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絵本紹介(240) ながいよるのおつきさま2015年11月01日 23:15

題名    : ながいよるのおつきさま
作     : シンシア ライラント
絵     : マーク シーゲル
訳     : 渡辺 葉
発行所  : 講談社

 朝夕の寒さがだいぶ強くなってきましたが、まだちょっと月を眺めに窓を開けるくらいならいけそうな季節です。空気は澄んで、星や月がきれいに見えます。ということで、今日はお月様に関連した本の紹介です。


 昔、アメリカの原住民の人たちは、月に名前を付けました。
 1年12か月、それぞれの満月に別の名前を付けて愛おしんだのです。

 1月 Stormy Moon
嵐のお月さま。霧の中で、氷の中で、狼の背中で、お月さまはきらりと煌めきます。


 2月 Snow Moon
雪のお月さま。ぴりぴり冷たい息の中で、しろくくっきりとお月さまは輝きます。


 3月 Sap Moon
夜露のお月さま。氷の解けだした池の上に、寝ぼけ顔のクマたちの上に、小さい緑の木の上に、お月さまは登ります。

 4月 Sprouting Grass Moon
芽吹きのお月さま。渡り鳥を呼び戻します。

   5月 Flower Moon
 つぼみのお月さま。ふんわりと明るく花開く、なんて幸せな時。

 6月 Strawberry Moon
いちごのお月さま。みずみずしい木の芽と、ピンと伸びた枝と、幸せなウサギたちの為に、お月さまはちらちら揺れます。


 7月 Thunder Moon
雷のお月さま。ごろごろごろごろ、体を震わせ黒々とした空にお月さまは消えます。

 8月 Harvest Moon
実りのお月さま。まんまるに膨らんだ大きな甘いメロンの様。

 9月 Coon Moon
 アライグマのお月さま。アライグマたちの夜の活動を、お月さまは見守ります。


 10月 Acorn Moon
どんぐりのお月さま。力強く、大きく、1年で一番大きな月。

 11月 Frosty Moon
霜柱のお月さま。凍り付いた地面と、裸の木々と、冷たい木枯らしを抱きしめて、星たちと一緒に揺れる。

 12月 Long Night Moon
 永い夜のお月さま。朝が来るのを待って待って待ち続けます。

 お月さまも季節季節で顔が違ってくるものなんですね。
 自然とともに暮らしていたネティヴアメリカンの人たちは、現代人よりもずっとお月様の表情の違いに敏感だったから、12の名前を付けたのでしょう。

 物質や便利さでは便利になった現代社会ですが、人は自然と対話する能力を捨てつつあるようで、もったいないことです。

余談ですが、東京で全然見えなかったオリオンンザ流星群。十勝の空では明るいオリオン座とグリーンに明るく輝く流れ星を見ることができました。

げっそり2015年11月03日 23:59

 3年ほど使った携帯のON/OFFスイッチがいかれて、電源が落ちなくなってしまいました。理由もわからず電池の消耗が激しい日もあるし、反応がとても鈍いし。

 3.11の様な災害を経験してしまうと、やはりもう携帯無しでは不安ですし、いざという時使えなくなっていると大変なことになりそうなので、仕方なく買い替えることにしました。

 Ushiさんも同じ日に買っているので、どうせならと二人して機種変更に携帯電話ショップに出かけて行きました。

 かつては家電でもPCでも新しい機械を購入する時は心弾んだものですが、最近は使い慣れたものが一番と思うようになってしまいました。

 歳のせいで、新しいものを疎んでしまう気持ちが強くなったのかもしれませんが、それ以上に今どきのハイテク製品は、使うのか使わないのかわからない機能をあれこれつけて、ライトユーザーには実に面倒な機械になっているのも大きいように思います。

 恐れたとおり、携帯ショップで店員からあれこれ説明されても、全然興味が持てなくて面倒なだけ。いざ契約となっても、あれこれ手続きは多いし、訳の分からない契約書を隅々まで目を通せと言うし、メールアドレスを打ち込めとか暗証番号を入れろとか、全然覚えていない情報を求められて眩暈がしそうでした。あげくに契約の途中から眠りに落ちて、店員さんも私を見ないようにしてUshiさんに話しかけてくれました。

 ヘロヘロになりながら、Ushiさんに助けて貰ってようやく新しい機種を持って帰宅しましたが、今までと同じ環境に戻すまで、当分大きなストレスを感じながら生活しなければならなそうで、うんざりです。

 どうか今度の携帯は乱暴に扱っても10年くらい長持ちしますように。
 もうこんな面倒な思い御免です。

白黒つけてね。2015年11月04日 23:39

 民法で決められているルールのうち、結婚した夫婦の姓は、男女どちらか一方の姓には法の元の平等をうたう憲法に違反しているかどうかの判断が、年内には下されるらしいです。

