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絵本紹介(241) ひとまねこざるときいろいぼうし2015年11月05日 23:55

題名    : ひとまねこざるときいろいぼうし
作     : エッチ エイ レイ
訳     : 光吉 夏弥
発行所  : 岩波書店

 先日古本市で見つけて、一気に記憶が甦りました。持ってたこの絵本!しかも文庫本とかと同じ右閉じ。発行は1973年なので42年前の絵本です。古さもさることながら、おさるのジョージシリーズの原点、ジョージがなぜ黄色い帽子のおじさんと暮らすようになったのか、そのエピソードが描かれています。


 アフリカに住んでいたジョージは、ある日黄色い帽子をかぶった人と出会います。
 黄色い帽子のおじさんは、ジョージを連れて帰りたいと思って、黄色い帽子を餌にして、まんまとジョージを捕まえました。


 そしてジョージは船に乗せられます。おじさんが言うには、「ねえ、ジョージ。ぼくはきみを大きな町の大きな動物園に連れてってやるつもりなんだ。」
 今では考えられない乱暴な理屈ですが、50年前は良い子も納得だったんですね。

 船旅の途中、いたずらが過ぎたジョージが船から落ちて海で溺れて間一髪助けられるエピソードがあるのですが、この時代の絵本では、明るく「もうすこしで、ジョージは、おだぶつになるところでした。」 これも当時の良い子にはOK。ワイルドでしたね。

 船がおじさんの国に着くと、ジョージは町の暮らしを楽しみます。
ある日おじさんの真似をして電話を掛けたら、消防署にかかってしまって、消防車が出動して大騒動。


 ジョージのいたずらと知って怒った消防士に、「二度と、こんないたずらができないように、ぶちこんでやらなくちゃ」(ぶちこむも当時はOKだったのでしょう。)と、牢屋に入れられてしまいました。


 さあ、はるばるアフリカから連れてこられたジョージ。おじさんとの暮らしは?おおきな動物園は?

 たまたま見つけた42年前の古絵本。長い年月を経てきた割には、最初の持ち主のサインとちょっとした汚れがある以外、とてもきれいな状態です。私の手元に来るまで、一体どんな歴史を刻んで来たのかな? 復刻版(左綴じで大型絵本として生まれ変わっています。)では味わえない思い出を運んできてくれました。