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絵本紹介(207) 狼王ロボ ― 2015年06月30日 23:59

題名 : 狼王ロボ
原作 : アーネスト トムソン シートン
絵 : 清川 あさみ
訳 : 金原 瑞人
写真 : 新 良太
発行所 : リトルモア
今回は、有名なシートン動物記の中の物語を題材にした絵本です。子供の頃大好きな物語だった、そんな懐かしさから、新刊案内のリストの中にこの絵本を見つけて取り寄せてみました。
物語は長いし、絵は布、糸、ビーズを使って描いたものを写真にしているので、普通の絵本とはちょっと違う雰囲気ですが、たまにはこんな本にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
昔、アメリカのニューメキシコの草原を支配する老練な灰色狼がいました。
ロボと呼ばれたその狼は、ひときは体が大きくて賢くて、ロボが率いる群れの狼たちも粒ぞろいの精鋭でした。
ロボの群れは、5頭くらいの少数ながら、少なくとも5年くらいは毎日家畜の牛1頭、毎回まるまる太った牝牛ばかりをせしめました。5年で約2000頭の牛がロボの群れの餌食になったのです。
時に彼らは、食べる目的でなくただ遊び半分で家畜を殺し、一晩に羊を250頭殺したこともあります。
牧場主たちは、ロボたちをなんとか退治しようとして銃や毒を使って必死に追いかけますが、ロボたちはまるで魔法に守られているかのように、どんな方法を使ってもしとめることができませんでした。
自分たちの手には負えないと考えた牧場主たちはロボたち殺害に高額の賞金を懸けます。すると、その賞金につられて遠くからもハンターが集まって来ました。猟犬を連れた者、呪文と魔法をかけた毒餌を持参した者、ワナを仕掛ける者。しかしロボの賢さと注意力は次々と人間の企みを見破ります。賞金目当てのハンターたちは皆、ロボたちに裏をかかれて失敗して、あきらめて帰って行きました。
でも、そんなロボにも一つだけ弱点がありました。
ロボの群れの中には真っ白なブランカというメス狼がいて、ロボはブランカに首ったけだったのです。
ブランカはたびたび群れの規律を無視して勝手で危険な行動を取っていましたが、ロボはブランカをいさめることができません。
そんなある日、注意力の足りないブランカに狙いを定めたハンターのワナに架かってとらえられ、ブランカは絶命してしまいます。
ブランカが人間の手に落ちたことを知ったロボは哀しみのあまり狂乱状態に陥り、いつもの冷静さを失い、ブランカを求めて危険を冒して人間の近くを彷徨うようになります。
そして、とうとうロボの王国に終わりがやってくることになります。
絶対無敵の英雄なのに、唯一の弱みが恋女房だった。狼なのになんて人間らしいのでしょうね。
子供の頃読み聞かされたお話では、ロボの残虐非道な行いは伏せられていたように思います。人間に追いつめられて、生きていく為、家族の為に必至なロボなのに、それでも人間は執拗にロボを追いつめ、ブランコをおとりにロボを殺してしまう、そんな話になっていたような。。。
だからいつも120%ロボの肩を持って、鉄砲を持ったハンターを憎んでいたような。。。子供向けに脚色されたお話だったのでしょうね。
この幼少期の記憶によるのか、ずっとアメリカのイエローストーンとかの国立公園で野生のオオカミを見てみたいという夢を抱いています。三つ子の洗脳って、恐ろしいです。お父さん、お母さん、気を付けましょうね。
原作 : アーネスト トムソン シートン
絵 : 清川 あさみ
訳 : 金原 瑞人
写真 : 新 良太
発行所 : リトルモア
今回は、有名なシートン動物記の中の物語を題材にした絵本です。子供の頃大好きな物語だった、そんな懐かしさから、新刊案内のリストの中にこの絵本を見つけて取り寄せてみました。
物語は長いし、絵は布、糸、ビーズを使って描いたものを写真にしているので、普通の絵本とはちょっと違う雰囲気ですが、たまにはこんな本にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
昔、アメリカのニューメキシコの草原を支配する老練な灰色狼がいました。
ロボと呼ばれたその狼は、ひときは体が大きくて賢くて、ロボが率いる群れの狼たちも粒ぞろいの精鋭でした。

ロボの群れは、5頭くらいの少数ながら、少なくとも5年くらいは毎日家畜の牛1頭、毎回まるまる太った牝牛ばかりをせしめました。5年で約2000頭の牛がロボの群れの餌食になったのです。
時に彼らは、食べる目的でなくただ遊び半分で家畜を殺し、一晩に羊を250頭殺したこともあります。
牧場主たちは、ロボたちをなんとか退治しようとして銃や毒を使って必死に追いかけますが、ロボたちはまるで魔法に守られているかのように、どんな方法を使ってもしとめることができませんでした。
自分たちの手には負えないと考えた牧場主たちはロボたち殺害に高額の賞金を懸けます。すると、その賞金につられて遠くからもハンターが集まって来ました。猟犬を連れた者、呪文と魔法をかけた毒餌を持参した者、ワナを仕掛ける者。しかしロボの賢さと注意力は次々と人間の企みを見破ります。賞金目当てのハンターたちは皆、ロボたちに裏をかかれて失敗して、あきらめて帰って行きました。

でも、そんなロボにも一つだけ弱点がありました。
ロボの群れの中には真っ白なブランカというメス狼がいて、ロボはブランカに首ったけだったのです。
ブランカはたびたび群れの規律を無視して勝手で危険な行動を取っていましたが、ロボはブランカをいさめることができません。
そんなある日、注意力の足りないブランカに狙いを定めたハンターのワナに架かってとらえられ、ブランカは絶命してしまいます。

ブランカが人間の手に落ちたことを知ったロボは哀しみのあまり狂乱状態に陥り、いつもの冷静さを失い、ブランカを求めて危険を冒して人間の近くを彷徨うようになります。
そして、とうとうロボの王国に終わりがやってくることになります。
絶対無敵の英雄なのに、唯一の弱みが恋女房だった。狼なのになんて人間らしいのでしょうね。
子供の頃読み聞かされたお話では、ロボの残虐非道な行いは伏せられていたように思います。人間に追いつめられて、生きていく為、家族の為に必至なロボなのに、それでも人間は執拗にロボを追いつめ、ブランコをおとりにロボを殺してしまう、そんな話になっていたような。。。
だからいつも120%ロボの肩を持って、鉄砲を持ったハンターを憎んでいたような。。。子供向けに脚色されたお話だったのでしょうね。
この幼少期の記憶によるのか、ずっとアメリカのイエローストーンとかの国立公園で野生のオオカミを見てみたいという夢を抱いています。三つ子の洗脳って、恐ろしいです。お父さん、お母さん、気を付けましょうね。
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