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絵本紹介(288) 小さないのち まほうをかけられた犬たち2016年08月28日 22:34

題名   : 小さないのち まほうをかけられた犬たち
文    : 今西 乃子
写真   : 浜田 一男
発行所 : 金の星社

 今日のご紹介は写真絵本です。捨てられて動物愛護センターに保護された犬たちを、少しでも殺処分から救おうと活動している個人のお話です。


 動物愛護センターは本当はヒトと犬が幸せに暮らしていく為に置かれた施設です。しかし現実には捨てられた犬たち、飼い主が飼えなくなった犬たちを殺す役目も果たさなければなりません。
 そのことがわかるのか、動物愛護センターに集められた犬たちの表情は、不安、悲しさ、あきらめが混ざって哀れです。


 こんな状況に置かれた犬や猫たちを、たとえ1頭でも救 いたいと考えて、センターから犬を引き取り、ヒトを再び信じられるように心のリハビリをして、新しい飼い主さんの元に送り出す、そんな活動している女性がこの絵本の主人公です。

 その女性は本当は全部の犬を救いたいけど、そんなことは無理なはなし。そこで、自分が引き取りたいと思える犬を選んでセンターに申し込みます。
 センターでその犬に伝染病が無いことを確認したら、自宅に連れ帰って毛のトリミングや健康診断を受けさせます。自宅の部屋に犬が安心して過ごせるサークルを設置して、トイレのしつけ首輪・リードに慣らします。


 捨て犬たちは元の飼い主から虐待を受けたり、無視をされたりして人間が信用できなくなっているケースも珍しくありません。そういう犬たちには「いい子だね」「大好きだよ」「もう捨てたりしないよ」と魔法の言葉を賭けながら抱きしめます。その犬の不安が無くなるまで声をかけ続けます。

 犬たちが再び人を信じて幸せな表情に変わって来たら、女性はその犬立を引き取ってくれる新しい飼い主を探します。犬たちに魔法をかけ続けてくれるしっかりした飼い主さんを。


 できることなら、この女性と同じように1頭でも殺処分から救ってやりたいと思いながら、様々な制約でできずにいて、歯がゆい思いでいます。
 この女性のような立派な行動まではいかなくても、いつか制約がはずれたら、1頭でも2頭でも幸せに生きる手助けをしようと、改めて決意しました。