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開店準備(3)(裏原食べログ(1))2013年05月25日 23:00

 今日は家の中で使われずに眠っていた食器や調理器具を段ボール箱や紙袋に詰めてお店まで運びました。わたしと店主その2のUshiさんと二人では手がたりないので、アルバイトまで時間があるということで珍しく家にいた子供の手も借りて。

 持参した物の中にはUshiさん所蔵のお茶道具もあったので、少し落ち着いたらお客さんに抹茶が振舞われるかもしれません。
 抹茶の飲める絵本屋って、なんか渋いですね。

 お店ではわたしは仕入れたまま放置していた絵本のデーターベース登録を、Ushiさんと子供は看板作りをそれぞれ頑張りましたが、なかなか思ったようにはかどりませんでした。

 子供には手伝ってもらったお礼に昼飯をご馳走することに。
 奮発して、前に一度入ったことのある原宿通り奥の「鉄板焼きステーキあずま」というお店に入りました。
 ここのランチで出てきたホタテうにソース、絶品でした。
 鮮度の良いホタテを軽く焼いて、生クリームにうにを加えて少し火を通したソースをからめて食べるのですが、とろけるようなホタテの身にうにソースの程よい塩味とうまみが加わって、ホタテのあまさを強く引き立てていました。以前暮らした札幌では鮮度の良いホタテを食べる機会がずいぶんありましたが、今日はいままで気づかなかったホタテの違うおいしさに出会えたような幸せな気分になれました。

 夕方、家で看板犬たちがおなかをすかせて待っている時間になったので、作業はまた明日にして店をあとにしました。

開店準備(4)2013年05月26日 11:05

 今日もお店に「出勤」しています。

 だいたいいつもJR原宿駅竹下口から裏原宿のお店にやってきます。
 早朝や夜間でないと竹下通りはすごい人ごみでまともには歩けないので、竹下通りより一本北側の住宅街を下って東郷神社の境内を通り抜けてSECOM本社前の横断歩道を使っています。
 今日は東郷神社で結婚式を挙げるカップルがおいでの様で、本殿前で親族集合写真の撮影中でした。

 もうとっくになくなってしまいましたが、私の生家は竹下通りにありました。

 生家には裏庭があってそこから土手をよじ登ればそこはもう東郷神社境内。今は日本庭園風に整えられた境内の池は、全然整備されていない悪ガキ好みのワイルドな遊びスポットで、東郷記念館も中之島まで架けられた橋も存在せず、島に行くには池のところどころに顔を出した石を飛んで渡るしか手段はありませんでした。
 幼かった私は何度挑戦してもしくじって池に落ち、年長の悪ガキの成功を濡れたパンツのまま羨望の目で見つめていました。

 ある夏何かの事情で池の水が干上がって底の泥が顔を表して、私はそこに河童の足跡を見つけました。
 と言うか、手のひらくらいの大きさで水かきみたいな足跡が中之島に向かって転々とあったので、河童に違いないと信じ込んだのです。(家族の誰に話しても受け入れてもらえませんでしたが) 
 東郷神社の森とそこから続く隣の社会事業大学の森は深く、子供にとっては大密林で、河童もクマも、幽霊だっていても全然不思議ではない神聖な場所でした。(クマと幽霊の目撃談はまた後日)
 足跡目撃以来池に遊びに行くたびに、どこかに潜む河童を探しましたが、それから一度も手がかりすら見つけられませんでした。

 東郷神社の池を見ると、あの時やっぱり河童はいたんじゃないかと今でも息を殺してあたりを見回してしまいます。

初めての。。。2013年05月26日 16:42

 今日2度目のブログアップになりますが、人生初めて「美容室」(って呼ばないのかな?いまは。)で髪を切ってもらった興奮冷めやらずで書き始めました。

 開店準備中の絵本と雑貨の店「あぷりこっとつりー」は裏原宿という場所柄、周りに美容室(カットハウス?)がたくさんあります。
 どれくらいたくさんかと言うと、今朝のブログで報告したように、原宿駅からお店まで、比較的人通りの少ない道を選んで通勤するのに、その間に11軒のお店を数えます。

 そして、お向かいさんは「COR」という美容室。
 本格的に開店準備を始めたゴールデンウィークのころから観察していると、なんかスタッフさんが若いけど感じがよさそうで、メンズのお客さんも結構出入りしていたので、ここはひとつお近づきに入ってみようかなとひそかに思っていました。

 でもでも、いままで床屋(しかも比較的すいている昔ながらのお店)にしか言ったことがなくて、しかもちょっと髪が伸びてくるとはねた前髪を剃刀で1cm位じょりじょりっと切ってしまうような外観無頓着のメタボおやじが、天下の原宿の美容室に足を踏み入れてよいのか!だめだろう!と高すぎるハードルに悩んできました。

