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輝け新入社員2014年04月01日 22:45

 今日入社式を終えた末娘が、興奮と緊張を持続したまま帰宅しました。
 入社同期のこと、研修で聞いてきた就業規則のこと、製品のこと、明日からの出張研修のこと、次から次に話してくれます。

 娘の話を聞きながら、そういえば自分は今年社会人31年目に突入することに気づいて、ずいぶん長い時間会社という変な集まりの中に身を置いてきたものだと驚いてしまいました。

 30年前の今日、確か緊張の中、重い荷物を持って会社の研修所の玄関に立っていたはずの自分は、いったいどんな未来を夢見ていたのでしょう。
 実のところ特に何か志があって会社を選んだわけではなく、とりあえず給料もらえるならどこでもいいやと入ってみたので、たぶんなーんにも考えていなかったでしょうね。
 ただ、辞令が出れば「嫌だ」と言えない理不尽な世界に身を置くことになったんだなぁと嘆息したことだけを覚えています。

 そんなのんきな時代と違って、今の若い人たちは大変すぎますね。

 情報が溢れすぎて、エントリーシートはこう書け、面接のスーツとネクタイはこれでいけ、志望動機はこう答えろと、いちいちもっともらしいマニュアルが氾濫していて、結局どの子もどの子も自分の適性や個性を考える間もなくたくさんの企業をかたっぱしから受験していくことになってしまっているようです。面接する側もだれもかれも優等生で、面白くないだろうに。

 娘の場合はたまたまゆるーい会社に拾ってもらえたみたいで、娘から話を聞いている限りではなんかその会社のファンになりそうです。

 大変な思いに耐えて今日社会人としてスタートラインに立った皆さん、お疲れ様でした。でもここからが長い。早く会社に慣れて自然体で一層輝けますよう陰ながら応援していますよ。
 是非楽しんでね。

絵本紹介(82) ちがうねん2014年04月03日 23:15

題名   : ちがうねん
作    : ジョン クラッセン
訳    : 長谷川 義史
出版社 : クレヨンハウス

 前回に引き続き、ジョン・クラッセン作の絵本を、長谷川義史さんが味のある大阪弁で翻訳した絵本のご紹介です。
 前回ご紹介の「どこいったん」よりもさらに大阪弁の醸し出すゆったりしたリズム・心地よさと、裏腹に迫りくる危機の対比が見事な作品に仕上がっていると思います。

 ちいさな魚が水色の帽子をかぶって泳いでいます。
 「このぼうし ぼくのと ちがうねん。 とってきてん。」


 「おっきな さかなから とってきてん。 ねてるまに。」

 「きっと まだ ねてるわ。」
 (いやいや、おおきな魚が目をさます絵が。。。)

 「まあ おきたとしても、ぼうしのことなんか きがつけへんわ」
 (ちょっとぉ、大きな魚、きがついたみたいよ。。。)


 「まあ きがついたとしても、 ぼくのことなんか あやしめへんわ。」
 (おいおい、なんか勘付いたんじゃない?)

 「まあ あやしんだとしても、 ぼくの いきさきなんか わからへんわ。」
 「あっ、カニにみられたけど。 カニと ぼくの ひみつやねん。」
 (うわぁぁぁ。 カニ あっさり白状しちゃってるよ。。。)


 自分に危機が迫っていることに気づかず、のんきに隠れたつもりになっている小さい魚。 さて、運命やいかにぃ。

 「水の中、だあれにも みつからへん。 こわー、なお話をゆらゆらと訳してん。」 巻末の訳者長谷川さんの言葉です。

4/5 あぷりこっとつりー こぼれ話。2014年04月05日 23:55

 夕方にいきなり雷が鳴って雹が降りだした昨日、雷が怖くてしょうがない看板犬の小さい方は、パニックになって人にしがみついて、ずーとブルブルブルブル震えっぱなしでした。可愛そうに、よっぽど怖いんですね。

 今朝は昨日の荒れ模様を引きずって、空気がちょっとひんやり。北風も吹いて屋外のお花見にはちょっと寒い一日のスタートでした。

【Ushiさん友人の皆さんご来店】
 高校時代バスケ部で活躍したUshiさん、今日は部活の女子同期が久しぶりに集まって原宿で食事会でした。せっかく原宿に集まるのだからと、食事会の前後で皆さんで店に遊びに寄って下さって、一気ににぎやかになりました。
 当時のメンバー全員が揃っての集まりだそうで、結束の固さにびっくり、そして久しぶりに会っても会話のパスワークが滑らか。一番多感な時期に一緒に汗をかいた仲間って、肩ひじ張らなくていいから楽しそう。いーなぁー。 
 皆さん気を使ってあれこれお買い上げいただき、たいへんありがとうございました。また是非あそびに来て下さい。

【お嬢さんたち、そろそろ2時間過ぎますが。。。】
 昼過ぎに初めてご来店の20代のかわいらしいお嬢さん二人組。どちらも絵本が大好きな様子で、すぐにそれぞれ好きな場所に陣取って絵本を読み始めました。
 よくあることなので、始めは微笑ましく見ていたのですが、BGMのCDが1枚目から2枚目に。
 あれっ?もう1時間くらい読みっぱなしだぁ。買って帰る候補の絵本そろそろ決まったかな? あっ、場所移動。 でも二人とも手に絵本は持っていない。
 CD2枚目終了、3枚目に突入。
 あれっ?大丈夫なのお二人さん。原宿で買い物でもあったんじゃないの?そろそろ3時だよ。おじさんトイレ行きたくなってきたよー。
 CD3枚目とうとう終了。4枚目スタート。
 おっ、お二人そろってレジまで来てくれた。でも、絵本は持っていない!
 二人とも、ちょっと上気した幸せそうな笑顔で、「ありがとうございましたぁ。」 そして去っていきます。
 あっ、ハイハイ。ありがとうございました。楽しめましたか?あははは。。
 あのお嬢さんたち、ここは図書館じゃなくて絵本屋だってわかってくれてたかな? まぁいいか、幸せそうだったし。

