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頑張ってイアンさん2014年03月07日 23:40

 英語のヒアリングに慣れようと、毎週1時間だけ雑談にお付き合いお願いしているカナダ人のイアンさん、3月後半から2週間ご家族連れてカナダに帰省すると今夜教えてくれました。
 でも楽しいはずの帰省のニュースにどこか浮かない様子です。

 事情を聴くまでもなくイアンさん自身が話し出したところでは、ちょうど今ちょっと反抗期でだらしなく振舞うお嬢さんを、奥様が一生懸命しつけようと奮闘しているところなので、このタイミングで帰省すると親戚に甘やかされてせっかくのしつけが台無しになりそうと心配顔です。
 なんでも、お嬢さんは小学校でもマイペースで、給食を食べるのが遅かったり、九九の習得に真剣に取り組まないでクラスの最後になってしまったりしているのだそうです。

 イアンさんにすれば、何でも人並みを求める日本の学校では、そんなマイペースはやがていじめや不登校などの大きな問題になりそうなので、早めになんでもさっさとこなす生活に治したいらしいのです。

 今は子供さんも親も大変な時代ですねー。
 確かにちょっと変わった子は、グループで仲間外れにされたり、クラスで無視されたりするって言いますものね。
 けど昔はもっと変な子もいて、そんな子の方が案外立派に軽井沢の大富豪になったりして、人生なにが幸いするかわからないですよね、実は。

 私としてはイアンさんにかえって娘さんのマイペースを大切にしてあげてもらいたくて、英単語をつなげて「個性的ってことは将来が期待できるよ」みたいな励ましの言葉を贈ったつもりだけど、伝わったかな?

 通信講座で大学の文学の単位に挑戦中のイアンさん。娘さん模範になるために、3月末締め切りのレポートを帰省前までに終わらせるように奥様から厳命が下っているそうです。
 最後はお互いオヤジはつらいよね、奥さん偉いよね、と言葉を越えて慰めあった夜でした。
 がんばって、イアンさん。

そんなリベンジ2013年12月20日 23:56

  卒業するとある国家試験の受験資格を手に入れることができるコースに在学中の、大学4年の子供。せっかくの恵まれた立場にもピンと来ていない様子で、勉強よりも残された学生生活一瞬たりとも無駄にせずに謳歌しようと、バイトに遊びに追っ掛けに全力を尽くしています。

 ところが、大学としては将来の学生確保の為に高い国家試験合格率が切り札となるので、あの手この手で学生の学力を上げようとして、放っておいてくれません。
 夏休みには全員必修で試験対策過去問トレーニングをするわ、秋からはこれまた強制的に模擬試験を受けさせるわで、「予備校か?」と疑うほど学生たちを囲い込みにかかります。

 元々試験勉強嫌いの子供は、大学から干渉されてさらにやる気をなくして、いつもいやいや模試を受けては合格ラインにはるか及ばず低迷しています。
 で、先日とうとう大学から婉曲的ですが、国家試験受験の辞退勧告が学費負担者(大学は”保護者”と呼びますが、中学生じゃあるまいし、成人になった子供を”保護”してるつもりはさらさら無い。)の私宛に届いてしまいました。

 自分の人生の可能性を広げてくれるせっかくの国家資格に、ガキじみた態度で向き合わない子供はアホですが、己の都合で学生の権利を阻もうとする今どきの大学もどうしようもないアホ。そんな学校はさっさと淘汰されてしまえばいい。

 そう思って子供には、こんな勧告無視無視と話したら、子供としては頭に血を登らせて「あのハゲ(教授のことらしい) 倍がえしだ!」

 それから電光石火のごとく先に次回の模試を終えた他の大学の友人に渡りをつけて、回答を入手し、寝る間も惜しんで答えを覚えこみ、模試に臨みました。

 さっき「試験どうだった?」と聞いたら、「ヤッベー、みんな今回できなかったのに自分だけスゴイ点数。」と青くなってました。

 このアホ勝負、あんたの勝ち!

