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絵本紹介(292) 白いソニア2016年11月27日 22:58

題名   : 白いソニア
作     : 渕上サトリーノ
絵     : さわたりしげお
発行所  : 自由国民社

 今日ご紹介する絵本は犬のお話。黒毛のラブラドールが哀しみで白毛に変わってしまった実話に基づいたお話。発行当初はメディアで話題になったそうですので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。


 真っ黒な毛色のラブラドールの子犬が貰われてきました。
 小さくて弱弱しくて、でも元気いっぱいのつややか真っ黒なその子は、ソニアと名付けられました。


 みるみるうちに大きくなったソニア。
 いつの間にか、ソニアの世話は何から何までお父さんの仕事になりました。

 仕事で疲れ切って帰宅しても、飛びかかるソニアの愛情を全身で受け止めて、遊んであげました。
 ソニアとお父さん。二人だけの長い長い時間は、雨の日も風の日も毎日続きました。
 楽しいことも、悲しいことも、うれしいことも、つらいことも、二人だけで話し合っていたのかもしれません。


 でも、ある冬の夕ぐれ、お父さんは突然倒れました。
 何度も何度も病院に行き、検査をして、病院から戻ってこない日が少しずつ多くなっていきました。

 ソニアはお父さんの帰りを通りが一番よく見える場所に横になって待って、病院から戻って来たお父さんにそっと寄り添いました。


 何度も入院と退院を繰り返すお父さん。ソニアとの散歩の機会はすっかり減ってしまいました。それでも天気が良い日は、お父さんはソニアとお互いいたわり合いながらゆっくりと出かけて行きました。

 やがて病院から戻れなくなって、せがむソニアをお父さんの病室の連れて行った次の日、お父さんは星になりました。

 その日から日に日に食事が出来なくなって、元気がなくなって、痩せていったソニア。
 ソニアの体に少しずつ雪が降り積もるように白い場所が現れ、やがて真っ白になりました。



最愛のお父さんと分かれてしまったソニア。体が弱って、真っ白になって、どうなってしまうのだろうと心配になります。後日談では何とか元気を取り戻して、お父さんが亡くなってから10年、白いラブラドールとして家族に愛されて穏やかに暮らしたそうです。

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