます。

 大人たちや天気予報を無視するように、ゆきはあとからあとから降ってきて、とうとう街を白一色に変えてしまいます。
 そして大人たちが家に逃げ込んで誰もいなくなった広場で、男の子は妖精たちと楽しそうにダンスを踊りました。


 大人たちは、できるだけ雪のことは忘れたいみたいですね。けれど男の子は、一面を白い世界に変えてくれる雪にわくわくしてしまいます。
子供はほんと雪が好きですよねぇ。
 ところでみなさん、雪、好きですか? 私はいい歳して、雪、結構好きです。
 東京の晴れて乾いた冬はとても過ごしやすいですが、北国のつめたく白くて静かな冬は、ロマンチックで素敵なんですよ。  駐車場の雪かきはしんどいけどね。