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11/7 あぷりこっとつりーこぼれ話2015年11月07日 23:59

 (ちょっと油断したら、日向に置いたこたつ布団を占拠されていました。)

 すっかり忘れていましたが、もう11月。冬の入り口、のはずの季節です。
 我が家のワンコ達も暖かい場所を探して貯まるようになってきました。

 天気予報では寒くなると言っていたような気がするのですが、今朝も暖かくて、シャツ1枚で自転車をこいでも暑かった今朝の東京です。

【Baku-Gai】 
 この暖かさに誘われてか、午前中にはカリフォルニアからの観光のアメリカ人4名様ご来店。
 日本製の雑貨を買い求めて行ってくれました。
 最近は中国人に限らず外国人のお金の使いっぷり、いいです。反対に日本人はほとんど衝動買いしてくれず、じっくり考えて考えて、結局買わずに行ってしまう方多いです。
 近所の雑貨製造会社の奥さんも、今年は売れ行きがさっぱりと心配していました。
 ガンバレ日本。

【初めて、かな?】
 向かいの美容室Remiさんにお父さん、お母さんと一緒に来ていた1歳くらいのお子さん(性別不明。とてもかわいいから女の子に見えるんですが、服は男の子っぽくて。。。)。お母さんのカットが終わって、交代にお父さんが切って貰っている間、お母さんにだっこされて店に遊びに来てくれました。
 ワンワン鳴いてお出迎えした看板犬が気になるけど、まだ近寄って触れない。
 ワンコをだっこして、そおっと近づけてあげたら、指をぺろっとなめられちゃいました。
 そしたらそのお子さん、きゃっきゃと言って喜んでくれました。
 あーまた一人、未来の犬好きを作っちゃったかな?

【ハロウィン疲れ?】
 午前中から昼までは来店者もそこそこいて下さって、店内活気があったのですが、2時ごろから予報より早く雨。
 あぷりこっとつりー、雨天にはめっぽう弱いんです。わざわざ傘をさして絵本を択びに来るお客様はいないし、雨で暗いと店が目立たないし、傘を持っててこれ以上荷物増やしたくないし。。。それに先週のハロウィン熱気で疲れちゃったのか、裏原までやって来る人がなんか少ない感じでした。
 ということで、好調だった来客は、雨雲と同時ににぴたっと止んでしまいました。

 天気予報では明日も雨。静かな日曜日になりそうです。

絵本紹介(241) ひとまねこざるときいろいぼうし2015年11月05日 23:55

題名    : ひとまねこざるときいろいぼうし
作     : エッチ エイ レイ
訳     : 光吉 夏弥
発行所  : 岩波書店

 先日古本市で見つけて、一気に記憶が甦りました。持ってたこの絵本!しかも文庫本とかと同じ右閉じ。発行は1973年なので42年前の絵本です。古さもさることながら、おさるのジョージシリーズの原点、ジョージがなぜ黄色い帽子のおじさんと暮らすようになったのか、そのエピソードが描かれています。


 アフリカに住んでいたジョージは、ある日黄色い帽子をかぶった人と出会います。
 黄色い帽子のおじさんは、ジョージを連れて帰りたいと思って、黄色い帽子を餌にして、まんまとジョージを捕まえました。


 そしてジョージは船に乗せられます。おじさんが言うには、「ねえ、ジョージ。ぼくはきみを大きな町の大きな動物園に連れてってやるつもりなんだ。」
 今では考えられない乱暴な理屈ですが、50年前は良い子も納得だったんですね。

 船旅の途中、いたずらが過ぎたジョージが船から落ちて海で溺れて間一髪助けられるエピソードがあるのですが、この時代の絵本では、明るく「もうすこしで、ジョージは、おだぶつになるところでした。」 これも当時の良い子にはOK。ワイルドでしたね。

 船がおじさんの国に着くと、ジョージは町の暮らしを楽しみます。
ある日おじさんの真似をして電話を掛けたら、消防署にかかってしまって、消防車が出動して大騒動。


 ジョージのいたずらと知って怒った消防士に、「二度と、こんないたずらができないように、ぶちこんでやらなくちゃ」(ぶちこむも当時はOKだったのでしょう。)と、牢屋に入れられてしまいました。


 さあ、はるばるアフリカから連れてこられたジョージ。おじさんとの暮らしは?おおきな動物園は?

