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飲めないわけ2013年07月06日 11:51

 以前にこのブログで書きましたが、わたしはお酒類がまったく飲めません。
 ビールならコップ一杯で顔は真っ赤、心臓バクバクの後、強烈な睡魔に襲われ、それも過ぎるとひどい頭痛に悩まされます。

 父親は大酒飲みで、普段の日でも晩酌にビール大瓶3本、水割り3杯、休日にはその倍くらい飲んでいたのに、息子の私が全然飲めないのは不思議でした。

 なんでこんなに飲めないのか?
 理由はアルコールの分解にかかわる遺伝子にありました。
 
 数年前にアルコール依存になりやすい体質かどうか調べる遺伝子検査のモルモットになったことがあります。戻ってきたのは、アルコールが分解されてできるアルデヒドという物質を分解する酵素の活性がほとんど無いことを示す結果。
 アルデヒドは、体にとって毒性があって、悪酔いの原因になっています。このアルデヒドを早く分解しないと、私の様に顔が真っ赤で心臓バクバク、しまいに頭痛になってしまうようです。だからアルコールを飲むといつも気分が悪くなるので、どう間違ってもアルコール依存にはならないそうです。
 
 遺伝子には父親からもらったものと母親からもらったものとがペアーであるのですが、私は父親由来も母親由来も、どちらも酵素の活性が無い遺伝子。こういうタイプは「ホモ」と呼ばれます。

 昔はお酒があまり飲めなかったけど、訓練したら飲めるようになった、けれど酔っ払いやすい方は、父親由来か母親由来のどちらか片方が酵素の活性をしっかりと持った遺伝子で、「ヘテロ」と呼ばれるタイプです。
 
 よく顔色一つ変えずにどんどん飲めちゃう、わたしから見たら神みたいな方がいますが、こういう方はたぶん父親由来も母親由来もどちらも活性が強い酵素の遺伝子で、「ワイルド」タイプと呼ばれます。欧米人はほとんどがこのタイプだそうです。
 お酒に強いのは良いのですが、アルコールの依存症になる方にはワイルドタイプが多いそうですのでご注意ください。

 ところで、最近アメリカの有名女優が遺伝子検査の結果を重く見て、将来乳がんになるリスクを減らす為、まだ正常な乳房な切除に踏み切ったことで、今遺伝子検査が結構話題になっていますよね。

 ちょっと必要があって、アメリカではどんな遺伝子検査サービスがあるのかつい先日調べてみたのですが、非常にはやっている23andMe(トゥエンティースリーアンドミー)社のサービスでは、たった$99でいろいろな病気(例えば癌、リウマチ、アルツハイマー)になるリスクや、自分の体質(巻き毛、髪の色、瞳の色、背が高い低い)など250項目も調べてくれるそうです。

 で、おもしろいなと思ったのが、23andMeで遺伝子検査をして結果を登録している人の中から、自分の親戚かもしれない人を探してくれるサービスや、自分の祖先がどこからやってきたのか教えてくれるサービスがあること。
 さすが多民族が集まっているアメリカらしいですよね。
 日本人だとせいぜい父は東北、母は九州の出くらいでしょうが、殆どの人がこの200年でよそから入ってきたアメリカでは、自分のアイデンティティとかルーツとか、とても大事で知りたいことなんでしょうね。

 でも、ある日いきなり「あんたのひいひいひいひいおばあちゃんと、おいらのひいひいひいひいじいちゃんが兄妹だったジョージだけど。」とか電話がかかってきたら、どうします?

裏原食べログ(3) 怖い伊武雅刀2013年07月01日 22:27

 ここのところ家事に仕事に店にと、八面六臂の大活躍のUshiさん。

 昨日はさすがにお疲れで、ちょうど子供も店で合流したので、このまま原宿で夕飯済ませて帰ろう!ということになりました。

 お酒が全く飲めない私が一緒なので、食事は即ち空腹を満たす手段。昔よく行った竹下通り出口近くの「龍の子」のラーメンを目指してみましたが、あいにく日曜定休日。あーぁ、大好きな春巻き食べそこなった。

 当てにしていたお店に振られて、原宿通りを千駄ヶ谷方面にふらふら歩いて行くと、昔杉野写真館があった角につながる路地に赤ちょうちんがポツリ。 「中国家庭料理 東坡(トンポー)」という看板も出ています。

 店構えが普通の中華屋さんとちょっと違うけど、元々中華を食べに行くつもりだったので、深く考えずに暖簾をくぐりました。(ん。そういえば中華屋さんに暖簾?)

