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絵本紹介(53) おおきいツリー ちいさいツリー2013年12月14日 23:48

題名     : おおきいツリー ちいさいツリー
文      : ロバート・バリー
絵      : ロバート・バリー
訳      : 光吉夏弥
出版社   : 大日本図書

  だいぶ寒くなって、いよいよ今年もあとわずか。街の中のクリスマスムードも高まってきている様ですね。
  今日も引き続きクリスマスに関係した絵本で、クリスマスのお祝いに欠かせないクリスマスツリーが出てくるお話です。

 クリスマスが待ち遠しいのは大金持ちも一緒(たぶん)。お金持ちのウィピローさんのお屋敷に待ちに待った特大クリスマスツリーが届きます。


ウィピローさんさっそく居間に飾らせますが、おしい!大きすぎて頭が少し天井につっかえてしまいました。


 そこでウィピローさんは執事に命じてクリスマスツリーの先を少し切り取りました。これでツリーは居間にすっきり収まりました。


 執事は切り取ったツリーの先を小間使いのアデレードにあげたところ、アデレードは大喜び。でも部屋に立てるにはちょっと背が高いので、小間使いもツリーの先をちょっと切って、ゴミ置き場に捨ててしまいました。


 ゴミ置き場にかわいいツリーが捨てられているのを見た庭師のチムは、ツリーを家に持ち帰りましたが、おくさんは「うちみたいな狭い家にはちょっと大きいわ。」と言ってツリーの先っちょを切り落として、窓の外に捨ててしまいました。



すると通りかかったクマのバーナビがそのツリーを巣穴に持ち帰ったのですが、穴の天井にツリーが当たって星が飾れないので、先端を少しきって、巣穴の外に放り投げました。


 もうお分かりですね。
 童話でよくある繰り返しのパターンを持ったお話です。

 この後クマが捨てたツリーの先をキツネが持ち帰ってまた先をカットして、そのつりーの先をウサギが拾ってまた先をちょっと切り落とし、最後に小さくなったクリスマスツリーをネズミが大事に持ち帰って、あたたかい部屋でチーズの星を飾って家族でお祝いします。

 次々に小さくなっていくのがクリスマスツリーであるところ、なるほど先を切っても切っても相似形で、小さくなってもクリスマスツリーの形は保たれるので、よく考えられてるなーと感心させられました。
 1本のクリスマスツリーが、ふとしたことからお金持ちからネズミの家族までクリスマスを楽しくしてくれるなんて、素敵な話です。

 でも待てよ。
 お金持ちや大きい生きものの余り物が降りてきて、下流が幸せになるっていう話だとすると。。。格差社会かぁ?
 いやいやいや、クリスマスくらいそんなこと忘れましょう。年末ジャンボを信じて。