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そりゃやりすぎ2013年07月18日 21:30

 何気なくネットニュースを眺めていたら、アメリカで犬向けテレビ局が大ヒットという見出しを見つけました。

 えっ イヌ向け放送! 当世そんなものまであったの!?

 私も犬の飼い主ですが、さすがにそんなテレビ局と契約することは絶対ありえません。
 別に存在を怪しからんとは言わないし、必要だと思う方がお金を使うことを批判も致しません。
 
 ただ最近、錦の御旗のように掲げられる「経済成長」という言葉に、はてな、なんか変でないかい?と素朴な疑問を持っていた矢先でしたので、ああこれかとピピっときました。

 犬向け放送がヒットしているということは、顧客のニーズに応えた新しいビジネスが展開されて、市場と雇用を生み出す経済の成長が起きたと考えていいんですよね?
 そして経済成長は私たちが最優先すべきことなので、世の中が良くなるーと喜ぶべきことなんですよね?

 人間はいつでも、いつまでも成長を求める生き物なんですね。
 その行動こそがきっとサルからヒトを誕生させた性(さが)なのでしょう。

 いつも現状に満足することなく、もっと楽になるためにはどうしたら良いか、もっとおいしいものを食べるにはどうしたら良いか。もっと快適な場所がどこかにあるのではないか、そう考え続けたサルの子孫が私たちで、地球の「主」として大繁栄を遂げました。

 でも、その成長っていつまでも続けられるのでしょうか?
 どれだけ楽しても、どれだけ美味いもの食べても、どれだけ稼いでも、所詮一生で使える時間は決まっています。
 地球の大きさも資源も限りがあります。

 もうおなかいっぱいだと言っている人に、経済成長の為に頑張ってもっと喰え、と尻を叩いているのが今の先進国、今の日本の様に思えます。 

 満腹を通り越しても食べ続けなければ安心できない経済って、なんだか宮崎アニメに出てきたカオナシみたいで悲しいですね。

 犬向けテレビ放送って、動物愛に満ちた素敵なアイデアです。
 駅の雑踏でも自転車に乗りながらでもスマホでゲームが続けられるって、便利で楽しいことです。

すごい世の中になったものだなーと感心しつつ、
 でも、なんか違うなーという思いがあって、一言で表すならば、
 「そりゃあんた、やりすぎちゃいますか?」

 昔の人が自分を戒めた言葉、「足るを知る」って、いい言葉だなー。

本とペン2013年07月17日 22:35

 数日前になりますが、パキスタン人の少女マララさんが国連で行った演説の一部を、テレビのニュースで見ました。

 マララさんはタリバーン運動が、女子から教育を受ける権利を奪っていることを、ブログや西欧のメディアなどを通じて批判して、タリバーンから命を狙われる存在になりました。
 そして昨年、通学途中テロリストに頭を撃たれ瀕死の重傷を負いましたが、奇跡的に回復し、テロを恐れず再び女子の教育権利を求める活動を再開したわずか16歳の少女です。

 その活動と遭難については新聞・TVを通して見知っていて、世界には立派な少女がいるものだと応援していましたが、初めて肉声を聞いた途端、いきなり心の真ん中に言葉が飛び込んで来たような感覚を得ました。

 まだ16歳の子供が、国連の議場の真ん中で、英語で、堂々と各国大使に語り掛ける姿は、大政治家の威厳すら感じられました。文字通り、命をかけた活動がオーラを生んでいるのでしょうか。そして比べること自体もはやナンセンスなのかもしれませんが、今TVで流れている政見放送で使われる「命がけで」「全力で」のなんと軽いことか。(中には気持ちが伝わってくる人もいることはいますが。。。)

 マララさんの言葉は、魂の込もった言霊、感動しました。

 演説の中でマララさんは、自分を殺そうとしたテロリストに対しても、「私はだれも憎んでいない。タリバーンやすべての過激派の息子や娘たちに教育を受けさせたい。」「過激派は本とペンを怖がる」「教育こそがすべてを解決する」と述べています。

 本当にその通りです。

 日本だって、つい70年前まで「女が学をつけると、ろくなことが無い」と公然と言われるような世の中でした。150年前までは、身分の低いものは代々身分が低くて、教育を受ける機会はほとんどありませんでした。だから、パキスタンやアフガニスタンの状況を他人事と無関心ではいられないように思います。

