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2/7 あぷりこっとつりーこぼれ話2015年02月07日 23:36

 先週雪が降ったりして寒かった為か、今日はちょっと暖かいなと感じる朝を迎えた東京地方。
 犬の散歩に出かけたいつもの公園で、梅よりも早く河津桜が咲き始めました。暦だけではなくて、本当に春が少しずつ近づいてきてくれていて、これから毎日散歩が楽しくなりますね。

 そんな一日の始まりでしたが、今日はUshiさんが今一つ不調です。ウィークデイ全部勤めに出て、土曜日曜も店を手伝ってくれていたので、さすがに疲れがでたのでしょう。今日はゆっくり休んでもらうことにして、看板犬の小さい方と二人で店番開始です。

 でもそういう時に限って、訪ねて来て下さるものなのです、Ushiさんのコアな知り合い。

 お腹が満ちて、お客様が途絶えて眠くなりかけた午後3時。
 来店したひとりの眼鏡にマスクのおじさんが、絵本には目もくれずにレジに向かって真っすぐにやってきました。
 「年賀状でご案内を頂いていましたが、なかなか来れなくて。。。」

 へっ?もしかして古い同級生かむかしの同僚?でもどう見ても見覚えがありません。

 そこで、おそるおそる尋ねてみました。 「あの、どちら様でしたでしょうか?」

 「Ushiちゃんとは、中学、高校が一緒で。。。 これ、住まいの近くで買ったお菓子ですが、ツリーつながりということで、どうぞ。」と、スカイツリーのデザインが入った袋を頂きました。

おおっ。Ushiさんの知り合いか。でもタイミングが悪いなぁ。。。
 「あっ、済みません。今日はちょっと具合が悪くて休んでるんです。」
 「いやいや、また寄りますので。」「じゃ、よろしくお伝えください。」
 えっえー!! もういっちゃうの!?
 「あっ、あの、失礼ですがせめてお名前を。。。」
 「名乗るほどの者じゃありません。」(ウソ) 「○○と申します。」(本当)
 あーぁ、年賀状くれる○○さん。でも、お引止めする間もなく、あっという間に帰って行ってしまいました。
 せっかっく来て下さったけど、Ushiさん不在じゃ仕方ないか。。。

 ところで、いつからだったかわかりませんが、今日はずーっと原宿上空をヘリが飛び続けていました。
 代々木公園で大きなデモ? 代々木体育館で大物タレントのコンサート? なんだろう?と不思議でしたが、帰ってきてニュースを見て納得しました。NHKや渋谷公会堂の近くのマンション上階で、男が自室に立てこもって、外に向けていろんなものを投げ捨てていたらしいです。
 なんだ、答えはイカレポンチか。
 それで取材のヘリがわんさか詰めかけていたんですね。世の中、変ですやっぱり。

 それでは最後に朗読会のお知らせで、今日のこぼれ話、締めさせて頂きます。


     あぷりこっとつりーティータイム朗読会

【日時】 2015年2月22日(日曜日) 14:00~15:00
【場所】 絵本と雑貨の店 あぷりこっとつりー
     東京都渋谷区神宮前3-21-7 
     JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅から徒歩8分
     地図はGoogle Mapで「あぷりこっとつりー」で検索
【演者】 あべちえみ さん
     (店主が聞いた勝手にプロフィール : 本職は本も出している物語作家さん。BeBeの名前でRadio365に連続小説も提供中です。本職の他に創作の幅を広げようと朗読活動をしたり、ボランティアでひきこもり支援をしている可愛らしくて活動的な女性です。(ほら、会ってみたくなったでしょ?))
      参照 : あべちえみ活動日誌 http://bebe8080.exblog.jp/
【プログラム】
第一部 紙芝居  「てぶくろをかいに」 (新美南吉 作)
            「セロひきのゴーシュ」 (宮沢賢治 作)
第二部 朗読   「中原中也詩集」
            (「汚れちまった悲しみに...」他)
【対象】 興味がある方ならどなたでも
【定員】 10名くらい。(座席、お茶等準備の都合で、事前に予約連絡いただけると助かります。 当日飛び入り参加も歓迎です。)
【料金】 おひとり様¥500 (飲み物とお茶菓子付き。ワンコと記念撮影し放題。)
【ご予約・お問い合わせ先】
TEL(土日の11:00-18:00)・FAX 03-6434-9215
Mail : apricot-tree@asahinet.jp
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絵本紹介(168) 鳥よめ2015年02月08日 16:46

