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絵本紹介(73) たいせつなこと2014年03月02日 17:50

題名   : たいせつなこと
文    : マーガレット ワイズ ブラウン
絵    : レナード ワイスガード
訳    : 内田 也哉子
出版社 : フレーベル館

 今日ご紹介する絵本はアメリカで65年前に出版されて、日本語訳も出版から13年になる絵本ですので、どこかでご覧になったことのある本かもしれません。でも今でも衰えない人気で読み継がれている絵本です。

 たとえば、「スプーンってどんなもの?」って聞いたら、
 きっと、食べるときに使うもので、手でにぎれて、口の中にうまく収まって、たいらじゃなくて少しくぼんでいて、ちいさなシャベルみたいにいろいろなものをすくい取る。 と、いう答えが返ってくるかもしれません。
 でもスプーンにとって大切なのは、それを使うと上手にたべられる、ということ。

 たとえば、「ヒナギクはどんな花?」って聞いたら、
 きっと、白い花で、真ん中が黄色くて、長くてしろい花びらには蜂がちょこんとすわり、なんだかくすぐったいかおりがして。。。 と、一生懸命説明してくれるかもしれません。
 でもヒナギクにとって大切なのは、白であること。

 では、「あなたのことを教えて?」と尋ねられたら。。。
 あなたはフルネームを教えてくれるかもしれません。
 ニンジンが嫌いでチョコレートの大好きな女の子と話してくれるかもしれません。
 本当はもっと自信を持ちたいんだけど、いまはちょっとぉ と言いにくそうに答えてくれるかもしれません。
 あなたのお母さんは、「本当はいい子なのに友達が、」と泣くかもしれません。
 でもあなたにとって大切なのは、あなたがあなたであること なんです。

   日頃頑張りすぎちゃう私たち、ついつい自分の本当の気持ちや本当の姿を隠して、かっこつけちゃったりしますよね。
 あるいは自分の子供や後輩に期待をかけすぎて、あなたは本当はもっとできる子とか言っちゃったりもします。

  「わたしはあなたのありのままが好きなの。こわがらずにあなたのまま私の前にいて。」と語り掛けてくれるような、とても優しい絵本です。

 あーあ。最近言われてないなー、そんな優しい言葉。

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