 当たり前の様に教育を受けられる環境に感謝して、どこの国に生まれても学びたい人が学べる社会の実現に、少しでも協力しなきゃと気づかされた演説でした。

進めマクドナルド2013年07月15日 15:05

 この前、苦い東中野の冒険を思い出していて、そういえばと蘇ってきたM-サンがらみの、またおバカな記憶です。

 巷ではブルース・リーの燃えよドラゴンが大ヒットして、私は手製のヌンチャクを振り回して、後頭部にたんこぶをこしらえていた頃、40年近く前の話です。

 少し前に銀座にマクドナルド1号店が上陸して、新宿とか表参道とか、身近にもお店ができ始めていました。
 どこかで聞いたことある方も多いかもしれませんが、当時、値段の安さからか、マクドナルドのハンバーグは猫肉だ!とまことしやかな噂が流れていました。

 ある日クラスのあるおバカが、
 「先輩から聞いたんだけどさー」 「先輩の友達が、新宿のマクドナルドの裏で、店員が猫捕まえるところ見ちゃったんだって。」「そしたら、人に黙っててくれって、10万円くれたんだって。」
 という、耳寄りな情報を持ち込みました。

 今や、友達の友達がさー、とか、先輩が友達から聞いたらしいんだけどー、というのは「はい、その話はデマです。」と告白しているようなものですが、当時とても純真(= 空っぽ)な私たちは、頭から信じ込み、すでに10万円貰ったように歓喜しました。

 それで、前にも登場した何事にも熱くまっすぐなM-サン提案で、我々もマックの裏で張り込んで、動かぬ証拠を捕まえよう!ということになりました。
(この時も3人だったように思うんですが、あと一人が誰だったか。。?)

 放課後、M-サンが家からポラロイドカメラを持ってきて(写したその場で証拠を突きつけられる。ワルやなー。)、当時表参道にあったマックに向かいました。

 ところが。。。

 裏口が、ない! 

 と、言うか、どうやったらマックの入ったビルの裏に回れるのか、入り口が見つからなかったんです。
 
 で、しばらく店の表に立って、店員が猫捕まえるの待ったのですが、その辺に猫いないし、当時もそれなりに人通りあったし、誰が真昼間に天下の表参道で、こそこそ猫を捕まえるものですか。

 あー、新宿に行けば良かったねーと嘆きながら、10万円貰うぞ!と弾んだ気持ちをどこに落とせばいい?

 そこで、すばらしい名案。近くの善光寺の墓地で心霊写真を撮ろう!と目的を変更して、お墓でめくらめっぽうポラロイドパシャパシャ撮りました。

 でも、ただでさえ青山通りと表参道に近くて、明るい善光寺の墓地に、真昼間に出てきてくれる、勤勉なオバケさんはいらっしゃらなかったようで、ただ他人の家の墓石が映ったポラロイドの山ができていきました。

 フィルム、結構高かったはずなんですけどね。

 表参道ヒルズなんてまだ影も形もなくて、同潤会アパートが現役で頑張っていた、のんびりしていた頃のお話でした。

キツネ語で語るヒト2013年07月10日 20:44

 最近特にメディアでよく見かけるおぼっちゃま宰相さま。
 早口と鼻から抜けるキンキン声と大げさな身振りでなにやら語って下さいますが、ごめんなさーい、私いつもキツネにつままれた気分です。
 おっしゃってること、わかったようでよくわかんないので、キツネ語部分、わたしなりに訳してみますね。

 次元の違う = あとさき考えない
 例) 次元の違う金融緩和をどんどん進めていくんです。
     =あとさき考えない金融緩和をどんどん進めていくんです。
       (日銀がどんどん出してくれるんだから)

 3本の矢 = 3本しか持ってない矢
 例) 3本の矢を放って、経済を立て直します。
    =3本しか持ってない矢を、とりあえず放ってみます。
     (はずれた時のことなんか、考えたことありません。ちょっとの 
      間期待して貰えれば、いいんです。)         