 あれ?なんか変。
 縄のれんみたいなカウンターオンリーの細長い店舗に、スキンヘッドでギョロ目の、伊武雅刀をいかつくしたような親父さんが一人。 奥には常連客っぽい飲み客二人。

 親父さんから渡されたメニューを開いて、定食とか丼ものとか麺とかを探しましたが、いくら見ても、ひっくり返しても一品の皿料理ばかりで、しかもどれも\2,000から上の値段がついています。
 隣に座ったUshiさんも一瞬息を飲んで、メニューを散々開いて閉じて裏返してかじって。

 明らかにお店のミスチョイス。背中を冷や汗がタラー。

 よっぽど「やっぱやめます」と店を出たかったのですが、他に行くあてないし、おなかは空いたし、親父さん怖そうだし。
 結局予算オーバーは覚悟して、3人で料理を一皿ずつ頼んで、あとはライスを貰うことにしました。

 最初に登場の料理は「冷製ナスのサラダ」。
 さっと茹でて冷やしたナスと、細かく刻んでゴマ油で炒めたネギに、秘密のうまみが混じったソースをからめた単純な料理だったのですが、これが初めての味で、うまい!
 オイリーなのにさっぱりしていて、ちょっと濃いめの塩味もあって、私はすでにこのおかずだけで丼ごはんの半分を消費。

 続いて出てきたのは「ゲソニラ炒め」。
 文字通りイカのゲソとニラの炒め物ですが、親父さんが調理する手元を見ていたら、ゲソの先の方とかいらない部分を惜しげもなく切り捨ててて、老酒を振りかけながら強火で炒めていました。
 そのためか、食べてみるとイカを使った炒め物にありがち強烈なイカ味が抑えられて、ニラのうまみとイカのうまみと両方が助け合って、やっぱり、うまい!この皿もごはんがいけるいける。

 最後は「ジャガイモとセロリの炒め物」。
 千切りのセロリとジャガイモを、シャキシャキ感がなくならない程度に、軽くしょうゆ味でさっと炒めてありました。
 これもさっぱりしていける! 
 すでにご飯を食べつくしてしまっていた私は、思わずごはんおかわり。

 結局よその中華屋さんで食べたことの無い、家庭的な料理を楽しむことができました。
 あとでネットで調べたら、麻婆豆腐が辛いことで有名なお店らしいのですが、麻婆豆腐以外の料理もいけそうですよ。

 それに、「ゲソニラ炒め」と「ジャガイモセロリ」は、飲み客の分と一緒に調理して、飲み客の皿よりも私たちの皿に少し多めに盛り付けてくれた親父さん。顔は怖いけど案外いい人なんですねぇ。

 でも、値段はちょっと取りすぎでしょう。 3人で¥6,800は痛かった。

裏原食べログ(2) わんこ店長2013年06月07日 15:08

 お店のオープンを6月15日土曜日にしようと決めました。

 でもまだ準備が間に合っていなくて、すごいプレッシャーです。

 とりあえず今日は午前中お店で使う包装紙や買い物バッグを仕入れて、Ushiさんと二人でお店まで運んできました。

 いままでお客の立場で品物を包んでもらう包装紙やバッグにあまり注意を払ってきませんでしたが、いざ自分がお客様に提供しようと思うと、品のいいものにしたいけれど、いいものは高いし、悩ましい決断しなければなりません。
 自分で決めて行くって、楽しいけれど難しいですね。

