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看板犬(2)2013年06月12日 19:56

 今日は今週15日土曜日に開店予定の絵本と雑貨の店「あぷりこっとつりー」の看板犬「小さい方」を紹介します。

 犬種:パピヨン
 性別:オス

 この子は看板犬「大きい方」より3年遅れて家族に加わりました。

 ある日Ushiさんと子供が、「大きい方」と出会ったペットショップにドッグフードを買いに立ち寄ると、ショーケースの向こうで「ぼくここだよ」と一生懸命にアピールするパピヨンの子犬を見つけました。

 しばらく見ていても、ずっとあきらめることなくガラス戸を前足でひっかきながら、盛んに尻尾をふりふりする姿が、とても印象に残ったそうです。

 その話を聞きつけた私は、「それはきっとご先祖様からその子を引き取りなさいというメッセージに違いない!」とこじつけて、翌日さっそく件のペットショップに駆け込んで、貰い受ける交渉を成立させました。

 ペットショップの店員さんには、とても食が細くて、与えた餌を全然食べてくれない問題児と言われたのですが、うちに連れ帰ったら食べる食べる。何の心配もなくスクスク育ちました。
 
 おかしかったのが「大きい方」の反応で、子猫よりも小さい子犬におびえて、最初は子犬のケージから半径5M以内には決して近づかなかったことです。

 でもそんな2匹の距離は、「小さい方」からの無邪気なアプローチでだんだん縮まって、半年後には「小さい方」に近寄られても「大きい方」は逃げなくなりました。(それでもまだ緊張していましたが。)
 今ではとても仲良しで、「大きい方」は保護者を自認しているようで、散歩で「小さい方」がほかの犬にじゃれかかられると、ビビリ犬のくせに身を投げ出して守りにかかるので、とてもけなげです。

 「小さい方」はとにかく社交的で、人でも犬でも誰彼かまわず尻尾ぶんぶん、超笑顔で取り入ります。そのくせ性格は極めて悪で、強情で、悪さをして焼きを入れられても決して改心しません。

 口吻の大きさの割には舌が長いせいか、うつ伏せで寝ているとき、よく口から舌先がちょろっと顔をのぞかせていて、チャームポイントになっています。

 こんな看板犬たち、できるだけお店に出勤させてご来店の犬好きの方々にかわいがっていただきたいなと思っていますが、慣れるまでは彼らも疲れ方を見ながら、家で休養させることがあるかもしれません。
 
 せっかくご来店くださっても看板犬が不在でがっかりさせてしまう場合があるかもしれませんが、私たちにとってはかけがえのない家族ですので、まずその健康を優先に考えてやりたいと思います。
 どうぞご理解のほどお願い致します。

身近な野生2013年06月10日 23:01

 朝夕犬を散歩させている近所の公園には、人口の小川が作られていて、今の時期菖蒲が茂っている一画があります。

 今晩、そのあたりを通りかかると、川岸で姿勢を低くして菖蒲の茂みを、じっとうかがう猫の姿が。

 そういえば10日くらい前にも同じ場所で、猫がやはり同じように何かを狙う姿勢でじっとしていました。

 何やっているんだろう?と思った直後、去年この茂みに走りこんでいくネズミの姿を見たことを思い出しました。
 猫君もしかしてネズミのハンティング中?

 この公園、自由猫に餌をあげることを楽しみに毎日通ってくる方が数名いますので、自由猫たちは食べ物に不自由せず、だいたいみんな毛並みがよくて、太っていて、うちの犬(パピヨン)が近づいたくらいでは全然動じない、貫録ある子たちばかりです。

 だからわざわざ面倒なハンティングをするなんて、予想していませんでした。

 暗がりの中で自分の気配を消して、じっと一点を見つめる猫。
 野生があふれ出していて、とてもいつも腹いっぱい餌をもらってひっくり返って寝ている姿から想像もつきませんでした。
 カッコイイ。
 腐っても猫。
 野生を捨ててはいなかったんですね。

