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絵本紹介(8)2013年06月28日 22:10

  題名 : やまのかいしゃ
  文   : スズキ コージ
  絵   : 片山 健

 今日は、今とーってもに仕事頑張っている方に、昔少しだけ頑張ったことのある私から、この絵本を紹介します。

 主人公はほげたさんというサラリーマンのおじさん。
 でもこのおじさん、朝ちっとも起きられなくて、いつも遅刻してあわてて会社に飛び出して行きます。

 今日も昼過ぎに家を飛び出して、駅で、来た電車に飛び乗りました。
 よく見ると、靴はトイレのスリッパ。いつも架けているメガネがなくて、カバンも忘れてきました。
 それでも気を取り直して奥さんが握ってくれたおにぎりをほおばると、なかから腕時計が出てくるありさま。

 でも、それよりもっとおかしなことが。
 まどの外の景色がだんだん緑濃くなって行くのです。
 電車が着いたのは会社のある都会の駅ではなくて、終点の山の駅。ほげたさんは仕方なく、今日は「やまのかいしゃ」に行くことにしました。

 (え? 普通もどるでしょ。 それに普通山に会社は無いし。)

 でもほげたさんは構わず山にずんずん入っていきます。するとあわてて会社に向かう同僚のほいさくんと出会います。

 (なんで?なんで山で同僚と会うの?なんでほいさくんはこんなに遅く会社に行こうとしてるの?)

 ほげたさんが「やまのかいしゃ」に向かうことを知ったほいさくんも喜んで付いてきて、ふたりは山の頂上が「やまのかいしゃに」ちがいないと仕事を始めます。

 (いったいなんの仕事さ? どうやってやるのさ?)

 「やまのかいしゃ」があんまり空気がよくて気持ち良いので、ほげたさんは都会の会社に電話して、みんなでやまのかいしゃにおいでよと誘うと、本当に社長さんがみんなを連れてやまのかいしゃにやってきてしまいます。

 (ありえないでしょー! でもいいなー。)

 と、突っ込みどころ満載のお話なのですが、なんかいいなーとうらやましくなってしまいます。

 私もなにを隠そう現役のサラリーマン。かつては肩をギンギンに怒らせて、寝食忘れて働くことを美しいと感じていた時期がありました。でもある時やーめたと放り出してみたら、昨日と何も変わらず世界は回って、とても気楽に人生を楽しめるようになりました。

 まだまだほげたさんの域には達していませんが、空気のおいしいやまのかいしゃなら、なまけものの私でも働いてみたい気がします。

 いますごく仕事をがんばっていっぱいいっぱいになっている人がいたら、たまにはいつもの朝と反対行の電車に乗って、おいしい空気をすってみるのも損なことじゃないと思いますよ。

 それで、おいしい空気は独り占めしないで、「社長。Youもきちゃいなよ!」とか電話して誘ってあげましょう。

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