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絵本紹介(112) わたし2014年07月20日 23:38

題名   : わたし
文    : 谷川 俊太郎
絵    : 長 新太
出版社 : 福音館書店

 今日はとてもシンプルな構成なのに、とても大事なことを気づかせてくれる絵本をご紹介します。

 わたし。
 あかちゃんからみると お姉ちゃん。
 お兄ちゃんからみると 妹。


 わたし。
 お母さんから見ると 娘のみちこ。
 お父さんから見ても 娘のみちこ。

 でも
 わたし。
 さっちゃんから見ると お友達。
 先生から見ると 生徒。


 きりんから見ると ちび。
 ありから見ると でか。

 外人から見ると 日本人。
 宇宙人から見ると 地球人。


 わたし。
 知らない人から見ると だれ?
 歩行者天国では 大勢のひとり。

   自分で自分を客観視することって、なかなか難しいですよね。
 ついつい他人も自分と同じように自分を甘やかしてくれるものだと勘違いしたり、自分が世界の主人公で他人は脇役と見えてしまったり。

 だけど地球に70億人の人類が住んでいたら、70億通りのわたしがいるんですね。70億の人生に70億の主役がいるんですよね。 そんなことを気づかせてくれる絵本ではないかと思います。

 私たち日本語を使う民族からみると、ウクライナ人もロシア人も区別がつかないように、アフリカやヨーロッパの人から見たら、中国人も日本人も韓国人も、ぜんぜん見分けがつかないかもしれないのに、どうして「我が国が」、「我が国の」、「我が国は」と小さな囲いを作っていがみ合っているのかしら。
 同じ地球人と言うことで、いいじゃないですか。ねぇ!