http://apricot-tree.asablo.jp/blog/img/2013/06/17/29f71b.jpg

絵本紹介(264) すてきな三にんぐみ2016年03月03日 23:42

題名   : すてきな三にんぐみ
作     : トミー アンゲラー
訳     : 今江 祥智
発行所  : 偕成社

 今日の絵本は最初にアメリカで発行されたのが54年前の1962年。日本語訳が出てからも47年で、2015年の版数は改訂217刷。
 不朽の名作をいまさらご紹介もないですが、先日久しぶりに読み返していて、半世紀以上前に作られたお話なのに、現代の私たちが問いかけられているように思ったもので。。。よかったらもう一度ご一緒に。


 夜の闇夜に紛れて山から下りて来たのは、黒いマントに黒い帽子のこわーい泥棒三人組。こんばんも獲物を探します。

 獲物の馬車を見つけたら、まずは馬めがけて目つぶしの胡椒をたっぷり振りかけて。。。


 馬車の車輪をマサカリで真っ二つ。
 ラッパの銃を構えて乗っていた人を捕まえます。


 奪ったお宝は山の上の洞窟にある隠れ家に運んで、ざっくりざっくりため込んでいました。

 ある晩三人組が襲った馬車にお宝はなくて、いじわるなおばさんに貰われていく、みなしごのティファニーちゃんが一人乗っていました。
 ティファニーちゃんが三人組と一緒にいたがったので、しかたなく三人はティファニーちゃんを隠れ家まで連れ帰ってベッドで寝かせました。

 あくる朝、隠れ家でざくざくのお宝を見つけたティファニーちゃんは、「まぁぁ、これ、どうするの?」


 どうするの?と聞かれて三人組は困ってしまいます。
 今まで集めることは考えても、何に使うか考えたことが無かったのです。

 そこで三人組はさびしく、かなしく、つらい気持ちで暮らしている捨て子やみなしごを集めるだけ集めて、お宝でお城を買って、そこで子供たちと一緒に暮らし始めました。


 三人組のお城で育った子供たちは、やがて大人になって、結婚して子供を産んで、みんなお城の周り家を建てて住んだので、やがてそこは村になりました。
 そして村には三人の帽子に似せた塔を3つ建てて、いつまでも三人組を忘れないようにしました。

 ホントにねー。そんなに世界中の富をかき集めてどうするの?と聞きたくなるようなマネーの流れです。
 たまには金儲け以外の使いみちを考えてから集めたらどうですか?