あーあ。 どうして?2013年07月22日 17:25

 昨日の参議院選挙、皆さん投票には行かれましたか?

 私とUshiさんはここ数年、朝早いうちに犬を散歩させながら投票するのがスタイルになっています。
 政治家にはあまり期待していませんが、それでも世の中がこうなって欲しい、こうなって欲しくないという願いがあるから、せっかくの一票は絶対に使おう、意思を表そうと決めています。

 ところが、我が家に二人いる有権者の子供。今回二人とも投票に行かず。
 曰く、行こう、行かなきゃと思ったんだけどね、もはや投票所まで出歩くの面倒くさくて。
 だいたい候補者多すぎて、誰が誰だか選べない。
 
 はぁ?投票所までたかだか300m。ものの5分とかかりませんが。

 いくら子供と言え、親とは違う人格。
 聞かれれば自分の社会観、信念、どういう政治勢力を好ましいと思っているかは話しますが、子供には子供自身の考えを持ってほしくて、普段自分の考えを刷り込むようなことはできるだけ避けてきました。
 だから、選挙前は特に、誰を応援したらとか、選挙に行けとか、子供に影響を与えるような話題に触れないようにしていたんですが。
 あーあ。とんだ裏目でした。そんなふうに育てちゃったんだ。。。

 私にはわかりません。
 自分が参加もしていない選挙で多数派になった人たちが、センセセンセと呼ばれて特権使ってふんぞりかえって、どこかでいつの間にか法律をつくって、ある日「さあ法律だから従え。」と言われて、それでいいの?
 少なくとも選挙に参加していれば、負けたとはいえ、私はあんたらのこと認めた覚えはない!と気高く文句言えるんじゃないの?
 おとなしい羊でされるがまま生きていくの?これからあなたたちの時代なのに。
 権力は善人を悪魔にも変える魔物だよ。

 どうせ何も変わんないとか、変えようとしてから言え!

 候補者、政策で選べなければ、ポスター見てイケメン、カワイコチャン選んでもいいよ。星占いで相性のよさそうな人にいれてもいいよ。画数占いで選んでもいいよ。(本当はよくないけど。) 
 とにかく、せっかくただでももらえる(本当はただじゃないけど)選挙権、感心持ってよ。使おうよ、使ってよ、お願いよ。

 いまさらですが、こうなったら次の選挙目指して、ウザがられても子供に対して選挙に行こうキャンペーンを始めなきゃ。

朝、食卓に投げ出された2枚の選挙はがきを見て、がっくりきてしまったお父さんでした。

朝の親子2013年07月19日 20:58

 今朝、住んでいる集合住宅の自転車置き場で、小さなお子さん連れのご家族と出会いました。
 お父さん、お母さん、4歳くらいの女の子、お母さんに抱っこされた赤ちゃんの4人家族です。
 
 お父さんは自転車で駅に、女の子はお母さんの自転車で保育園に行くところだったのでしょう。でも女の子はお別れがつらくてお父さんの足にしっかり抱き着いて、お父さんは困り顔。お母さんは女の子を一生懸命なだめている様子でした。

 朝の時間が無いときに、子供に予期せぬ行動に出られると大人は焦ってしまいますが、実は親にとってはハプニングも含めて、今がとても幸せな瞬間なんだよなーと思いつつ、遠い昔の甘酸っぱい気持ちを思い出していました。

