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絵本紹介(172) 100万回生きたねこ2015年02月22日 23:39

題名    : 100万回生きたねこ
作     : 佐野 洋子
発行所  : 講談社

 本日はネコの日ということもありまして、日本で一番売れた絵本、超有名で今更紹介でもない絵本、100万回生きたねこのご紹介です。


 100万年もしなないねこがいました。
 100万回もしんで、100万回も生きたのです。
 100万人の人が、そのねこをかわいがり、100万人の人が、そのねこがしんだときなきました。
 ねこは、1回もなきませんでした。

 ねこはあるときは王様のねこでしたが、ねこは王様なんか嫌いで、戦場でとんできた矢に当たって死んでしまいました。王様は死んだねこをだいて泣いて、戦いをやめてお城にかえりました。

 ねこはある時船乗りのねこでしたが、ねこは海なんか嫌いで、ある時海に落ちて死んでしまいました。船乗りは死んだねこをだいて、大きな声で泣きました。

 それからもねこは、サーカスの手品師のねこになったり、泥棒のねこになったり、よぼよぼのおばあさんのねこになったり、いろいろな人生を送りますが、いつも飼い主のことが嫌いでした。

 あるときねこは野良猫になって初めて自分のねこになりました。ねこは自分のことが大好きでしたし、めすねこたちもねこのお嫁さんになりたくて、様々なプレゼントを用意して気を引こうとしました。

 でもねこは「おれは100万回もしんだんだぜ。いまさらおっかしくて!」とだれも相手にしませんでした。

 そんな中で、一匹の白い美しいねこだけが、ねこに見向きもしませんでした。
 ねこは、その白いネコの前で、「俺は100万回もしんだんだぜ」と言ってみましたが、白いねこはまったく関心を示しませんでした。

 100万年の間、ずっと人から愛されてきたねこでしたが、ねこは自分が一番好きで、他の人を愛することができませんでした。白いねこと出会うまでは。。。

 よく愛はヒトを強くすると言います。 が。。。
 誰かが自分よりも大切になって、誰かのそばにいたくて、誰かとずっと生きていたくなったとき、案外弱くなりませんか?
 弱いから、100万回生きられないから、今生きている喜びを感じて、かみしめられるのじゃぁあいかな?
 いろいろ考えさせてくれる絵本です。久しぶりに、読み返してみませんか?