題名   : 鳥よめ
作     : あまん きみこ
絵     : 山内 ふじ江
発行所  : ポプラ社

 今回のご紹介は、数々の優しい童話を創作されているあまんきみこさんの新作絵本です。あまんさんの平和への思いが描かれています。


   子供の時の怪我がもとで右ひざがうまく曲がらない周平さんは、兵隊には行かず、人里離れた岬の灯台守の仕事をしていました。

 今朝も夜通し灯台の火を守っていた周平さんは、明かりを消して灯台から降りてきました。
 周平さんが扉を開けて外に出ると、そこには白い着物を着た細い娘が、朝のまぶしい光を背に受けて立っていました。そしてその娘は、周平さんに向かって「ありがとうございました」とお礼をいったのです。


 お礼を言われる心当たりのない周平さんは、娘に人違いではないかと応えますが、娘は自分は周平に命を救われたウミネコだと告げました。

   それから周平さんと娘の生活が始まりました。家の中はきれいに片付き、毎日おいしいご飯が用意され、娘につられて笑いながら、周平さんは生まれて初めて、胸がほかほかにあたたまる幸せを知りました。<
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 ただ、周平のそばに居たくて神様に鳥からヒトの姿にしてもらった娘は、毎日背中にたたんだ翼を広げてはばたかないと死んでしまいます。しかもその姿をヒトに見られると、その視線はするどい刃になって、娘は刺殺されてしまう掟なのでした。

 その時代、日本は戦争の時代でした。
 戦局は日増しに厳しくなって、敵の飛行機の目印にならないように、灯台の火は消され、白い壁は土色に塗り替えられました。

 やがて、六人の兵隊が灯台を守りにやってきて、。周平たちの住まいで寝泊まりをしました。

   一日中兵隊たちの目があるために、娘は簡単には翼を広げて飛び回ることができなくなり、だんだんと弱って行きます。

 その姿を見かねた周平さんは、用事をつくって娘を灯台から遠くに連れ出し、思いっきり飛ばせてあげることにしました。

 でも、ちょうど周平さんと娘が留守の時に、灯台が敵の飛行機に爆撃されて、兵隊さんにけが人がでました。
 兵隊の隊長は、周平さんが前から敵と連絡していた、白い鳥を飛ばして合図を送っていた、と言って、周平さんをとらえてしまいました。



   人里離れた小さな灯台でささやかでも幸せな暮らしを送っていた心優しい青年と鳥が姿を変えた娘。 そんな二人の小さな幸せまで、国をあげた戦争の渦の中に巻き込まれて、壊されてしまいます。
 個々人の幸せを犠牲にして、戦争で一体何を守るつもりだったんでしょうねぇ。「国民の生命と財産を守るため」とか、「責任は、私にある」なんて簡単に口にするけど、ちっとも中身が無い人なんて、ぜ~んぜん信じられないなぁ。

オヤジの味?2015年02月09日 23:23

 最近、毎週夕食当番が回ってくるのを、それなりに楽しんでします。

 でも今日は、朝出がけにUshiさんが、「今日は早く帰ってくるつもり」と言い残して行ったので、特に夕食の作戦は立てずにいました。

 いつもの様に先に家に帰り着いたので、とりあえずご飯を炊いて、味噌汁の仕度までしたのですが、Ushiさんから連絡なし。
 責任感の強い人なので、仕事にのめりこんでしまうと連絡も忘れてしまいます。

 この分だとUshiさん今日も遅くなるだろうと覚悟を決めて、急遽冷蔵庫を覗いて、できそうなおかずは。。。。あんまり大した材料もありませんねぇ。
 しばらく頭をひねって、「!!」思いつきました。とりあえず鶏肉のトマト煮ならば、簡単で早くて暖かくてみんな好き。
 ちょっとだけこだわって、鶏肉をオリーブオイルと香草でソテーしてからトマトとジャガイモと玉ねぎを入れて、ぐつぐつ煮込んで仕上げました。

 ちょうど出来上がった頃に帰宅した次女に、「だいぶ料理の感戻ってきた」と言ったら、「それじゃ、あれつくって!ツブ貝の甘から煮」と言われました。

 「へっ?ツブ貝?」
 「そう。昔よく作ってくれたじゃーん。わたしあれ、大好きだったぁ」

 そう言われて思いだしました。
 次女がまだ中学生の頃、Ushiさんと長女が東京、私と次女が札幌と別れて暮らした時期があって、毎週のようにツブ貝を醤油とみりんで甘辛く煮つけてやったこと。

 日曜日毎に一日かけて二人の一週間分の夕食を仕込む生活なかなかハードでしたが、そんないい加減な食事でも覚えていて、「好きだった」と言って貰えて、なんかじーんと来ちゃいました。

 ってことは、娘にとってツブ貝はおふくろの味ならぬオヤジの味になるのかしら。。。
 なんか、大雑把ぽくって、ありがたみが薄いですねぇ。

あぁ失敗2015年02月10日 23:19

 今日は大胆にもネットで見つけた”炊飯器でパエリア”というのにチャレンジしてみました。
  http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/recipe/20150204.html

