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黒潮に乗った鰹節2014年01月08日 23:55

 お正月に見るとはなしに見ていたTV番組のなかで、個人的に興味をそそられた話がありました。
 それはNHKでやっていた「大航海めし」とかいう、TOKIOがレポーター役で今昔の航海中に船の中で食べられてきた食事を紹介する番組。

 その中で、本題とは離れた話ですが、インド洋の島国モルディブでは昔からカツオがたくさん採れて、漁師たちは紀元前からそのカツオを700km離れたセイロン(スリランカ)まで小さな帆船で売りに出かけていたことが紹介されました。その貿易の際に、カツオが腐らないようにボイルしてさらに煙でいぶして保存性を高めて運んでいたそうです。

 それって、もろに生節ですよね。
 と、いうことは、もしかして鰹節ってモルディブあたりで生まれて、それがインドネシア、フィリピンあたりに伝わって、そこから黒潮に乗って日本に伝わってきたのでは?

 日本の鰹節の産地って、枕崎、土佐、焼津、鴨川と、ずっと黒潮の流れに沿っていますよね。もし南方から伝わってきたなら、沖縄でも昔は鰹節作っていたのかも。

 ついでに、前から思っていたのですが、いわゆるさつま揚げも似たルートで日本に伝わったのではないでしょうか?
 沖縄ではかまぼこ、鹿児島ではつけあげ、高知ではてんぷらと呼ばれていますが、どれも魚のすり身を油で揚げた食べ物。
 そのまま東に流れて小田原に流れ着くとなぜか油で揚げないかまぼこになって、仙台では軽く焼いた笹かまぼこ。

 鰹節もさつま揚げも、きっとフィリピンあたりのどこかに、同じような食べ物があるのではないでしょうか。今度ちゃんと調べてみよう。
 
 和食の専売特許みたいに思ってきた鰹節が、じつは遠く離れた南の島生まれなのかもしれない。お正月にだけ食卓に上る鈴廣の高級かまぼこは、ご先祖様がフィリピン生まれかもしれない。
 会ったこともない人々の文化が、自分たちの生活と密接にかかわっている予感。大昔小さな船で西から黒潮に乗ってやってきた人びとのことを想うと、なんかワクワクしてしまいます。

 あれっ、鰹節もさつま揚げも常識? そんなの当たり前?
 済みません、先日やっと気づきました。