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絵本紹介(226) チーター大セール2015年09月10日 22:17

題名   : チーター大セール
作    : 高畠 那生
発行所 : 絵本館

 今日ご紹介する絵本は、予測を超えるナンセンス物語を作り出しては私たちを驚かせる高畠那生さんの、中でも一級品のナンセンスぶりの絵本です。なんで?とかどうして?とか考えないで、単純にぶっ飛びましょう。


 ある街でチーターがスタンドの売店を開いていました。
 でもお店は(どこかの絵本屋みたいに)いつも暇。

 そこに女のお客さんがひとりやってきて、「あなたのくろいもようをくださいな。」

 それを聞いたチーター、最初は口をあんぐりビックリしましたが、せっかくだから売ることにしました。(売っちゃうんだぁ。。。)


 チーターは体から模様をはがしてお客さんに渡すと、お客さんは体にペタペタ貼って帰って行きました。

 黒い模様を売ったチーターは、模様の後がクッキリ残っちゃいました。
 チーターは暇だったので、模様の後をマジックで赤や青に塗ってみました。すると派手なチーターが出来上がって、これがなかなかいい。


 はでな模様のお蔭で人がたくさん集まってきて、チーターのお店は大繁盛。売り物が無くなって店じまいしていたら、オバサンが「あなたのきいろをいただこうかしら」。


 チーターはまたドッキリ。でもせっかくなので黄色い色も売ることにしました。

 するとしろい色に赤や青の模様があるもっと派手なチーターになってしまったので、チーターはさすがに恥ずかしくなりました。

 そこで考えたチーターは、白い体に売れ残りのシールを貼ってみました。
 すると。。。。 意外といいかも!


 ホント、意外とイケテル。黄色に黒の模様より都会的で、もっと早く走れそう。しかし高畠那生さんの発想って、徹頭徹尾ぶっ飛んでますね。
 チーターが暇そうに売店の店番している所までは常人でもなんとか思いつきそうですが、模様を売っちゃう、模様の代わりに色つけちゃう、黄色も売っちゃうなんて、どうしたら思いつくのでしょう。
子供の頃に高畠那生さんの絵本に出会ったお子さんは、もしかすると常識を覆せるパイオニアに育つかもしれませんね。

こわかったぁ2015年09月11日 23:55

 昨日は鬼怒川堤防決壊のニュースに釘付けになってしまいました。

 たまたま仕事が非番で、雨なので家でおとなしくしていたのですが、ちょっとつけてみたTVでいきなりヘリからの堤防決壊現場の映像を見せられて、しばらく固まってしまいました。

 家の横を滝のように流れていく濁流。
 濁流がもろに当たる家屋に取り残されて、ヘリに向かって手を振る人の姿。
 濁流の分かれ目で奇跡的に残っている電柱の足元に立ちすくんでいる人の姿。

 TVがこんなにはっきりとその人たちの生命の危険を映し出しているのに、助け出してあげる手段を持たないもどかしさ。

 結局TVに映った人たちは危機一髪のタイミングで救助されて行きましたが、濁流に家屋が押し流される前に救援が間に合うのか、固唾をのんで見守ってしまったので、かなり長い時間中継映像に見入ることになってしまいました。

 4年半前の東日本大震災の時の津波の映像といい、今回の水害の映像といい、普段は和みの対象である海と川の変貌がとても恐ろしくて仕方ありません。

 自宅の近くにもかつて氾濫したことのある川が流れているので、水害は他人事と思えません。
昨日の堤防決壊で20人を超える方が行方不明だとか。どこかに避難していて連絡が取れないだけなら良いのですが。
一日も早く被災地の皆さんの普段の暮らしが戻りますこと、お祈りしております。

9/12 あぷりこっとつりーこぼれ話2015年09月12日 22:05

 今朝は寝床から起き出して犬たちの世話を始めたところで、突然のドシン、グラグラに見舞われました。
 グラグラの瞬間に踏ん張ったのが影響したのか、直後に犬の排せつ物を片付けようとしたら、腰に激痛が走りました。久々のぎっくり腰です。
 と、いう事で、今日はコルセットを巻いての営業となりました。

【キッズデイ】
 今日はあぷりこっとつりーのすぐそばにあるイベントスペースのVACANTさんで、キッズディスコという催しも<のがあったおかげで、親子連れのお客様がたくさん来店されました。
 VACANTさんのプログラムを見たら、キッズディスコとは、DJ(プロの方)付きでダンスミュージックを流して、お子さんたちにフロアいっぱい感じるままに踊ってもらおうと言うイベントの様で、ライブゲストになんとパフィーの名前も。
 すげぇー!今どきのお子さんたち小さいうちから本物に触れて、大きくなったら切れ切れダンスを軽ーく披露しちゃうのかな。うらやましい。  お子さんたちに次々迫られて、看板犬たちちょっとたじたじでした。

【デザイナー?】
 午後に来店されたお客様は、多分デザインかイラストの仕事をされているようで、仕事の資料として季節先取りのクリスマス絵本を購入して行かれました。それと、店内に飾ってあるドイツエルツ地方のサンタやスノーマンやくるみ割り人形を写真に収めて帰られました。
 きっとクリスマス関係のデザインかイラストの参考にするのでしょうね。くれぐれも佐野研二郎さんと同じ失敗はしないようにね。
 このお客様が帰られたあと、ふと見るとネコブロックがとてもセンス良く積み重ねられていました。さすが!

