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絵本紹介(227) おつきさま2015年09月13日 23:15

題名   : おつきさま
作     : やすいすえこ
絵     : 葉 祥明
発行所  : フレーベル館

 今回ご紹介する絵本は、秋の静かな夜空に浮かぶお月様を見上げて、みんななにかの願い事を唱える美しい抒情詩のようなお話です。葉祥明さんの透き通るような夜とお月様の絵が、心の静けさをもたらしてくれる、そんな絵本です。


 のはらの いえの まどから おんなのこが よぞらを みあげて いいました。
 「どこかで だれかさんも みているかなあ。 きれいな きれいな おつきさま」


 見ていますよ。
 屋根の上では野良猫がお月様に歌を聴いて貰っています。いい気持で月夜の歌を。


 街角では迷子になってしまった犬がお月様を見上げて、帰り道を教えて下さいと、べそをかいています。

 遠くの駅では、ちょうど最終電車を見送った駅長さんが、お月さまに今日の無事を感謝して、明日もいい日でありますようにと祈っています。


 広い広い畑の真ん中にひとり立ちっぱなしの案山子は、お月様が見ていてくれるおかげで長い夜も寂しくありません。


 海の上を行く大きな船では、船長さんがお月様にメッセージを託します。もし子供たちがお月様を見ていたら、お父さん元気だよと伝えて下さい。

 そして、
 うみべの ちいさな いえの まどから おとこのこが おつきさまに いのっていました。
 「おつきさま、ぼくの ともだちの けが、 なおしてください。 とおい のはらに すんでいる おんなのこです。」


 子供の頃、夜道を歩くと月が一緒についてくるように見えて、とても不思議に感じて、フェイントをかけて急に逆に戻って見たりしました。それでもお月様はついてきたんですよねぇ。アホな子供の鬼ごっこに付き合ってくれて、あの頃の月の方が今より身近だった様な気がするのですが。。。 あまり高い建物で遮られて隠れてしまうことが無かったからですかね。
 そういえば最近月をちゃんと見ていません。今年の中秋の名月は、久しぶりに月見をしてみよかな。