 ずっと観察して、ハンティングの首尾を見守りたかったのですが、猫君から、「オッサン、早く消えて」サインが出ていたので、しかたない。
 都会の平和のためにも、ネズミ取り成功させてね、と祈って帰ってきました。

 余談ですが、自由猫たちは毎日上等な猫缶を与えられていて、ドライフーズ専門のうちの犬たちとはずいぶん待遇が違います。

看板犬初出勤2013年06月08日 16:58

 アプリコットツリーURLに英語ページUPしました。
 だんだん東京に来ている外国人の方々にも立ち寄っていただけるお店にしたいなと夢見ています。
 
 今日は看板犬2匹が初出勤でした。

 朝、私たちが移動用のハウスを用意したりしているので、どこかに連れて行ってもらえると期待のワンコたち。 ハウスに入るとなると、いつもは郊外の大きな公園行きやお泊りの旅行なので、ちょっと期待していたみたいです。

 でもハウスから出してもらえたのは原宿の東郷神社の境内。??どこ、ここ?

 お店に着いてしばらくは落ち着かない様子でしたが、座布団で居場所を作ってあげるとようやく落ち着きました。

 開店まであと1週間の今日、「あぷりこっとつりー」に素敵な絵を提供してくださった若手画家の松川光弘さんご夫妻と、松川さんの絵を贈ってくれた幼馴染がお店を訪ねてくれました。

http://www.matsukawa-mitsuhiro.com/

 松川ご夫妻は美男美女のとてもいい感じのカップルで、提供していただいた絵は奥様をモデルにした思い出の作品であったとのことでした。
 現在名古屋在住の松川さんですが、お仲間と東京でも展覧会を企画されたりしているので、チャンスがあればうちのお店でも展示してもらいたいなと思っています。

 幼馴染氏はとても懐かしい友人で、いまはすっかり洋服屋さんやカット屋さんが軒を連ねた裏原宿を、一緒に小学校、中学校に通った仲です。

 クラスに必ず一人はいるおっちょこちょいの人気者タイプで、同級生には絶大な人気なのに、先生たちからは目を付けられていて、それでも大人に媚びなかったピュアな人。
 彼がいてくれると、周りは全く自分を飾る必要がなくなって、今でもとてものびのび過ごすことができるんです。

 こういう素敵な友人やそのご縁の人たちに支えられ、応援されて、ようやく来週開店しよう!というところまでこぎ着けました。

 来て下さるお客様に楽しんでいただけるよう、準備ラストの仕上げ頑張るぞ。

裏原食べログ(2) わんこ店長2013年06月07日 15:08

 お店のオープンを6月15日土曜日にしようと決めました。

 でもまだ準備が間に合っていなくて、すごいプレッシャーです。

 とりあえず今日は午前中お店で使う包装紙や買い物バッグを仕入れて、Ushiさんと二人でお店まで運んできました。

 いままでお客の立場で品物を包んでもらう包装紙やバッグにあまり注意を払ってきませんでしたが、いざ自分がお客様に提供しようと思うと、品のいいものにしたいけれど、いいものは高いし、悩ましい決断しなければなりません。
 自分で決めて行くって、楽しいけれど難しいですね。

 お店に出勤してからは、そーだショップカード作らなきゃ!と慌ててデザイン話し合って、やっつけで発注かけた途端、「あっ、絵本屋って入れ忘れた!」 痛恨のミスです。

 そんなこんなでお昼に出るのが遅くなったのですが、裏原探検を兼ねて今日は表参道方向にぶらぶら歩いてみました。

 キャットストリートより1本西側(明治通り寄り)の道を歩いていると、ちょっと枝道の奥にUshiさんが目ざとくランチの看板発見。
 おいしそうなカレーの写真に惹かれて外階段でビルの3階まで登ってみると、こじんまりしてシンプルでしゃれたカフェが。

 お店の名前は sw11Kitchen (www.sw11.biz)

 カウンターの向こう側にはちょうど私たちと似たような世代のご夫婦。(違うのは私たちよりずっとあか抜けておしゃれなお二人だった点ですが。)ハーブガーデンを兼ねたバルコニー席もあって、3階なのに開放感があります。

