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絵本紹介(81) どこいったん2014年03月30日 23:31

題名   : どこいったん
作    : ジョン クラッセン
訳    : 長谷川義史
出版社 : クレヨンハウス

 だいぶ前の話になってしまいますが、東京文芸フェスティバルのイベントでジョン・クラッセンさんと長谷川義史さんのトークショーを見に行ってきたことご報告しました。
 今日はその報告で触れたジョン・クラッセンさんのコルデコット賞受賞絵本「どこいったん」のご紹介です。

 クマ(と、思われる大きな動物)がつぶやきます。
 「ぼくのぼうし どこいったん? さがしに いこ。」

 出会ったキツネに聞いてみます。
 「ぼくのぼうし どこいったん?」
 「きみのぼうし しらんなあ。」
 「そうか おおきに。」


 次にであったカエルにも聞いてみます。
 「ぼくのぼうし どこいったん?」
 「このへんでは みてへんで。」
 「そうか おおきに」

 その後も、ウサギ、カメ、ヘビに聞きますがみんな知りません。
 アルマジロにいたっては、
 「ぼくのぼうし どこいったん?」
 「ぼうしって なんや?」
 「もう ええわ。」


 コンピューターグラフィクスで描いたイラストですが、とても暖かい色使いで、手書きの味わいがあります。
 物語は、絵本ではおなじみ繰り返しパターンですが、関西弁だと物語がゆーったりと進んで、出会った動物たちの答えがちょっとずつ違って味わいがあります。
 この繰り返しパターンの行きつくところ、意外な展開でクマは自分の帽子を見つけるのですが、今度は動物たちがあるものを探し始めて、また繰り返しパターンが始まりそうな予感がしたところで物語が途切れます。


 パターンの繰り返しと意外な結末で、お子さんに読み聞かせたら大人気になりそうな絵本ですが、是非ネイディブ関西弁ニストに読み聞かせてもらいたい一冊です。