 たまたま見つけた42年前の古絵本。長い年月を経てきた割には、最初の持ち主のサインとちょっとした汚れがある以外、とてもきれいな状態です。私の手元に来るまで、一体どんな歴史を刻んで来たのかな? 復刻版(左綴じで大型絵本として生まれ変わっています。)では味わえない思い出を運んできてくれました。

絵本紹介(240) ながいよるのおつきさま2015年11月01日 23:15

題名    : ながいよるのおつきさま
作     : シンシア ライラント
絵     : マーク シーゲル
訳     : 渡辺 葉
発行所  : 講談社

 朝夕の寒さがだいぶ強くなってきましたが、まだちょっと月を眺めに窓を開けるくらいならいけそうな季節です。空気は澄んで、星や月がきれいに見えます。ということで、今日はお月様に関連した本の紹介です。


 昔、アメリカの原住民の人たちは、月に名前を付けました。
 1年12か月、それぞれの満月に別の名前を付けて愛おしんだのです。

 1月 Stormy Moon
嵐のお月さま。霧の中で、氷の中で、狼の背中で、お月さまはきらりと煌めきます。


 2月 Snow Moon
雪のお月さま。ぴりぴり冷たい息の中で、しろくくっきりとお月さまは輝きます。


 3月 Sap Moon
夜露のお月さま。氷の解けだした池の上に、寝ぼけ顔のクマたちの上に、小さい緑の木の上に、お月さまは登ります。

 4月 Sprouting Grass Moon
芽吹きのお月さま。渡り鳥を呼び戻します。

   5月 Flower Moon
 つぼみのお月さま。ふんわりと明るく花開く、なんて幸せな時。

 6月 Strawberry Moon
いちごのお月さま。みずみずしい木の芽と、ピンと伸びた枝と、幸せなウサギたちの為に、お月さまはちらちら揺れます。


 7月 Thunder Moon
雷のお月さま。ごろごろごろごろ、体を震わせ黒々とした空にお月さまは消えます。

 8月 Harvest Moon
実りのお月さま。まんまるに膨らんだ大きな甘いメロンの様。

 9月 Coon Moon
 アライグマのお月さま。アライグマたちの夜の活動を、お月さまは見守ります。


 10月 Acorn Moon
どんぐりのお月さま。力強く、大きく、1年で一番大きな月。

 11月 Frosty Moon
霜柱のお月さま。凍り付いた地面と、裸の木々と、冷たい木枯らしを抱きしめて、星たちと一緒に揺れる。

 12月 Long Night Moon
 永い夜のお月さま。朝が来るのを待って待って待ち続けます。

 お月さまも季節季節で顔が違ってくるものなんですね。
 自然とともに暮らしていたネティヴアメリカンの人たちは、現代人よりもずっとお月様の表情の違いに敏感だったから、12の名前を付けたのでしょう。

 物質や便利さでは便利になった現代社会ですが、人は自然と対話する能力を捨てつつあるようで、もったいないことです。

余談ですが、東京で全然見えなかったオリオンンザ流星群。十勝の空では明るいオリオン座とグリーンに明るく輝く流れ星を見ることができました。

10/31 あぷりこっとつりーこぼれ話2015年10月31日 22:59

 昨日まで暖かかったので、たぶん例年並みに戻っただけなのでしょうが、寒く感じた今日でした。

【ハロウィン】
 今日はハロウィンだそうで。朝からニュースは昨晩の渋谷の様子と、今日予想される混雑について繰り返し報じていました。

 原宿はどうだったかと言いますと、ちょっと仮装系の人が多かったかな?ロリータとかゴスロリとかは普段でもいるし、斬新なのか奇抜なのか仮装なのか見分けがつきにくい。その意味では原宿は仮装のし甲斐が無い街かもしれません。

 でもワンコの散歩ですれ違った小さな子連れの白人のお父さん、ズボンの代わりにアヒルのおもちゃ(ラバー ダック?)をはいて歩いていて、笑わされました。日本人の仮装ユーモアのセンスも欧米に追い付け追い越せ。今はゾンビとか魔女系が多いですが、やがて独自路線確立して欲しいものです。

【トルコ大使館】
 先週の日曜日、在外投票に集まったトルコ人とクルド人の間で大乱闘騒ぎのあったトルコ大使館前。今日もまだ厳戒態勢で警察車両が横付けされていました。

 日本に暮らしていると、民族問題が生活に影響してくる経験に乏しいですが(アイヌの方々、在日の方々、沖縄の方々への差別・偏見は根強く残っているようですが)、昨今世界を不安定化させている原因には少なからず民族や宗教が絡んでいます。