 お店に出勤してからは、そーだショップカード作らなきゃ!と慌ててデザイン話し合って、やっつけで発注かけた途端、「あっ、絵本屋って入れ忘れた!」 痛恨のミスです。

 そんなこんなでお昼に出るのが遅くなったのですが、裏原探検を兼ねて今日は表参道方向にぶらぶら歩いてみました。

 キャットストリートより1本西側(明治通り寄り)の道を歩いていると、ちょっと枝道の奥にUshiさんが目ざとくランチの看板発見。
 おいしそうなカレーの写真に惹かれて外階段でビルの3階まで登ってみると、こじんまりしてシンプルでしゃれたカフェが。

 お店の名前は sw11Kitchen (www.sw11.biz)

 カウンターの向こう側にはちょうど私たちと似たような世代のご夫婦。(違うのは私たちよりずっとあか抜けておしゃれなお二人だった点ですが。)ハーブガーデンを兼ねたバルコニー席もあって、3階なのに開放感があります。

 そしてカウンターの横にはワイヤーヘアード・フォックス・テリア(たぶん)のわんこ店長が鎮座。ヒト大好きな店長で、撫でてあげると目を細めてうっとりと身を預けてくれました。

 料理は、ちょっと期待しながら私がココナツクリームのチキンカレー、Ushiさんが春玉ねぎと鶏肉のパスタを頼んだのですが、期待を裏切らずにgood! 
 ココナツクリームのカレーは、甘くなりすぎないようにトマトとたぶんレモン果汁で酸味を付けてさっぱり柔らかな味わいに。シャキシャキ感を残した玉ねぎとよく合いました。
 パスタソースも(Ushiさんの分をかすめ取って試してみたところ)クリームスープベースにチーズとクルミの香ばしい味が加わって、今まで味わったことの無い初めてのおいしさでした。

 帰り際、わんこ店長と遊びながらお店のご夫婦に、今度近くで絵本屋始めますと話してみると、とても興味を示して下さって、ショップカードができたら置いてあげるからとありがたいご支援の言葉をいただきました。
 今のところ、この街で出会った皆さん結構優しくて、なんとなく昔の商店街みたいな暖かさを感じます。

 勤め人をしていると、ビジネスプランとかストラテジーとかシナジー効果とか、一見かっこいい、でもよくわからない横文字が機関銃のように飛び交うこの頃ですが、どうも馴染めなくて首をかしげてしまいます。

 やっぱり顔の見える人と人のお付き合いが、好きです。

 お店を出ると、別れを惜しんだわんこ店長が、バルコニーから顔を出していつまでも見送ってくれました。

 また来るね。

開店準備(3)(裏原食べログ(1))2013年05月25日 23:00

 今日は家の中で使われずに眠っていた食器や調理器具を段ボール箱や紙袋に詰めてお店まで運びました。わたしと店主その2のUshiさんと二人では手がたりないので、アルバイトまで時間があるということで珍しく家にいた子供の手も借りて。

 持参した物の中にはUshiさん所蔵のお茶道具もあったので、少し落ち着いたらお客さんに抹茶が振舞われるかもしれません。
 抹茶の飲める絵本屋って、なんか渋いですね。

 お店ではわたしは仕入れたまま放置していた絵本のデーターベース登録を、Ushiさんと子供は看板作りをそれぞれ頑張りましたが、なかなか思ったようにはかどりませんでした。

 子供には手伝ってもらったお礼に昼飯をご馳走することに。
 奮発して、前に一度入ったことのある原宿通り奥の「鉄板焼きステーキあずま」というお店に入りました。
 ここのランチで出てきたホタテうにソース、絶品でした。
 鮮度の良いホタテを軽く焼いて、生クリームにうにを加えて少し火を通したソースをからめて食べるのですが、とろけるようなホタテの身にうにソースの程よい塩味とうまみが加わって、ホタテのあまさを強く引き立てていました。以前暮らした札幌では鮮度の良いホタテを食べる機会がずいぶんありましたが、今日はいままで気づかなかったホタテの違うおいしさに出会えたような幸せな気分になれました。

 夕方、家で看板犬たちがおなかをすかせて待っている時間になったので、作業はまた明日にして店をあとにしました。