http://apricot-tree.asablo.jp/blog/img/2013/06/17/29f71b.jpg

春一番 でしたか。2014年03月19日 22:05

 今週になって気温が上がりだした東京。昨日は犬の散歩で立ち寄った公園の池で、今年初めてカメを見つけました。
 みんな冬眠から覚めて、さっそく岩の上で甲羅干し。長かった眠りから目覚めのノビーィをしているみたいでした。

 そしてものすごく強い風が吹き荒れてくれたので、目に入ったチリがなかなか取れなくて、しばらく片目を開けられませんでした。後で聞いたら春一番だったそうで、ようやく季節が一歩前に進んでくれたんですね。

 それにしてもここしばらくTVニュースで吹き荒れるロシアのナショナリズムの嵐は、いただけませんね。
 報道で見る限り、ロシア中がクリミア併合万歳のムード一色に見えて、気味悪さを感じてしまいます。ロシア人の中に、そんな無茶しないで周辺と仲良くやろうよという声は無いのかしら?
 
 ウクライナもロシアも、どちらもクリミアは固有の領土だと言い張って、きっとどちらの言い分にも一理あるし、クリミアに住むロシア系住民の喜び方を見ていると、「プーチンが悪い」とも簡単には言えないのかなぁーと考えさせられてしまいます。(圧倒的な軍事力で恫喝しているのはまったく卑怯だけど。)

 このまま時間とともに「クリミアはロシア」の既成事実は固まっていって、今はけしからんと怒っている欧米もやがて見て見ぬ振りになっていくのでしょうかね。
 
 国家とか国土とか領土って、わかっているようで、実はあいまいでいい加減な線引きですね。いっそ無ければいいのに。

 是非ともみんな冷静になって、戦火だけは避けて貰いたいものです。

絵本紹介(78) おとうさんのちず2014年03月20日 23:34

題名   : おとうさんのちず
作    : ユリ シュルヴィッツ
訳    : さくま ゆみこ
出版社 : あすなろ書房

 戦争で街を焼かれて、すべてを失い命からがら逃げだしたぼくと家族は、遠い遠い東の国までやってきました。

 夏はとても暑いし、冬はとても寒いところで、家は泥やわらや、ラクダの糞でできていて、周りには砂埃が立つ平原が広がっていました。

 ぼくたちはよその夫婦と一緒に小さな部屋で暮らして、夜は土を固めた床の上で眠りました。


 ある日のこと、市場にパンを買いに出かけたお父さんは、パンを買わずに地図を買って帰ってきました。そのおかげで僕たちは夕食抜きで寝なければならなくなったので、僕はおとうさんを恨みます。

 でも次の日おとうさんが壁一面に地図を貼ると、暗い部屋に色があふれました。

 地図のおかげで狭い部屋にいても、僕のこころはどこへでも飛んでいけるようになって、お父さんを許せない気持ちはなくなりました。
 それからの僕は、ひもじさも貧しさも忘れて、はるか遠くで魔法の時間を過ごすことができるようになったそうです。

この物語は第二次大戦の時ポーランドのワルシャワから脱出して、今のカザフスタンまで逃げ延びた作者の体験が元になっている実話だそうです。
 本当は戦争なんか起きずに生まれた故郷で平和に暮らせたら一番良かったのでしょうが、たとえつらい境遇に追い込まれても、未来への夢を持つことで幸せな明日を信じて強く生きてこられたことを教えてくれる物語です。

 ひもじい家族を抱えながら、一切れのパンでは食べても飢えは収まらないけど地図は夢を与えてくれると、パンを買わずに地図を買ったお父さん。父親としてカッコイイです。

 いつでも夢を持っていたいと思いますが、でも自分ならきっとひもじさに負けて食料買ってしまだろうなぁ。もっと大きくならなきゃ。

お知らせ: 明日から3日間営業予定です。休みに退屈したら遊びに来てみて下さいねー。

油断大敵2014年03月21日 23:10

 昨日の冷たい雨が止んで、今朝の東京はポカポカとは行きませんが、柔らかい日差しの春分の日を迎えました。

 今日は春分の日という例年のイメージにについうっかりだまされて、ポロシャツにフリースという軽装で自転車漕いで店へと向かってしまいました。
 往きはそれでも寒さを感じないで快調なサイクリングだったのですが、夕方営業を終えて外に出てみてびっくりしました。朝よりずっと気温が下がって、北からの風が冷たいこと。
 でも防寒着を全く持っていなかったので、仕方なく北風に吹かれながら自転車で疾走すること40分。
 途中ブルブル震えながらの信号待ちでふと気づくと、アクセサリー屋さんの照明が当たるショーケースの上で三毛猫が気持ちよさそうに寝ていて、暖かそうでとてもうらやましかったぁ。自宅に着くころには体の芯からすっかり冷え切ってしまって、足がつりました。
 本当に春らしくなるまでにはまだしばらくかかりそうですから、油断しちゃいけませんね。

 昨日は我が家の下の子の大学卒業式でした。
 上の子の小学校入学から数えて20年、親として用意してやれるものを無事出し尽くした感があって、ほっとしました。
 子供たちが大学生になってからは、親と子というより年長者と若者の関係で接してきたつもりで、自分の中では既に子離れはできていると思っていますが、いざ独立という時はやっぱり寂しくなるんだろうなぁ。

 ここまで家族皆健康で無事に過ごせてこられた幸運に感謝して、いつまでも続いて欲しいと願う春です。

絵本紹介(79) 紙しばい屋さん2014年03月22日 22:00

題名   : 紙しばい屋さん
作    : アレン セイ
出版社 : ほるぷ出版

 私の世代はかろうじて知っていますが、ちょっと若い人たちは紙しばい屋さんという商売があったこと、もしかしたら知らないかも知れませんね。
 この絵本は昔紙しばい屋さんだったおじいさんが、久しぶりに自転車に紙芝居を積んで街に出かけたお話です。