 どんな判断が下るのか、あるいは判断されないのか、注目したいところです。

 夫婦を核とした家族は同じ姓を名乗る。子供の頃から当たり前に思ってきて、問題意識を持ちませんでした。
 でも結婚してもどちらも姓を変えたくない場合もあるだろうし、由緒あるお家柄なら跡取り問題にも波及しそうです。
 夫婦が別姓、家族の姓がばらばらでも、特になにも不便も不都合もなさそうなので、結婚前の姓を大事にしたい夫婦は変える必要ない、と思うのですが。。。
 家族の統一性が欠けるとか、日本の伝統が乱れるとか頭の中が筋肉な人たちからの反対は根強いらしいので、裁判所がすんなり別姓OK出すかどうか微妙な気がします。

 一方女性は離婚後6か月間は再婚禁止は、その理由が離婚後に生まれた子供が前夫の子なのか、再婚相手の子なのか判断が付くようにです。
 現在は遺伝子検査をすることで、子供の父親がどちらかは簡単にわかる時代ですから、いかに頭が筋肉な人たちでも屁理屈つけられないと思うのですが、甘いかな?
 まさか遺伝子鑑定は我が大和民族の美しき伝統と文化にそぐわない!とか言わないでよ。
 むしろ裁判所は6か月間再婚禁止の合理的根拠はなくなった、とだけ判断して、これまでが憲法違反だったかどうかの判断からは逃げなければ良いのですが。

 この2件すら普通感覚で違憲合憲判断がなされなかったら、集団的自衛権訴訟のまともな取り扱いなどとても期待できなくなりますね。虚しいけど。

絵本紹介(241) ひとまねこざるときいろいぼうし2015年11月05日 23:55

題名    : ひとまねこざるときいろいぼうし
作     : エッチ エイ レイ
訳     : 光吉 夏弥
発行所  : 岩波書店

 先日古本市で見つけて、一気に記憶が甦りました。持ってたこの絵本!しかも文庫本とかと同じ右閉じ。発行は1973年なので42年前の絵本です。古さもさることながら、おさるのジョージシリーズの原点、ジョージがなぜ黄色い帽子のおじさんと暮らすようになったのか、そのエピソードが描かれています。


 アフリカに住んでいたジョージは、ある日黄色い帽子をかぶった人と出会います。
 黄色い帽子のおじさんは、ジョージを連れて帰りたいと思って、黄色い帽子を餌にして、まんまとジョージを捕まえました。


 そしてジョージは船に乗せられます。おじさんが言うには、「ねえ、ジョージ。ぼくはきみを大きな町の大きな動物園に連れてってやるつもりなんだ。」
 今では考えられない乱暴な理屈ですが、50年前は良い子も納得だったんですね。

 船旅の途中、いたずらが過ぎたジョージが船から落ちて海で溺れて間一髪助けられるエピソードがあるのですが、この時代の絵本では、明るく「もうすこしで、ジョージは、おだぶつになるところでした。」 これも当時の良い子にはOK。ワイルドでしたね。

 船がおじさんの国に着くと、ジョージは町の暮らしを楽しみます。
ある日おじさんの真似をして電話を掛けたら、消防署にかかってしまって、消防車が出動して大騒動。


 ジョージのいたずらと知って怒った消防士に、「二度と、こんないたずらができないように、ぶちこんでやらなくちゃ」(ぶちこむも当時はOKだったのでしょう。)と、牢屋に入れられてしまいました。


 さあ、はるばるアフリカから連れてこられたジョージ。おじさんとの暮らしは?おおきな動物園は?

 たまたま見つけた42年前の古絵本。長い年月を経てきた割には、最初の持ち主のサインとちょっとした汚れがある以外、とてもきれいな状態です。私の手元に来るまで、一体どんな歴史を刻んで来たのかな? 復刻版(左綴じで大型絵本として生まれ変わっています。)では味わえない思い出を運んできてくれました。

Cho-2015年11月06日 23:53

 ワンコたちを夜の散歩に連れ出していたら、コンビニからレジバッグをぶら下げて出て来た若い女の子が駆け寄って来ました。

 「イヌーゥ。サワッテモ イイ?」

 あら、外国人だったのね。

 「優しい子たちだから、触っても平気だよ。」

 「イヌーゥ。カワイイ。」

 「どこの国から来たの?」

 「ベトナム。ニホンニキテ イッシュウカン。」

 「でも日本語上手。よくわかるよ。」

 「ベトナムニモ イヌ イル。 ケド コンナ ジャ ナイ。コンナ チイチャク ナイ。キレイ ジャ ナイ。」

 「あぁ。雑種が多いのかな?」
 「ベトナムでは、犬のことをなんて言うの?

 「???」

 「ベトナム語で犬は、なんて?」

 「???」
 
 「犬、英語ではDogでしょ。ベトナムの言葉では?」

 「アーァ。 チョー(Cho↓語尾を下げて発音)」

 レジ袋からお菓子を出してあげようとしたので、

 「あぁ!ダメダメ。お菓子は上げないで。」

 女の子、悲しそうな困ったような顔をして、行ってしまいました。
 せっかくの好意だったのに、ゴメンネ。

 故国を離れて見ず知らずの日本にひとりでやってきて、まだ1週間なのに、話しかけてくれてありがとう。

 寂しくなったら、またワンコと遊んでね。