   パエリアは我が家では人気メニューなので、炊飯器を開けたらそこにパエリア! で、家族が驚く顔を楽しみに、わくわくしながら、ネットに出ていたレシピ通りに作って、炊飯開始。我ながら、頑張ったジャン。

 炊きあがりを知らせるアラームが鳴ったので、炊飯器を開けてびっくり。
 米は生煮えで水浸し。一緒に炊きこんだアサリの口がまだ空いていない。。。

 呆然としているところにUshiさん帰宅。アドバイスで炊飯器をあきらめ、そのままフライパンに移して加熱を続けることになりました。

 しかし、なんでだろう。
 もう一度レシピを見直し、間違いないことを確認し、これで炊けばいいはずなのに。。。
 もしかすると、いつもの速炊きモードじゃダメだったのかな?

 フライパンを使って加熱すること40分。なんとか食べれるレベルまで持ち直しましたが、ガックリ。こんなことなら普通に最初からフライパンで作れば良かった。 Ushiさんが作ってくれるいつものパエリアの方がずっと旨いし。

 同時作成の"勝手にスペイン風と思い込んでいるオムレツ”も焦げ付かせてくぐしゃぐしゃにするし、お好み焼きみたいだし。


 今日は大失敗でした。
 皆さん、炊き込みご飯は速炊きモードでは炊けないみたいです。それからスペイン風にかつおだしと長ネギを使うと、ダシ巻き玉子かお好み焼きになってしまいます。(えっ、常識ですか?)

絵本紹介(169) どんぐりと山猫2015年02月11日 23:55

題名    : どんぐりと山猫
作      : 宮澤 賢治
画      : 小林 敏也
発行所   : 好学社

 ご存じ宮澤賢治の童話に、小林敏也さんがシンプルで力強いイラストを付けた絵本です。 発行所が以前のパロル社から好学社に変わっての復刊です。


   ある土曜日の夕方、一郎の元におかしな葉書が届きます。
 すごく下手な字で、墨も濃すぎてがさがさしています。

 「 かねた一郎さま 九月十九日
  あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこうです。
 あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。
 とびどぐもたないでくなさい。
  山ねこ 拝 」

 その葉書を貰って、一郎はうれしくてどきどきして、その夜はうまく眠れませんでした。

   翌朝、急いで朝食を済ませると、一郎は谷川に沿った道を川上のほうに向かって歩いて行きました。
 途中、栗の木や滝やきのこやリスに、山猫の居所を尋ねますが、みんな朝早くに見たと言いながら、山猫が向かった方向をてんでバラバラに一郎に教えます。


 結局山猫の居所の手がかりを掴めなかった一郎は、谷川の道が尽きても、その先に続く森の中の細くて暗い道を登り続けました。すると、ある時目の前がパッと開けて、明るい草原が現れます。

 その草原の真ん中に、片目で、半天のような上着を着て、足のまがった背の低い男が、手に鞭を持って立っていました。
  男は山猫の馬車別当で、一郎の元に届いたはがきは、この男が書いたものでした。

 一郎が山猫の馬車別当と話していると、風がどうと吹いて、いつの間にか黄色い陣羽織のようなものを着た山猫が立っていました。


 「こんにちわ、よくいらっしゃいました。じつはおとといからめんどうなあらそいがおこって、ちょっと裁判にこまりましたので、あなたのお考えをうかがいたいとおもいましたのです。まあ、ゆっくりおやすみください。じきにどんぐりどもがまいりましょう。 どうもまい年、この裁判でくるしみます。」

 やがて、一郎の足元のくさむらに、金色にピカピカ光る、赤いズボンをはいたどんぐりたちが集まってきて、わあわあわあわあと口々になにか言っています。


 さて、わざわざ一郎がよびだされたどんぐりの面倒なあらそいとは?裁判でいったい何が決まるのでしょうか?

 実は、子供の頃宮沢賢治の童話は、ほとんど読みませんでした。
せっかく子供部屋の本棚には、数冊置かれていたのに。ちょっと読みだしてみて、なんだか難しくて投げ出していました。
 今、こうして絵本で読んでみると、旧仮名遣いや方言を含めて、とても味わいが感じられますね。とくに、一郎に届いたはがきがいい。
物語には、大人の押し付けの教訓も哲学もなにも含まれていなくて(と、思います)、ただこんなことがあったらいいなぁーという、純粋なファンタジーの世界で、そこも気に入っています。
 お子さんにはちょっとわかりづらいかもしれませんが、大人には何度も読み返してみたい一冊になるような気がします。