 国際化していく東京、いつまでもテロや暴力と無縁とは言えなくなってきましたね。

【古本市】
 今日は一時Ushiさんに店をお願いして、神田の古本市に仕入に出かけて来ました。
 神田の古本市はとても有名で、文学や歴史の古本販売のイメージが強いのですが、実は絵本屋児童書のセール会場も充実しています。
 絵本で言うと、毎年有名出版社が経年の在庫品を半額とかで放出してくれますので、大きなキャリーバッグを抱えた幼稚園や図書館関係の方と思われるお客さんが殺到します。

 明日ももう一日ワゴンセールが予定されていますので、絵本を安くたくさん手に入れたい方、覗いてみてはいかがでしょう。

【ハロウィンその2】
 原宿ではあまり仮装に出会えませんでしたが、自宅の集合住宅に戻ってみたら、小さなお子さんとそのお母さんたちがさまざまな仮装をして、トリックorトリートでお菓子を貰い歩いている最中でした。
 
 子供の仮装はカワイイですね。それに今どきのお母さん、みなさん若くてきれいで、仮装が似合ってました。

 因みにカナダ人のイアンさんによると、玄関先にジャック・オー・ランタンを飾ってある家はトリックorトリートOKのサインだそうで、逆に明かりの消えている家の呼び鈴は押してはいけないそうです。
 子供たち、お菓子もらえたかな?

絵本紹介(239) はせがわくんきらいや2015年10月29日 23:59

題名   : はせがわくんきらいや
作    : 長谷川集平
発行所 : 復刊ドットコム

 不思議なタイトルに魅せられて開いてみたら、墨で書きなぐったような大胆で力強い絵が飛び込んできました。陰湿ないじめの事件が珍しくない時代ですが、子供も大人も心の中にある弱者に寄り添う気持ちに響いて欲しいお話です。


 幼稚園の時、乳母車に乗って来た赤ちゃんみたいな長谷川君。
 先生が「長谷川君はからだが弱いから大事にしてあげてね」と言ったので、僕はトンボを取ってあげた。


 長谷川君「とんぼいらん」ゆうた。
 「なんでや。」
 「虫は、きらいや。」
 「女みたいやなあおまえ。」
 そないゆうたら長谷川くん泣いてしもた。
 頭にきて「泣くな」ゆうてなぐってやったんや。

 ぼくははせがわくんがきらいです。はせがわくんといたら、おもしろくないです。なにしてもへたやし、かっこわるいです。はなたらすし、はあがたがたやし、てえとあしひょろひょろやし、めえどこむいとんかわからへん。


 そんな長谷川君は小学校に入るとピアノを習い始めます。


 長谷川君のおばさんは、「あの子、けんかしても泣かされてばっかやからピアノで勝つんやゆうてならいよんよ」

 「なあおばちゃん、なんで長谷川くんあんなにめちゃくちゃなんや。」
 するとおばちゃんはため息をついて、長谷川君は赤ん坊の頃ヒ素入りミルクを飲んで体を壊してしまったのだと言いました。

 「あの子と仲ようしてやってね。」ゆうておばちゃんはキャンデーくれたった。そやから山もいっしょに連れてったる気になったんやで。


 長谷川くんもっと早うに走ってみいな。
 長谷川くん泣かんときいな。
 長谷川くんわろうてみいな。
 長谷川くんもっと太りいな。
   長谷川くんごはんぎょうさん食べようか。
 長谷川くんだいじょうぶか。長谷川くん。

 長谷川くんといっしょにおったらしんどうてかなわんわ。
 長谷川くんなんかきらいや。大だいだいだいだあいきらい。


 あと書きを読むと、この絵本の長谷川くんは作者長谷川集平さん自身がモデルのようです。1955年生まれの長谷川さんが少年だったころは、まだ乱暴だけど弱いものに寄り添うガキ大将がいた時代だったのでしょうね。「きらいや」と言っている主人公の暖かさが伝わってきます。  私自身も子供の頃から体格が良かったので、誰に言われるでもなくクラスのひ弱な男子は乱暴者から守ってやらねばと、なんとなく義務感を持っていました。
 今の子供たちのいじめは、ターゲットを作って集団でひどいことをする、誰も止めないと聞いても、子供がそんな計算高い陰湿な世界に暮らしているなんて信じ難いところです。
 大人も子供も、この絵本のようなゆっくりした時間の流れで中に生きられたらいいのに。