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絵本紹介(145) つきがいちばんちかづくよる2014年11月16日 23:28

題名   : つきがいちばんちかづくよる
作    : 竹下 文子
絵    : 植田 真
発行所 : 岩崎書店

 9月に発行された新しい絵本を今日はご紹介します。
 題名の「月が一番近づく夜」って、素敵ですね。なにか特別なことが起こりそうでドキドキします。そんなドキドキな夜に一匹の猫が何かを探しているんですって。

 物語は、一匹の黒白猫がどこかに向かっている絵で始まります。
みみの アンテナ ぴんと たてて
  ひげの アンテナ ぴぴんと はって
  さがしているんだ
  いいところ
  だれにもじゃまされないところ


 (ん?デートの場所?二人っきりになりたいもんね。)

 あそこでもない ここでもない
  どこにでも ありそうで どこにも ない
 しずかで ひとりに なれるばしょ

 (あっ。ひとりっ てことは、デートじゃないね。)   ここには もう よその ねこが いるし
  こっちにも いるし あっちにも いるし


 (ヘッ? まさか。。まさか立ション?)

  ここは いぬの さんぽみちだ
 ぴったりの ばしょは なかなか ない


 (わかった!こっそりおやつ食べるんだ。)   どんどん くらくなっていく
  はやく さがさなくちゃ まにあわない
  みみの アンテナ ぴんと たてて
 ひげの アンテナ ぴぴんと はって

 (相当気合い入っているね。こりゃ、おやつもはずれか。。。)

 一生懸命、何かに間に合わせようと、静かで一人になれる場所を探す黒白ネコくん。実は、とってもとっても素敵なことの為に場所を探していたのでした。
 竹下文子さんが紡ぎ出す不思議な物語と、植田真さんの浮遊感のある絵がとてもマッチして、ファンタジーの世界を作り出しています。

 デートとかおやつとか、低俗な想像でゴメンナサイ。しかも誰!? 立○○なんて恥ずかしいこと言ったの!?
 で、一体黒白ネコくんの目的は。。。 ないしょ。
 気になってしょうがない方は今すぐ書店に走らなきゃ。

 今はすっかり寒くなってしまって、屋外で月を見上げるには防寒着が必要ですね。でも月がきれいなことに気づいた夜って、とても得した気分になりませんか? ついつい大好きな人にも電話やメールで教えてあげたくなっちゃう。
 離れた二人が同じ月を見上げて、互いに願い合ったら、夢がかないそう。