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絵本紹介(269) お金さえあればいい?2016年03月31日 21:08

題名  : 大人は知らない・子供は知りたい!
        お金さえあればいい?
        子供と考える経済のはなし
文   : 浜 矩子
絵   : 高畠 純
発行所 : クレヨンハウス

 済みません。絵本紹介といいつつ、今回は高畠純さんの挿絵はありますが、絵本とは呼べないかもしれません。子供にもわかりやすいように経済の本当の意味と、今の世の中の問題が述べられて、大人もなーるほどと得心させてくれる本なのでご紹介します。

 わたし自身ずーっともやもやしていること。

  ・なんで今の世間はこんなに金、金、金なの?
    利益とか儲けとかで測れない価値もわすれないでほしいなー。

  ・マネーっていったいなんなの?
    株価の上下って、結局ささいな噂に一喜一憂して巨大な<お金が
    実態なくミリセカンドで動いて。
    私たちの生活とかけはなれているなー。

  ・なんで経済が成長しなかったら大騒ぎなの?
    成長戦略とか競争とか国益とか、独り占めしようと目くじら
    立てないで、良い時もありゃ悪い時もある、お互いさまで
    ゆずりあっちゃダメなんですかねぇ。


  この本にはそんなモヤモヤをちょっとだけすっきりさせてくれる、黄門さまの印籠のような言葉がありました。


 ひとをしあわせにできないなら、それは<ニセの経済活動>です。
 経済は、お金や数字を増やしたり、大きくしたりするためのものではありません。
 ひととひとが信頼関係をもってつくるもの、ひとをしあわせにするものなのです。


 基本的には子供にわかりやすく経済を解説した本なので、こうすれば絶対という答えは本のなかには見つかりません。
 でも「ひとをしあわせにできないなら、それはニセ経済」というシンプルな考え方にとても共感しました。さすがは落合さんのクレヨンハウス。いい本出してくれます。

 最近、関西電力の高浜原発の稼働差し止め命令を出した福井地裁に、関経連の幹部から、国の政策に一地裁の裁判官ごときがたてつくなんて怒りを覚える的なコメントが出されたとか。
 事故が起きれば甚大な被害を被る地域の住民が、自分たちの幸せを損ねるから稼働しないで欲しいと訴えて、裁判所が確かにその危険があるからちょっと落ち着いて考えようかと判断したことに、なぜこの幹部は怒っているんでしょう?
 下々のくせに、国が決めたこと、関西の企業の利益になることを邪魔する奴は許さんということでしょうか。
 これなんかは、人の幸せには眼もくれない<ニセの経済>の申し子の典型例でしょうかね。

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