 ところがUshiさんから、「今日はCORさん比較的すいていそうよ」との偵察情報。まずはUshiさんに斥候にいってもらったところ、1時間半くらいでとてもさっぱりしていい感じのショートカットになって帰館。で、「オジサンでもOKだって。」と頼もしいレポート。

 これは今こそ踏み出さねばと、とうとう懸案の美容室デビューを果たしたのでした。

 担当してくれたスタイリストの堀井さん。30代前半のイケメンで、ぐちゃぐちゃにはねたオジサンの頭に真剣に取り組んでくれて、「そうそうこういう仕上がりを待っていたんだ!」と膝を打ちたくなるようなすっきりした頭に整えてくれました。
 床屋さんより値段はずっと張るけど、やっぱり伊達に競争の激しい原宿で生き抜いていないなーと感じさせてくれるプロのお仕事でした。

 ご近所の若い人と知り合いになれて、また楽しみが増えました。

絵本紹介(1)2013年05月27日 20:51

 絵本屋のおやじになろうとしている割には、今まで絵本についてなにも書いて来ませんでした。
 反省してたまには心にとまった絵本を紹介してみたいと思います。

 まず最初にわたしにとって忘れられない絵本から。

 それは「かわせみのマルタン」(文 リダ・フォシェ、絵 フェードル・ロジャンコフスキー、訳 いしい ももこ  童話館出版)という題名の絵本で、たぶん4歳くらいの頃に母親から読み聞かせてもらって、ずっと記憶に残っている一冊です。

 こうして年をとってから改めてこの絵本を探して読み返してみると、決して子供向きとは言えない、むしろ本格的な観察記と言った方が良いような中身で、とにかく自然の描写が細やかで、上品で、美しい文章が特徴です。
 とても緻密な挿絵は、モノトーンとカラーが混在していて、それゆえカラーの挿絵ははっとするインパクトをもたらしてくれます。
 この細部までこだわった丁寧なつくりが、まだ4歳だったわたしの心にも強い印象を残したのでしょう。

 絵本の前半は美しい自然に囲まれた清流に暮らす様々な生きものにスポットをあてつつ、ある日マルタンという青い宝石が舞い込んで来たとことから物語は始まります。
 マルタンはやがてマルチーヌというパートナーと恋をして、巣をつくり、子を育てます。 冬になって川が凍り付くとマルタンたちは南に渡り、春にはまた戻ってきます。
 こうして6年の歳月が流れたころ、マルタンは病気にかかります。必死に寄り添うマルチーヌの願いは届かず、ある日とうとうマルタンは動かなくなり、それを追いかけるようにマルチーヌも数日後になくなります。
 主のいなくなってしまった渓流には静寂が戻りますが、ある日その静寂を切り裂くように、二羽の青い稲妻が羽音を立てて飛び込んで来ます。マルタンとマルチーヌの子供たちがつがいになって故郷に帰ってきたのです。

 私は幼いながらにこの物語から命の終わりと命のつながりを感じ取ったように思います。
 
 マルタン夫婦の話を縦軸とすると、この絵本では横軸に渓流に暮らす大小様々な生きものたちの日々の命のやり取りが描かれています。

 作者自身も命のリサイクルの中に身をゆだね、冷静な視線で自然を見つめているとても素晴らしい作品だと思います。

絵本紹介(2)2013年05月28日 18:42

  タイトル : ねえ、どれがいい?
  文  : ジョン・バーニンガム
  絵  : ジョン・バーニンガム
  訳  : まつかわ まゆみ
  出版社: 評論社

 
  今日も昨日に引き続き絵本の紹介をします。
 例えば会社でちょっと残念なことがあったとき笑える絵本を。

 内容は、小さな男の子がひたすら「ねえ、どれがいい?」とつぎつぎ選択肢をあげて質問してくることの繰り返しです。
 でもその選択肢が実に突拍子もないのです。

 例えば、

 二千円でトゲのあるいばらに飛び込むのと、一万円で死んだかえるをのみこむのと、二万円でお化けやしきにとまるのと、どれがいい? 
 とか、

 ねえ、どれがいい? へびにまかれるのと、魚にのまれるのと、わにに食べられるのと、さいにつぶされるのとさ。 
 とか、

 どれも選びたくないけど、思わず笑っちゃう選択肢で、ついつい「どうしてもと迫られたらこれかな」、なんて真剣に考えてしまう自分がいます。

 つぎつぎ投げかけられるむちゃくちゃな質問に迷いながら進んでいくうちに、へこんでいたことなどなんかもうどうでもよくなって、「まっ、へびのジュースを飲まされるよりはましかー。」なんて、妙に元気が出てしまいます。

 ジョン・バーニンガムのとぼけた絵が、質問の面白さをさらに引き立てて、このユーモアは大人こそわかって欲しい一冊です。

 でも突きつけられる苦渋の選択肢がうれしくなっちゃうのは、ひょっとしてMっ気のせい?