 今からちょっと昔、山あいの小さな家に、おじいさんとおばあさんが二人だけで住んでいました。
 ある日おじいさんが、久しぶりに紙しばい屋さんの仕事に出かけてみようと思うとおばあさんに言いました。するとおばあさんはそれじゃお菓子をつくりましょうと、嬉しそうに答えます。
 翌朝、おばあさん手作りのお菓子と紙芝居を自転車の荷台に積んで、おじいさんはご機嫌で鼻歌を歌いながら山を下りて街に向かいました。

 でも久しぶりに昔よく通った街に入ると、景色が大きく変わっていて、おじいさんはどこかで道を間違えたのではないかとさえ思いました。高い建物だらけで、道は車がいっぱいで、おじいさんの自転車は邪魔者あつかいされてしまいました。


 やっとの思いでよくこどもたちに紙しばいを読み聞かせた空き地にたどり着くと、その周りも家やお店がいっぱい増えていました。


 街のあまりの変わり方にため息をついたおじいさんは、それでも気を取り直して紙芝居とおばあさんが作ってくれた宝石のようにきれいなお菓子を用意します。
 そして拍子木を取り出してカチーンと鳴らしました。

 「さあ、みなさん、こっちにいらっしゃーい!紙しばい屋さんがきたよー!」

 さて、こんなに変わってしまった街で、昔みたいにおじいさんの紙しばい屋さんにお客さんは集まってきてくれるでしょうか?

 東京オリンピックの頃、原宿ではもう紙しばい屋さんの姿を見ることはありませんでした。
 でも移り住んだ秋田では、まだ紙しばい屋さんは現役で、夕方遊び場にしていた公園に鐘を鳴らしながら自転車でやってきました。
 当時、紙しばい屋さんのシステム(=お菓子を買った子供だけ紙芝居を見られる。)がわかっていなかったので、私にとってはただの水飴やさん。10円玉を差し出して大好きな水飴を受け取ると、紙芝居は見ないでまた自分の遊びに興じていましたっけ。おバカですねぇー。

   とってもアナログな世界ですが、おじさんと子供たちのコミニュケーションが生まれて、いい時代でした。  今は、「知らない人から食べ物もらっちゃいけません!」って、教えなきゃならない時代ですね、残念ながら。

3/21,22,23 あぷりこっとつりーこぼれ話2014年03月23日 23:58

 春分の日から始まったこの三連休。
 明るい日差しに誘われて、たくさんのお客様に来店頂きました。

 店主二人も陽気に気が大きくなって、下手なりの創作ごっこを再開しました。Ushiさんは羊毛フェルト人形にチャレンジ、私は懲りずにプラ粘土で玄関の出窓に飾る人形づくりでした。
 冒頭の写真が出来上がりですが、さてなんの物語でしょう?ちょっとー難しいかな? 正解はお店で!
 Ushiさんの羊毛フェルト人形も初めてなのになかなか上手にできたのですが、写真載せたら怒られそうなので、ご紹介はやっぱりお店で!

【新社会人さん】 
 昨日夕方に一人でご来店の若いお嬢さん。
 確か2週間前にも閉店時間近くに来店されたお客様です。
 その時はずいぶん時間をかけて熱心に絵本を選んでいるなと思ったら、しばらくして鼻をグスグスさせながら2冊の絵本をレジまで持ってきて、「済みません。読んでたらつい泣いちゃって。。。」 
 そんなに感動していただけると、選書した店主冥利に尽きるので、よく覚えていました。
 そのお嬢さんが今回もまたじっくり選んで、今度は3冊のお買い上げ下さいました。

 「先日もお買い上げ下さいましたね。」とちょっとのつもりで話かけたら、4月から新社会人だそうで、ちょうど娘と同じなのでついつい心許して話こんでしまいました。
 おしゃべりな店主でゴメンナサイ。時間、大丈夫だったかなぁ?

【犬好き三人組】
 いままでも表に貼りだした看板犬の写真を見て、絵本より犬目的て来店して下さる方がいたのですが、もっとアピールしようと玄関前に置いた立て看板に、「えほん、雑貨 とワンコ」と大書きしてみました。

 そうしたら、来ました来ました、クールな男の子ふたりと女の子一人の三人組。 特に女の子が看板犬と遊びたがったのですが、犬扱いに慣れていないようで、看板犬は犬慣れした男の子ばかりにすり寄って、顔をべろべろ。女の子の元には全然いかないもので、女の子「バカ、ホモ!」ってすねちゃいました。

 ゴメンナサイね、お嬢さん。よーく言って聞かせておきますから、また遊びに寄ってね。
 (でも、商売にはならないか。)

【ドイツから】
 今日のお客様第一号はドイツから出張中の女性でした。
 原宿でなにかお土産をと思ってそぞろ歩きの途中、たまたまウチに入ってきてくれたのでしょうね。
 しばらく店内を見て回ってから、「友達の赤ちゃんにプレゼントしたいんだけど。字が無い絵本選んでくれません?」と頼まれました。
 赤ちゃん何歳ですかと尋ねたら1歳半とのことで、できるだけ絵が大きくて、カラフルで、かわいらしくてと数冊選んでみました。

 結局、そのうちの1冊をお買い上げいただきましたが、そういえばうっかり赤ちゃんは日本人?ドイツ人?どちらか聞きそびれました。
 マンガばかりでなく、日本の絵本も十分海外で理解されるクオリティだと思うので、ドイツ人のお友達へのお土産だったらいいなー。