 
 我が家の年長の子供がまだ小さい時、朝、保育園まで連れて行く役割を受け持った時期がありました。最寄駅まで自転車で15分もかかる不便な場所に住んでいて、しかも電車を1本逃すと大変、次は20分待つことに。
 保育園まで自転車を一生懸命漕いで、子供をおろして、さー駅まで急ぐぞと思っても、毎朝子供が私の腕をとって簡単には行かせてくれません。
 腕時計をにらみながら、何とか子供の気持ちを友達や先生に向けようとするのですが、焦るほどに子供が私の腕をつかむ力が強まりました。
 終いに「たのむよー。お父さん遅刻しちゃうよー。」と泣き落としでやっと解放。
 フッとため息をついた子供は、別れ際決まって私の手に「チュッ」として園庭に駈け出して行きました。「行きたくないよ。一緒にいたいよ。」の一言を我慢してくれた後ろ姿がいじらしくて、いつもジーンと来ながら駅に急いだものです。

 あの頃、もちろん子供を愛おしく思っていましたが、子育ては自分の都合と相いれない厄介な荷物でした。
 でも今振り返ると、子供に振り回されていた(と思っていた)頃が一番気持ちが充実して豊な時間だった様に感じます。笑わせてもらったり、どきどきさせてもらったり、気づかせてもらったり。
 厄介者扱いしないで、もっとゆっくり楽しむべき宝物の時間だったのかなと。

 最近は昔より男性の育児参加意識が向上しているようですが、”イクメン”なんてもてはやされているうちはまだ希少の証拠。
 逃したチャンスを悔やんでいる身としては、若いお父さんに言ってあげたい。
 「組織や世間体は忘れて、何が本当にたいせつか、素直に考えてみようよ。」
 「今だけだよ。」

絵本紹介(14)2013年07月14日 15:18

 題名   : なみにきをつけて、シャーリー
 文     : ジョン バーニンガム
 絵     : ジョン バーニンガム
 訳     : 辺見まさなお

 ジョン バーニンガムの絵本としては、以前「ねえ、どれがいい」をご紹介しているので、2冊目になります。 私としては「ねえ、どれがいい」と甲乙つけがたく好きな作品です。

 中年の夫婦と、小学生くらいの女の子、それに犬が一匹、海岸へとピクニックにやってきます。

 女の子の名前はシャーリー。
 さっそくお母さんが「みずがつめたくて とてもおよげないわよ、シャーリー」と注意の言葉を投げかけます。

 浜辺にデッキチェアーを置いてくつろぐ夫婦。
 シャーリーは犬と一緒に、浜辺に向かいます。と、そこには置き忘れられたようにたたずむ一艘の古い手漕ぎのボートが。

 デッキチェアーに陣取ったお母さんから、ときどき、どうでもよい注意の言葉がシャーリーに投げられます。
 「あたらしいくつを きたないタールでよごしちゃだめよ。」とか、
 「いしをなげちゃだめよ だれかにあたったらたいへんでしょ。」とか。

 でも、ボートを見つけたシャーリーは素敵な空想の世界を旅していて、おかあさんのくだらない注意なんかちっとも届いていません。

 だって、ボートで犬と沖に漕ぎ出したシャーリーは、海賊船につかまってしまいます。一度は絶体絶命のピンチを迎えますが、犬の機転で難を逃れて、海賊から宝物の隠し場所の地図を奪って脱出。
 地図を頼りに海を渡るシャーリー。やがて無人島をみつけて、宝物を掘り出します。
 宝物の王冠をかぶって海賊の王様になったシャーリー。子分の犬を従えて、夜の海を行きます。

 ここでデッキチェアーのおかあさんの叫び声が。
 「まあ たいへん、こんなじかん!」

 空想の世界から現実に引き戻されるシャーリーですが、でも大丈夫。
 シャーリーの頭の中には、まだまだ果てのない物語が詰まっているのですから。

 
 この絵本は子供のどこまでも自由な想像力と、大人のつまらない現実の対比がとても面白い本です。
 どのページも左側はデッキチェアーからくどくどくだらない言葉を投げかける両親の姿を、右側は素敵な冒険をするシャーリーの姿を描いています。
 
 この本を開くといつも、大人ってなんてつまらなくてくだらないんだろう、嫌になってしまいます。
 子供のやっていることの方に共感を覚える、ということはまだ心は柔らか?