 そしてカウンターの横にはワイヤーヘアード・フォックス・テリア(たぶん)のわんこ店長が鎮座。ヒト大好きな店長で、撫でてあげると目を細めてうっとりと身を預けてくれました。

 料理は、ちょっと期待しながら私がココナツクリームのチキンカレー、Ushiさんが春玉ねぎと鶏肉のパスタを頼んだのですが、期待を裏切らずにgood! 
 ココナツクリームのカレーは、甘くなりすぎないようにトマトとたぶんレモン果汁で酸味を付けてさっぱり柔らかな味わいに。シャキシャキ感を残した玉ねぎとよく合いました。
 パスタソースも(Ushiさんの分をかすめ取って試してみたところ)クリームスープベースにチーズとクルミの香ばしい味が加わって、今まで味わったことの無い初めてのおいしさでした。

 帰り際、わんこ店長と遊びながらお店のご夫婦に、今度近くで絵本屋始めますと話してみると、とても興味を示して下さって、ショップカードができたら置いてあげるからとありがたいご支援の言葉をいただきました。
 今のところ、この街で出会った皆さん結構優しくて、なんとなく昔の商店街みたいな暖かさを感じます。

 勤め人をしていると、ビジネスプランとかストラテジーとかシナジー効果とか、一見かっこいい、でもよくわからない横文字が機関銃のように飛び交うこの頃ですが、どうも馴染めなくて首をかしげてしまいます。

 やっぱり顔の見える人と人のお付き合いが、好きです。

 お店を出ると、別れを惜しんだわんこ店長が、バルコニーから顔を出していつまでも見送ってくれました。

 また来るね。

絵本紹介(3)2013年06月01日 22:29

  タイトル: 最後のおさんぽ
  文: 大島 妙子
  絵: 大島 妙子
  出版社: 講談社

 今日は思い切り泣かされてしまった絵本を紹介します。

 いい年のオジサンが、涙と鼻水抑えられなくなったことを告白するのはとても恥ずかしいのですが、この絵本は格好気にする余裕も無くするほど、心の琴線に触れました。

 愛犬ヒラメを老衰で失った主人公は、亡骸を抱きしめながら泣くうちに寝入ってしまいます。ふと目を覚ますと、目の前に若返ったヒラメの顔が。しかも背中にはかわいい羽根がついています。

 ヒラメは主人公にむかって、「天国いくのついてきて。」

 かくして主人公はリュックにヒラメの好きなお菓子をいっぱいつめて、天国までの最後のおさんぽに出かけます。

 主人公はできるだけゆっくり行きたいのに、若返って軽快な足取りで先を急ぐヒラメ。

 途中ヒラメに好きなお菓子をあげて一休み。もう何も気にせず好きなだけ食べさせてあげられます。
 いろいろな思い出を語り合ううち眠ってしまったヒラメに、「ねえ、幸せだった?うちのコで」とそっと問いかけてみます。

 いよいよ天国の門が見えると、ヒラメはブルブル震えだして先に進めません。主人公がヒラメを抱きしめて言った言葉に、そこまで必死にこらえていた私の涙は堰を切ってあふれ出しました。

 「このまま きたみち もどろっか。」
 「ずっと そばにいて、オバケのままでも いいからさ。」
 
 犬と一緒に暮らす者にとって、やがて来る愛犬との別れは覚悟はしていても、受け入れたくない運命です。
  それゆえ主人公の心の動きが自分の気持ちと重なって、物語の中に引きずり込まれました。
 また大島妙子さんのヒラメのイラストが愛らしくて、悲しさを二倍にも三倍にも増幅させてくれます。

 結局天国の入り口でヒラメを勇気づける出来事がおこって、ヒラメは楽しそうに天国に旅立っていくのですが、うれしそうなヒラメを見てほっとする気持ちと、一人残される寂しさが痛いほどわかって、読み終わっても余韻で涙が止まりませんでした。

 実はこの紹介文を書きながら、また鼻水が止まりません。
 本当に、オバケになってもいいから、そばにいて欲しい。