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やりすぎ2015年05月29日 23:22

 日頃最先端の競争とは無縁のゆるい世界に生きているので、ちっとも知りませんでした。
 ICTの世界は益々化け物化していたんですね。

 例えば株取引。
 聞いたところ(聞き間違いかもしれませんが)ではアメリカの株取引のすでに40%は人工知能がやっているとか。
 なんでも人がコンピュータから売り買い注文を行う一瞬のタイミングで、人工知能なら数百回の取引を完了させてしまうそうです。
 「買いだ!」と思ってから注文を送るわずかな時間に、人工知能は先回りして数百回の買い注文を出して株の値段を釣り上げます。そうしておいて人がようやく高くなった値段で買い始めると、今度は一点凄まじい速さで売りを繰り返して、買値と売値の差額をいとも簡単に手に入れてしまうのだそうです。
 アメリカのあるファンドのマネージャーが、人工知能は週5日の取引の4日で利益を上げている、もうちょっと学習すれば常に儲けを生み出すと嬉しそうに語っていました。

 例えば生活情報。
 インターネットのプロたちの今もっぱらの志向は「人をつなぐ」ことから「ものをつなぐ(I oT)」にシフトしているようです。
 車でも家電でも通信器でも、私たちの周りに普通にある物たち。知らないうちにこの物たちが、自分の生活情報をメーカーにインターネットで送信する時代がすぐそこに来ています。メーカーはユーザーの生活情報を集約してビッグデータとして販売して、売り買いされたビッグデータを元に製品の改良や便利さが追求されていく。

 なんだか知らない間に昔のSFに出て来たコンピューターが人を支配する世界が速度を上げて近づいてきている様で、不気味です。

 市場で人工知能が必ず儲けたら、いったい損は誰が引き受けるのでしょう?きっとひ弱な個人が貧乏くじ引くのでしょうね。
 ビッグデータが幅を利かせれば、世の中益々効率とスピードを重視した社会づくり、モノづくりが進むでしょう。でもあおりを食って少数派の個性や面白みは消えて行きそうです。

 なんか夢も希望もない世界。

 ICTの進歩って、本当に人の幸せにつながっているのかな?
 直感的にはやりすぎのような気がして、素直にスゴイ時代になったと喜ぶ気になれません。