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蝉は7年。実はあやしい。2013年08月02日 21:14

 昨晩、犬を連れて近くの公園を散歩していたら、今年初めて蝉の幼虫と出会いました。

 土から這い出てきて、人通りが多いアスファルトの歩道をホフク前進中の2匹を発見。夜でも人通りが結構あるので、そのままで踏まれてはかわいそうと思い、拾い上げて近くの木の幹につかまらせると、2匹ともお礼も言わず(言ったら怖いけど)上を目指して夢中で登って行きました。

 しばらく幼虫の後ろ姿を見送っていたら、木の上から何かが地面にドサッ。なんだろうと見ると、羽根が薄い緑色の羽化したてのアブラゼミが、地面でもがいています。
 そのままでは力尽きそうなので、こいつも拾い上げて木の幹につかまらせました。
羽化したばかりの蝉

 7年間、土の中でご苦労さんと声をかけつつ、待てよ、アブラゼミって本当に土の中7年だっけと不安になって、帰ってさっそくネットで調べてみました。
 そうしたら、実はアブラゼミはだいたい3年か4年で、長くても5年で成虫になるという記述が。自分で蝉の幼虫を飼育して羽化させた方がホームページで観察データを発表されているので、かなり信憑性が高いと思います。(蝉雑記帳http://www003.upp.so-net.ne.jp/cicada)蝉の幼虫って、飼育できるんですね。これもビックリ。

 子供の頃から、蝉は土の中で7年間と刷り込まれて、昨日まで全く疑わずにいました。しかも、一応「動物学教室」というところを卒業しているのですが、講義でもそんな話は聞いたことありませんでした。(もっともサボってばかりでしたが) 子供にも、得意になって「蝉は7年も土の中で過ごすんだぞ」で通してしまったので、かなりショックです。

 思い込みって、怖いですね。
 なんでも、これが最高とか、全部わかったと思わずに、「でも本当かな?」と疑ってみないと、進歩しませんね。

 余談ですが、学生時代セミを解剖しました。そしたら、あの大きなおなかには細い消化管と隅っこに生殖器(卵巣か精巣)くらいしか入っていなくて、ほとんどからっぽでした。多分、からっぽのお腹は鳴き声を大きく反響させるのに役立っているんじゃないかと思っていますが、思い込んじゃいけませんよね。後で調べなきゃ。 でもあの時は、成虫は子孫を残すためだけの、きわめて合理的な体型なんだなぁと感心したことを思い出しました。