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絵本紹介(101) おしいれのぼうけん2014年06月12日 23:48

題名    : おしいれのぼうけん
文     : 古田 足日
絵     : 田畑 精一
出版社  : 童心社

 この絵本を紹介しようと準備していたさなかの2日前、ニュースで古田足日先生の訃報に接しました。日本の児童文学をけん引されてこられた偉大な作家先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

 「おしいれのぼうけん」は初版が1974年なので、自分の子供時代も、子育て時代とも微妙にズレていて、実のところ私は絵本屋を始めるまで存在を知りませんでした。
 あぷりこっとつりー向かいの美容室CORさんの売れっ子美容師堀井さんから、思い出に残る絵本として「おしいれのぼうけん」を強く推薦されていて、それが最近ようやく入手して読むことができました。

 累計200万部以上も売れた絵本だそうですので、ご存じの方も多いことだろうと思います。

   物語はさくらほいくえんと言う名前の保育園です。
 この保育園の園児たちの怖いものは2つ。
 先生の注意をいつまでも聞かないでいると入れられてしまう押入れと、先生が人形劇で演じるねずみばあさん。
 押入れの中は真っ暗で暑くて、
大概の子は中に入れられると途端に心細くなって謝ります。
 ねずみばあさんはたくさんのネズミの子分たちを自由に操ったり、魔法をかけて猫を動けなくして食べてしまったり、子供たちにとっては絶対に会いたくない怪物です。


 ある日昼寝の時間、おもちゃの取り合いからさとしとあきらが布団の上を走り回っての追いかけっこを始めてしまいました。
 先生の「やめなさい!」という強い言葉にも耳を傾けないで追いかけっこを続ける二人は、やがて先生に捕まえられて「中でよく考えなさい」と押入れに放り込まれてしまいます。


 さとしは「押入れに入らないで考える!」と先生に訴えたのに。
 あきらは「悪いのはぼくじゃない。おもちゃをとったさとちゃんだ。」って言ったのに。

 押入れの中は真っ暗で壁の木目やシミが怖いものに見えてきて、あきらは泣きだして先生に謝ってしまいそうになります。
 するとさとしがあきらの手を握って、「あーくんがんばれ!」

 でも押入れの中では大変なことが起きようとしていました。
 壁のシミがいつかねずみばあさんの顔になって、壁から這い出してきました。
 壁の木目は暗いトンネルになって、さとしとあきらを吸い込んでしまいます。

 二人の行く先には、何が待っているのでしょう。

   この絵本、80ページにもなる絵本としては異例のボリュームですが、子供たちは飽きずに最後まで夢中になって読み続けるそうです。
 長編なのに子供をひきつける魅力って、なになのかなぁーと考えてみました。
 思い当ったことは、例え罰を食らっても、自分たちの言い分をちゃんと聞いてくれなかった大人に簡単には屈しないぞ!というレジスタントなさとしとあきらに自分たちを重ねて、当事者になって物語に入り込んで冒険しているのかもしれません。

 子供の時って、保育園、幼稚園、学校それに家庭で、大人の思い込みで悪い子にされて、理不尽な罰を与えられたこと結構あったこと、思い出しました。
 そんな時、「なんだよー、悪いのは俺jじゃないぞ。ちゃんと見やがれっ!」て心の中では叫んでましたね。
 だから「おしいれのぼうけん」は大人に抵抗して最後は和解を勝ち取る、子供にとって自分たちもやってみたい憧れの抵抗なんじゃないかな?

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     いまのところ順調。。。