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絵本紹介(62) ちいさなへいたい2014年01月19日 22:55

題名    : ちいさなへいたい
作     : パウル ヴェルレプト
訳     : 野坂悦子
出版社  : 朔北社

 2009年の終戦記念日に初版が発行された絵本ですが、ちょうど今の危うい世相に注意を促すお話のような気がします。

   ”ぼく”には、どうしてそうなったのかわからないうちに、ある日戦争がはじまりました。


仲間たちと”ぼく”は、制服やヘルメットや装備品をもらって、遠い戦場に出かけます。


 戦場で”ぼく”たちは戦い、たくさんの友達が死んで”ぼく”は生き残りますが、たくさんの恐ろしいことを目撃しました。


 そのうち戦争は勝利で終わり、帰ってきた”ぼく”は勝利を喜んでいる人びとに出会いますが、同時に多くのひとが家を失い、家族を失い、悲しんでいる場面にも立ち合います。


 ”ぼく”は壊された自分の家を建て直しながら、結局あの戦争場なんだったのか? もう戦争のことなんか考えないで生きていきたいと願いました。

 物語はこれで終わりますが、裏表紙に作者のヴェルレプトの次の言葉が記載されています。
    なぜ『ちいさなへいたい』なのか?
    人はちっぽけな存在だから - 戦争が起きればなおさら
    そして戦争には勝つ者などいないのだから

 誰もが口を開けば、戦争はいけない、戦争をなくそう と言うのに、どうして世界中から戦争が消えることが無いのでしょう。
 せめて自分のすぐそばで、いつの間にか戦争が始まらないように、目を光らせていたいと思います。

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