 丁寧にご説明をして = 時にお金をちらつかせて
 例) 原発再開は地元の皆さんに丁寧に説明して
    = 原発再開は時に地元の皆さんにお金をちらつかせて
 
 ご理解頂く = 泣き寝入りしてもらう
 例) 普天間基地の県内移設にご理解いただく
    = 普天間基地の県内移設は泣き寝入りしてもらって

 安全が十分に確保できたら = 都合の悪い想像をやめる
 例) 安全が十分に確保できた原発から運転再開
     = 都合の悪い想像をやめた原発から運転再開 

 ねじれが悪い = ぼくちゃんの言うこと聞かない
 例) ねじれが決められない政治の原因なんです。
    = ぼくちゃんの言うこと聞かないやつらが邪魔してます。

 ほこりを取り戻す = ヤンキーになる
 例) 日本のほこりを取り戻す
     = いけいけのヤンキーの国にする

 国益 = お金持ちとぼくのお友達の利益
 例) TPP交渉では国益を最優先で
     = TPPでもお金持ちとぼくちゃんたちは損をしないように


 うん。こうするとなんとなくどこに連れて行ってくれるのか、わかったような気がします。 初めからそぅ言ってくれればいいのにねぇ。

 でも困ったなー。逃げるところないし。

東中野2013年07月08日 20:40

 先日、このブログで田端にちなんだ思い出を書いたら、地元の方から「わらちゃった」とコメントをいただいたので、もしよかったら今度は東中野でわらってやってください。

 あれは小坂明子の「あなた」がよくラジオから流れていた頃だったと思います。
 まだ制服の中で体が踊る新米の中学生だった私は、体罰にカステラ一番を躍らせる美術教師が、授業の最後で小出しに語る怪談を、毎週楽しみにしていました。

 怪談のあらすじとしては、東中野にある不気味な洋館に忍び込んだ主人公が、地下に続く階段を見つけて降りていくと、そこには! と言うたった2行で済む、怖くも面白くも落ちもないぱっとしない話。

 それをあの美術の先生はどうやって1学期の間毎週引き延ばして、騒がしい中学生を引きつけたのか? そんな話をなんで楽しみに待っていたのか? 今となっては全く理解を超えますが、とにかく楽しみでした。

 ある日同じようにその怪談に惹かれた同級生の二人と、件の洋館を探しに行こう!という話になりました。

 この時も田端の時と同じく、放課後一度家に帰って、懐中電灯やロープを持って竹下口集合。この時の連れは学年一モテモテのテニス部のMーサンと、秀才Aックン。何事も熱くまっすぐな(= 単純な)Mーサンはともかく、なんで冷静ニヒルな(= あげ足取りの)Aックンが話に乗ったのか?よく考えると不思議です。

 ともかく目指しました東中野。
 手がかりは東中野4丁目、空き家の洋館、地下室がある。

 あのころの私たちは、GPSもスマホも無いのに、これだけの情報があるんだから、行けば見つかると自信満々。見つからなかったらとか、作り話だったらとか一切頭にありませんでした。なぜかと言うと、おバカだったんです。

 古い洋館なんだから、広い庭があって、木々に囲まれて。そんなイメージで探していたら、塀で囲われた森があるではないですか。
 私たちは躊躇なく塀を乗り越えて庭に侵入。
 ほーら大きな池と、滝と、松と、錦鯉と。 

 え? 洋館なのに? 
    
 よく見渡すと、「日本閣」の看板が。チューボー3人組は有名な結婚式場の庭園に堂々侵入していたのでした。
 今なら言えます。「外から見て、一目でわかるだろ!」

 幸い平日の午後で人目がなかったので、そのまま何食わぬ顔で駐車場を通って脱出して、今度は3人で手分けして洋館を探しました。

 結局1時間くらいほっつき歩いてもそれらしき洋館は見つからず(あるわけないですよね。)、付近の住人に不審に思われながら、奇跡的に1か所、地下室への階段がある取り壊された家の跡を発見。

 いいかげん疲れた3人組みの結論は、ここだったに違いない。
 せっかく見つけたんだから地下に降りてみれば良いのに、既に暗くなりかけた空にビビッて、「取り壊されたんじゃ仕方ないね。」とお互い納得しあって、あっさり逃げ帰ってきてしまいました。

 それなのに翌日クラスでは、「きのう、東中野のお化け屋敷いってきたんだぜぃ、オレら。」と自慢。

 まさかいんちき怪談本気にするおバカがいるとは、思わなかったでしょ、天国のH先生。