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絵本紹介(155) 買物絵本2014年12月21日 23:27

題名   : 買物絵本
作     : 五味太郎
発行所  : ブロンズ新社

 いつも鋭い視点をシンプルかつポップな絵で見事に表現してしまう五味太郎さん。その五味さんが、「お金で何を買うことができるか」を考察したシニカル絵本をご紹介します。


 お金でお菓子を買うことができます。
 おいしさ、たのしさ、うれしさを買うことができます。
 ついでに虫歯も買うことができます。
 さらに虫歯の治療も買うことができます。
 
 (お菓子は好きだけど、歯医者さんの治療はいやだなぁ)

 お金でらくちんが買えます。
 いやなことは他人まかせの のんびりが買えます。
 いわば時間が買えて ひまが買えるということです。
 つまり「そのひまに仕事ができる時間」を買えるわけです。
 
 (あれれ? のんびりを買ったんだよね。。。)

 お金で「人助け」を買うことができます。
 「やさしい心の満足感」を買うことができます。
 「強い意志の充実感」も買うことができます。
 「お金で済ませるクールな人」との評価を買うことができます。
 (イタタ。痛いとこつきますなぁ。)

 その他、
 ・お金で「一件落着」を買うことができます。
 ・お金で「みずからの可能性」を買うことができます。
 ・お金で「お金を貸す」という不思議な買い物ができます。
 ・お金で貯金が買えます。
 ・お金で「お金にわずらわされない暮らし」がかえます。

 どれもドキッとする切り口ばかり。さて五味さんは、これらの切り口を、最終的にどう料理するのでしょう。そしてあなたなら?

 絵本ではありますが、完全に大人向けですよね、この絵本。問題提起が深いもの。