【Tちゃん登場】
 すぐ近くに住むAクンご一家が、夕方店に立ち寄って下さいました。
 Aクンのお嬢さんTちゃん。とても看板犬が気に入ってくれていて、今日もすぐにワンコのところに遊びにやってきてくれました。
 ワンコが好きで好きで、なんとか楽しく遊びたいんだけど、まだちいちゃくてついつい追い回してしまいます。
 ゴメンネ、Tちゃん。追いかけられると看板犬たち一目散に逃げてしまって、ちっとも遊べなかったね。
 でも次はきっともっと上手に遊べるね。またおとうさん、おかあさん、おにいちゃんと一緒に、遊びにおいで。

 今日も出会いと語らいと、楽しく一日営業させていただきました。
 ありがとうございました。

絵本紹介(83) エイモスさんがかぜをひくと2014年04月06日 23:25

題名   : エイモスさんがかぜをひくと
文    : フィリップ・C・ステッド
絵    : エリン・E・ステッド
訳    : 青山 南
出版社 : 光村教育図書

 今回ご紹介する絵本は2010年にアメリカで出版された絵本の日本語版です。実は私、表紙の絵(冒頭写真)から懐かしく古めかしい印象を受けたので昔の絵本と勘違いして、読むのを後回しにしていました。でも読んでみると素敵なお話で、なんで「もっと早くに。。。」と軽く後悔しました。
 落ち着いた絵と優しい登場人物で基本はオールドファッションなのに、展開は斬新で細部に可愛さ満載のニューウェーブな絵本でした。


 動物園に勤めるエイモスさんは、とても優しい人で、忙しい中何とか時間をやりくりして”おともだち”のところに出かけます。

 ゾウとはチェスをします。でもゾウは考えてばかりでなかなか駒を動かしません。


 ペンギンにはそばに座ってあげます。話さなくっても、ペンギンはそれで満足です。


 ミミズクには、日が沈んでから本を読んでやります。ミミズクは暗いところが怖いのです。

 ところがある朝、エイモスさんは鼻水とくしゃみと寒気で起き上がれなくて、動物園をお休みしてしまいました。
 そんなこととは知らず、動物園では、ゾウはチェスを並べて、ペンギンは一人でじっと座って、ミミズクは本の山の上に乗って、「エイモスさんどうしたのかなー?」と待ち続けます。

 待ちくたびれた動物たちは、とうとう揃ってエイモスさんの家に訪ねて行くことにしました。


 さあ、この後動物たちはちゃんとエイモスさんの家を見つけられるのでしょうか?
 エイモスさんと動物たちの心の交流が気持ちを暖かくしてくれる絵本です。

 この絵本お手にとる機会がありましたら、メインのお話しだけでなく是非細部にも注意して見てみて下さい。
 エイモスさんも動物たちもとても優しいタッチで描かれていますが、例えばエイモスさんの住んでる家が、あの「小さなおうち」であったり、室内スリッパがチョー可愛かったり、作者の遊び心がちりばめられていて楽しさが増しますよ、きっと。

20年ぶりの再会2014年04月07日 22:45

 絵本屋を始める時には気づいていなかったうれしい副産物に、しばらくご無沙汰してしまった旧友や知人がふらりと訪ねて来てくれるサプライズがあります。

 昨日はまさにそんなサプライズが待っていました。

 開店から間もく女性二人組のお客様をお迎えして、興奮する看板犬をなだめながら「いらっしゃいませ、こんにちはー。」とあいさつすると、マスクをした女性がニヤリとしながら近寄ってきました。

 きっと犬好きのお客様だろうなと油断した途端、「○○くん」と呼びかけられて、ドキッ。
 改めてマスクに隠されていない目をみると、あっ、知ってるこの眼差し!○○くんと呼ばれるということは年上か同い年で、えーっと、まだ寝ぼけた頭をフル回転させて記憶の画像認識。 そしてビンゴ。
 20年ぶりくらいに会う大学の同級生のS井さんではないですか。

 毎年年賀状でのやり取りはしていたけど、えっなんで、お住まい大阪でしょ?

 一緒に来た超美人さん(誰かに似てると思ったら、あまちゃんでユイちゃんやった橋本愛ちゃん)はなんと娘のTちゃん。すらっと長身で黒髪がきれいなモデルさんみたい。用事で上京されてたまたま宿泊先が近かったので、そういえばと娘さん誘ってわざわざ訪ねて下さったそうです。

 S井さんと私が過ごした大学の専門課程はちょっと特殊で、実験や野外実習で同級生と朝から深夜まで、時には泊り込みで一緒にいる時間が長くて密度が濃かったせいもあって、なんか生き別れた姉弟に会えたようで再会は嬉しさを通り越して一種の感動でした。
 会った途端にいろんな楽しい思い出やはずかしい記憶がよみがえってきました。記憶って、忘れたつもりでもきっかけがあれば蘇ってくるものですね。

 Tちゃんもとても明るくて楽しい子で、おかあさんとおとうさんの秘密をあれこれ暴露してくれて、しばらく大笑させられました。

 一昨日Ushiさんの部活仲間の集まりを見ていいなーとうらやましかったのですが、幼馴染や学生時代の友人と再会する機会を積極的に作って行くべきですね。気持ちが高揚して、しばらく元気で頑張れそうです。

 S井さん、Tちゃん、楽しかったぁ~、訪ねてくれてありがとう。