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絵本紹介(41) あくたれラルフ2013年10月20日 16:50

題名  : あくたれラルフ
文    : ジャック・ガントス
絵    : ニコール・ルーベル
訳    : いしい ももこ
出版社 : 童話館出版

 今日ご紹介する絵本は、恐ろしく自分勝手で、ひどいいたずらをする、不細工なネコが主人公の物語ですが、なぜか憎めない。何回か見返すと可愛ささえ見つけてしまう、そんな不思議な魅力の絵本です。

 優しい女の子セイラにはラルフというあくたれねこがいました。あくたれでも、セイラはラルフが好きでした。
 どれくらいあくたれかと言うと、セイラがブランコに乗っていると、ブランコがぶら下がっている枝を切ってしまったり、セイラが友達と開いたパーティーで用意したクッキーを、みんな一口ずつ食べて台無しにしてしまったり。お父さんのスリッパをはいてお父さんの大事にしているパイプでシャボン玉を吹いたり、お母さんが大切に育てている鳥を追い回したり。それはそれはとんでもないあくたれです。



 ある晩みんなでサーカスを見に行くと、ラルフが空中ブランコで綱渡りを邪魔したり、馬に乗って像を脅かしたり、ひどいいたずらをしたので、とうとうお父さんが怒って、ラルフをサーカスにおきざりにしてしまいます。


 仕方なくサーカスで働くラルフでしたが、あまりにこき使われるので、サーカスを逃げ出してゴミ捨て場で寝るうちに、病気になってしまいました。


 でもゴミ箱の上で心細くしていたラルフを、セイラが探しに来てくれて、「あたし、いまでもあんたが、大好きなのよ!」と家に連れて帰ってくれました。


 家ではお父さん、お母さんもラルフの帰りをとても喜んでくれて、それからラルフはすっかり心を入れ替えて、とても良い猫になりました。



 と、いうのはうそ。
 ラルフはラルフ。あくたれは簡単には治りません。


 そうこなくっちゃ!
 へこたれないラルフ、好きだなぁ。