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絵本紹介(284) Heidi 後半2016年08月01日 23:48

題名  : Heidi
文    : Johanna Spyri
絵    : Maja Dusikova
発行所 : NordSud Verlag

 フランクフルトでハイジはゼーゼマン家の娘クララと友達になりました。クララは足が不自由でずっと家に閉じこもっています。
 ご主人のゼーゼマンさんが留守の時、クララとハイジの世話はとても厳しくて、冗談の通じないロッテンマイヤー女史がしました。彼女はいつもハイジをフルネームのアーデルハイドと呼びます。執事のセバスチャンは優しい人なのが救いです。

 ハイジにとって、寝室の窓から灰色の壁しか見えないフランクフルトの風景は異質で、アルプスの針葉樹のざわめきが恋しくなりました。そこである日窓から見えた教会を探して、高い塔の上に昇って見ましたが、やっぱりアルプスの山々は見えませんでした。


 ハイジがクララを喜ばせようと連れ帰った子猫のことや、ペーターのお婆さんにあげようとロールパンを隠していたことで、ロッテンマイヤーさんはハイジをひどく叱って、パンを捨てるように命じました。

 がっかりしたハイジにクララは、「あなたが帰るとき、お婆さんに沢山のロールパンを用意するわ。」と約束して慰めてくれました。

 クララのお婆さんがゼーゼマン家を訪ねて来た時、お婆さんは素敵な本を使って、ハイジに読み方を教えてくれたので、お婆さんが帰るころには、ハイジは一人で本を読めるようになりました。


 また1年が過ぎて春になったころ、クララとハイジは一生懸命読み方の練習に打ち込んでいましたが、ハイジはアルプスのお爺さんやペーターが恋しくてたまらなくなっていました。
 そんなころ、ゼーゼマン家では戸締りしたはずの玄関扉が、朝になるとあけ放たれている不思議な出来事が続きました。
 ゼーゼマンさんと友人のお医者さんが夜中に見張っていると、玄関を開けていたのはハイジでした。ホームシックで夢遊病になっていたのです。


 ゼーゼマンさんはハイジの健康を心配して、ハイジをお爺さんの家に帰らせることにしました。
 クララはとても悲しみましたが、ゼーゼマンさんは夏になったらクララをハイジのクラスアルプスに連れて行くと約束してくれました。

 ハイジはクララがロールパンをたくさん詰めてくれたバスケットを抱えて家路につきました。家に着くとお爺さんも大喜びしてくれて、針葉樹のざわめきとアルプスに帰って来た安心感で、ハイジはぐっすりと眠ることができました。

 6月になると、約束通りクララが遊びに来て、すっかりアルプスの小さな家が気に入りました。あまりハイジがクララとばかりいっしょにいるので、やきもちを焼いたペーターはクララの車いすを崖から落として壊してしまいました。

 でも車いすが無くなって、クララはハイジの助けを借りて歩く練習を始めて、やがてすっかり歩けるようになったのでした。


 めでたし、めでたし。

 この絵本はクララが歩けるようになったところで終わります。アニメのハイジはどうだったのでしたっけ?まだ先が続いたような。。。
 アニメのハイジが放映されていた頃、たぶん中学生か高校生で、見ていなかったので詳しくないのですが、絵本の話とアニメの話はだいたい合っているようですが、どうでしょう?

 最大の違いはアニメで登場するセントバーナードのヨーゼフ(?)が登場しないこと。原作では犬の影も無いようです。
 日本人的には、スイスと言ったらセントバーナードやバーニーズマウンテンがたくさん飼われているイメージなのですが、先日のスイス旅行の最中、観光用の写真屋さんが連れていたワンコくらいしか見つけられませんでした。
 スイス=セントバーナードのイメージって、もしかしてアニメのハイジから刷り込まれていたのかもしれませんね。  スイスのスキーリゾート、ツェルマットの本屋で見つけたハイジの絵本は、ドイツ語、フランス語、英語、日本語、中国語、韓国語に翻訳されていました。  英語版の英語もあまり難しくないので、ハイジファン(がいらしたら)は是非コレクションに加えたい一冊じゃないかなと思います。  たった1冊しか仕入れてきませんでしたし、20cm×20cmくらいの小さな絵本の割には高くて(¥1,900)恐縮ですが、良かったらどうぞ。