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絵本紹介(71) 雨ニモマケズ Rain Won't2014年02月23日 23:22

題名   : 雨ニモマケズ Rain Won't
文    : 宮沢賢治
絵    : 山村浩二
英訳   : アーサー ビナード

 本日ご紹介する絵本は、昨年11月に発行されたばかりの新しい本で、日本で出版された宮沢賢治の代表作「雨ニモマケズ」の英訳絵本です。
 詩の節に添ってページいっぱいに描かれたどこか懐かしい里山風景と英訳の詩。その下には元の賢治の詩が記されているので、原文、英訳、イメージの世界を一緒に楽しむことができます。

 雨ニモマケズ 風ニモマケズ
 Rain won't stop me. Wind won't stop me.

雪ニモ
 Neither will driving snow.



夏ノ暑サニモマケヌ
 Swelterning summer heat will only raise my determination.


 サウイフモノニ ワタシハ ナリタイ
 All this is my goal - the person I want tobecome.

 英訳者のアーサー ビナートさんはあとがきで「「雨ニモマケズ」は、日本語で書かれているため、つい「日本」が舞台だと思い込む。」という趣旨の発言をしています。
 えっ、日本が舞台じゃなかったの?と思って続きを読んでみると、宮沢賢治が生きた頃と今では、景色もヒトの生活もまるで別の国という意味のようです。

 言われてみれば、賢治の頃はあたりまえだった里山の風景はほとんど破壊されてしまい、かつて日本人の大半が農業を生業としたのに、今は農家さん超高齢化が進む。
 「雨ニモマケズ」の情景は、すっかり昔ばなし、物語の中だけの話になってしまったんですね。

 でも改めて今宮沢賢治の詩を読むと、人生で大切なことは昔も今も実は変わっていなくて、つつましくても幸せになれることに気づかされますね。
 原子力村の皆さんも、どうか気づいて。