【特集】
 9月になってすっかり涼しくなって、今年はいつもより秋が早くやってきたようです。そこで新刊絵本売り場のひとつの棚に、秋やお月さまに因んだ絵本を集めてみました。(冒頭の写真)
 それから、秋と言えばナンセンス。そこでもうひとつばかばかしい笑いを誘うナンセンスな絵本を集めた棚もつくってみました。だんだん陽が短くなってとかくシュールに陥りやすいこの季節、ナンセンスな絵本で笑って、くらい気持ちを吹き飛ばして下さい。


 以上あぷりこっとつりー、明日もコルセットの力を借りて営業です。

絵本紹介(227) おつきさま2015年09月13日 23:15

題名   : おつきさま
作     : やすいすえこ
絵     : 葉 祥明
発行所  : フレーベル館

 今回ご紹介する絵本は、秋の静かな夜空に浮かぶお月様を見上げて、みんななにかの願い事を唱える美しい抒情詩のようなお話です。葉祥明さんの透き通るような夜とお月様の絵が、心の静けさをもたらしてくれる、そんな絵本です。


 のはらの いえの まどから おんなのこが よぞらを みあげて いいました。
 「どこかで だれかさんも みているかなあ。 きれいな きれいな おつきさま」


 見ていますよ。
 屋根の上では野良猫がお月様に歌を聴いて貰っています。いい気持で月夜の歌を。


 街角では迷子になってしまった犬がお月様を見上げて、帰り道を教えて下さいと、べそをかいています。

 遠くの駅では、ちょうど最終電車を見送った駅長さんが、お月さまに今日の無事を感謝して、明日もいい日でありますようにと祈っています。


 広い広い畑の真ん中にひとり立ちっぱなしの案山子は、お月様が見ていてくれるおかげで長い夜も寂しくありません。


 海の上を行く大きな船では、船長さんがお月様にメッセージを託します。もし子供たちがお月様を見ていたら、お父さん元気だよと伝えて下さい。

 そして、
 うみべの ちいさな いえの まどから おとこのこが おつきさまに いのっていました。
 「おつきさま、ぼくの ともだちの けが、 なおしてください。 とおい のはらに すんでいる おんなのこです。」


 子供の頃、夜道を歩くと月が一緒についてくるように見えて、とても不思議に感じて、フェイントをかけて急に逆に戻って見たりしました。それでもお月様はついてきたんですよねぇ。アホな子供の鬼ごっこに付き合ってくれて、あの頃の月の方が今より身近だった様な気がするのですが。。。 あまり高い建物で遮られて隠れてしまうことが無かったからですかね。
 そういえば最近月をちゃんと見ていません。今年の中秋の名月は、久しぶりに月見をしてみよかな。

首のすげかえ?!2015年09月14日 23:59

 「首のすげかえ」と言えば、うまく機能しない組織で、何かの係りや役職の人を交代させて改善を図るときによく使う言葉です。

 ところがネットでちらりと見たニュースでは、真偽の程はわかりませんが、生きた人の頭部を脳死などで提供された体に”移植”する計画をぶち上げている医師がいるとか。
 早ければ数年のうちに実行したいとしゃべっているようですが、正に首のすげかえ。

 常軌を逸した計画で、ホラ以外の何物でもない!と一笑に付したいところですが、体は衰えても、記憶や心を新しい体に移し替えて、永遠に生きたいという願望を持つ人は結構いそうです。

 それとはちょっと違うかもしれませんが、昔勤めた会社のワンマンオーナーは、自分亡きあとも後継の息子に指示を与えるオーナーロボットの開発を真剣に考えていました。結局肝心の会社がつぶれて計画はとん挫しましたが。

 そういえば少し前にカナダ人のイアンさんが、心と記憶を他の人に移植する技術が開発されるSFを読んで感化されて、そうなったら何がしたいと聞いてきたことがありました。
 きっと私も「いいね」と同調して、2回目、3回目の青春を、あれもやってこれもやってと前向きなおしゃべりのネタになると期待していたのでしょうが、「いや。人生は寿命が尽きるまでで十分」と答えてがっかりさせてしまいました。

 50年といくらかの人生を振り返って、たまたま運が良かったから平和の元、健康に楽しく生きてこれたと思いますが、この先も同じように幸運に恵まれる保証はないし、若返ってまた勉強だ、競争だ、生き残りだの荒波の中に戻るなんてまっぴらです。一度やったらもうたくさん。
 
 人生の下り坂に入ったと自覚すればこそ、時間を惜しんで遊びに出かけたいと意欲も湧くってものです。
 まだまだやりたいことがたくさん残っているけど、首のすげかえなんか期待せず、ガタが来た身体でもだましだまし使っていこうと腰をさすっています。