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絵本紹介(128) ぼくは くまのままで いたかったのに・・・・2014年09月21日 22:45

題名   : ぼくは くまのままで いたかったのに・・・・・
文    : イエルク・シュタイナー
絵    : イエルク・ミュラー
訳    : 大島 かおり

 この絵本は初版が1978年。世界中がオイルショック後の景気回復期で、森を切り開いて工場をつくるなんて話がゴロゴロ転がっていた時代に作られたお話しです。
 一見ナンセンスですが、もしかすると実話かもと思ってしまう、狂気の時代でした。


 
雪に覆われた森の奥で,一匹のくまが暖かな洞穴の中で、平和な冬眠の深い眠りの中にいました。
 ところが、森には人間が大勢やってきて、大きな機械を持ち込んで、くまが寝ている洞穴の上に、冬の間に工場を建ててしまいました。

 春が来て洞穴から這い出したくまは、森が跡形もなく無くなっていることに驚きます。
 呆然と辺りを見回しているくまに、工場の職長が、「おい、おまえ。さっさと仕事につけ!」と怒りました。


 くまは自分は人間ではなくて熊なんだと主張しますが、職長に信じてもらえません。職長は反抗的なくまを副工場長の所に連れて行きしかってもらおうとしますが、副工場長は工場長の元にくまを行かせ、工場長は社長に会えと言います。
 くまは会う人すべてに自分は熊だといいますが、皆は熊のはずがない。ただの怠け者が、働きたくないからバカらしいことを言っているだけだと取り合ってくれません。

   結局あきらめたくまは、髭を剃って、他の工員と同じように一日中機械の前に立ってスイッチを押したり、レバーを引いたりして、働き始めました。


 熊だと認めてもらえないかわいそうなくま。
 いったいこの先どうなってしまうのでしょうか。。。。


わかるなー、くまの気持ち。
 私もずーっと、働きたくない、遊んで暮らしたいと主張しているのですが、誰も本気にしてくれません。
あー今年こそ、ジャンボ宝くじが当たるはずだったのに。。。