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へー な話2014年07月08日 23:40

 自宅から歩いて10分くらいの大きな空き地だったところに、今年春某大学の関係機関が引っ越してきました。
 うれしいことに、その施設で一般市民向けの公開講座サービスを提供してくれているので、さっそく平日の夜に開講していた「落語入門」という気楽そうな講座を覗いてみました。
 
 通ってみると予想通り講座は堅苦しくなくて、毎回ユーモアあふれる講師から落語鑑賞で知っておくと得する落語の基礎知識を聴いた後、講師がチョイスしてくれた落語2席をDVDで鑑賞して馬鹿笑いして終わる楽しいものでした。

 その講座で聞きかじった「へー、そうだったのかぁ」という話がいくつかありますので、ちょっとご紹介。

 ・今は落語ブームだそうで、関東近辺の寄席情報を掲載する情報誌「東京かわら版」には、毎月800ほどの寄席・落語会の情報が載るそうです。単純に計算しても毎日30近い落語会が関東のどこかで行われているということで、確かにブームで身近なんですね。

 ・落語家は普通羽織袴で高座に上がりますが、気が付くと大抵途中で羽織を脱いでいます。どのタイミングで羽織を脱ぐかというと、一番多いのは前置きにあたる枕が終わって、いよいよこれから話の本題が始まるときらしいですが、例えば外出から帰った場面の演出に使うなどバリエーションも多いそうです。
 マラソンのQちゃんがサングラス投げた時みたいに、ギアを入れ替える時脱ぐ人もいるかもしれませんね。

 ・落語の舞台に上手と下手があることご存知でしたか?落語家から見て右手が下手、左手が上手なんだそうです。
 で、落語家が時に一人で二人の会話を演じ分けることありますよね。例えば長屋のクマさんと大家さんとか、おかみさんとダンナさんとか。 このとき、年下や身分の低い人は下手、年長者や身分の高い人
は上手と決まっているんだそうです。
 だから、クマさんは右側下手にいてちょっと左を向きながら左側上手の大家さんに物を尋ねる。すると大家さんは左側上手から右側下手のクマさんに向かってちょっと右を向きながら答えてあげる。 こういう演じ分けをしているのだそうです。 「へー、なるほど」でしょ? 説明を聞いた後DVDを見たら、確かにそうです。いままで声色の使い分けだけで演じ分けているのかと思っていましたが、そんな細かい技も使っていたのですね。
 じゃあ、登場人物が3人、4人になったらどうするのかしら?楽しみですね。今度落語を鑑賞するとき、上手・下手に注意して見てみて下さい。

 ・寄席で落語家が登場する前になんか三味線、笛、太鼓のお囃子がなりますよね。あれを出囃子と言うそうです。 この出囃子、誰でも一緒じゃなくて、真打以上の落語家さんひとりひとりにそれぞれテーマソングみたいに決まっているのだそうです。アントニオ猪木のボンバイエみたいに。
 大概のお囃子は歌舞伎からとったものだそうですが、中にはモダンな曲を選ぶ落語家さんもいて、「鳩ぽっぽ」とか、「白鳥の湖」とか、「私を野球につれていって」とかを出囃子に使う方もいるそうです。「白鳥の湖」なんて、三味線でどうやって弾くんだろう? ちょっと寄席に行って出囃子いろいろ聞いてみたくなりました。

 私にとっては「へー。」でしたが、ご存知でした?

 入門講座は時期には名作の聞き比べ講座へと発展していくらしいですが、運悪く開講日が店の営業日に重なってしまうので受講することが出来なくて残念です。