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絵本紹介(285) がらくた学級の奇跡2016年08月07日 22:55

題名   : がらくた学級の奇跡
作     : パトリシア ポラッコ
訳     : 入江 真佐子
発行所  : 小峰書店

 今日ご紹介する絵本は、識字障害を持った作者自身の体験に基づいて書かれたお話しだそうです。カリフォルニアで特別学級に通っていた主人公トリシャは、障害を隠して普通学級に通いたくて、父親の暮らすミシガンの学校に移ります。でも受け入れてくれたのはやっぱり特別学級。しかもがらくた学級と呼ばれるクラスでした。


 新学期が始まる日、トリシャは自分がカリフォルニアの学校で特別学級にいたことを誰も知らないミシガンの学校に明るい気持ちで登校しました。


 クラスカードに書かれた教室は、ピーターソン先生のクラス。クラスメートは一目見てみんな変わっていました。

 教室に現れたピーターソン先生はいきなり
 「才能とは、学んでみにつくものでなければ、努力して得られるものでもない。それは経験しなくても知っていること。失敗をおそれず思い切ってやってみること。さわらなくても感じられること。学ばなくても理解できること。証明しなくても確かなこと。・・・・限りない想像力。型にはまらない創造力。たぐいまれなる知性!」
 「がらくた学級にようこそ!」「これはあなたたちみんなのことを言っているのよ!」
 そう言いました。


 トリシャは期待とちがって、また特別学級に入れられてしまったこと、しかもがらくた学級と呼ばれていることにがっかりしてしまいました。


 それでもクラスで班を作って課題に取り組んでいくうち、トリシャは変わったクラスメートが、それぞれとても特異なことを持っていて、皆の力を合わせるとすごいことができることに気づいて行きます。

 がらくた学級の子供たちはみんな個性的だったので、ピーターソン先生はみんなが輝いていられるように「がらくたは宝」というバッジを作って、自分のことを誇るよう教えてくれました。

 ところが、バッジを付けたがらくた学級の子供たちをやっかんで、いじめっ子が絡んできて、バッジをちぎりとろうとしたり、ひどい言葉を浴びせたりしました。


 すっかり元気を無くしてしまったがらくた学級の子供たち。それに気づいたピーターソン先生はみんなをがらくた置き場に連れ出して、班ごとに掘り出し物を探させて、新し発明品を作るという課題を出してくれました。

 「見かけだけを見て『だめだ!』って決めつける人もいるわ。でもあなたたちには、ものをよく見て、どんなものに変われるのかを考え、『だめじゃないよね?』って問いかけて貰いたいの」

 子供たちの挑戦が始まりました。

 ブラジルのリオでオリンピックが始まりました。オリンピックが終われば次はパラリンピック。ついつい「障害を持っているのにこんなことまでできてしまうのか!」と、障害を持つ人を一般の人より劣る前提で見てしまいます。
 心のバリアフリー、なかなか到達できていませんが、障害を持つ人も普通に暮らせる世の中に、しなければいけませんね。

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