http://apricot-tree.asablo.jp/blog/img/2013/06/17/29f71b.jpg

古本屋さん2013年10月04日 23:18

 いつからか、古本屋さんを見つけると入ってみたい衝動に駆られます。
 
 特に小さくて通路が人ひとりやっと通れそうなくらい狭いお店だと、吸い込まれるようにとりあえず入ってみるます。
 書棚の下から上までびっしりと本が詰まっていて、さらにレジの後ろあたりに今にも崩れそうに本が積み上げてあったりすると、その店の中のどこかに自分の人生を変えてくれる本があるんじゃないかと、一生懸命本の背表紙を確かめてみたりするんですが、結局疲れて買って帰るのは無難なところで藤沢周平の文庫本だったり。

 幸せなことに、今通っている勤め先の近くには古本屋さんが多くて、特に絵本も置いてくれている3軒のお店を、仕事帰りにときどき覗いています。

 その3軒にそれぞれ特徴があって面白いんです。

 1軒目は多分30代の若い夫婦で切り盛りしているお店で、ちょっとおしゃれな古本屋さん。強いジャンルが芸術、演劇、映画、音楽などです。店の中はいつも整っているし、特集スペースは一月ごとに違うテーマでアンティーク本やビンテージ本が並べられて、お客さんもよく入っています。あ、これいいなーと思う絵本に出会うことが一番多いお店です。

 2軒目は典型的な街の古本屋さんで、マニアックな本よりも、単行本や文庫本が中心の品ぞろえ。帰宅途中にちょっと立ち寄って、ちょっと前に話題になった小説とか新書を探してみたくなるお店です。きっと夜の8時とか9時とかに常連さんが寄って行くのでしょうね。絵本の品質は良いのですが、ちょっと高くて仕入にはなりづらいんです。

 そして3軒目が昔の古本屋さんのイメージを色濃く残しているお店。ただでさえ狭い通路にも未整理の古本が積み上げられていて、足の踏み場がありません。しかもご主人は普段店番をしていないので、本を買おうとすると、奥に向かって大声で叫ばなければ出てきてくれません。
 レジ周りは恐ろしく乱雑な状態で、いつも領収書の用紙が行方不明。時にはご主人が客の私に店番頼んで領収書用紙を買いに走ることも。 そんないい加減なお店行かなければ良いのに、なんか嫌いになれないんですよね。実は昨日もお邪魔したら、ご主人また領収書用紙買いに走りました。いったい何冊の浮かばれない領収書が。。。 おぉ怖。

 自分は「あぷりこっとつりー」をどんな店をつくっていきたいのかなぁと考えると、実はあまりしっかりしたデザインがありません。(スイマセン)
 きっと1軒目のお店のような、絵本好きのお客さんに頼りにされる店が一番近いんだと思います。でも3軒目のお店の様に、ちょっとだらしないけどなんか放っておけない部分も見習いたいなとも。(見習ってできる特徴ではないかもしれませんが。)

 結局自分の思いを押し付けるより、お客様の表情を見たり、声を聴いたりして試行錯誤で作りあげて行くのが一番なんでしょうね。

 しばらくの間スタイルがブレると思いますが、どうぞ長い目で見て育ててやって下さい。よろしくお願いします。