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本とペン2013年07月17日 22:35

 数日前になりますが、パキスタン人の少女マララさんが国連で行った演説の一部を、テレビのニュースで見ました。

 マララさんはタリバーン運動が、女子から教育を受ける権利を奪っていることを、ブログや西欧のメディアなどを通じて批判して、タリバーンから命を狙われる存在になりました。
 そして昨年、通学途中テロリストに頭を撃たれ瀕死の重傷を負いましたが、奇跡的に回復し、テロを恐れず再び女子の教育権利を求める活動を再開したわずか16歳の少女です。

 その活動と遭難については新聞・TVを通して見知っていて、世界には立派な少女がいるものだと応援していましたが、初めて肉声を聞いた途端、いきなり心の真ん中に言葉が飛び込んで来たような感覚を得ました。

 まだ16歳の子供が、国連の議場の真ん中で、英語で、堂々と各国大使に語り掛ける姿は、大政治家の威厳すら感じられました。文字通り、命をかけた活動がオーラを生んでいるのでしょうか。そして比べること自体もはやナンセンスなのかもしれませんが、今TVで流れている政見放送で使われる「命がけで」「全力で」のなんと軽いことか。(中には気持ちが伝わってくる人もいることはいますが。。。)

 マララさんの言葉は、魂の込もった言霊、感動しました。

 演説の中でマララさんは、自分を殺そうとしたテロリストに対しても、「私はだれも憎んでいない。タリバーンやすべての過激派の息子や娘たちに教育を受けさせたい。」「過激派は本とペンを怖がる」「教育こそがすべてを解決する」と述べています。

 本当にその通りです。

 日本だって、つい70年前まで「女が学をつけると、ろくなことが無い」と公然と言われるような世の中でした。150年前までは、身分の低いものは代々身分が低くて、教育を受ける機会はほとんどありませんでした。だから、パキスタンやアフガニスタンの状況を他人事と無関心ではいられないように思います。

 当たり前の様に教育を受けられる環境に感謝して、どこの国に生まれても学びたい人が学べる社会の実現に、少しでも協力しなきゃと気づかされた演説でした。