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絵本紹介(257) てぶくろがいっぱい2016年01月24日 22:49

題名   : てぶくろがいっぱい
文     : フローレンス スロボドキン
絵     : ルイス スロボトキン
訳     : 三原 泉
発行所  : 偕成社

  子供の頃雪国暮らしの経験がある方は、きっとこの絵本に共感して下さるでしょう。今日ご紹介する絵本は、双子の男の子が雪の中で赤い手袋を無くしてしまったところからお話が始まります。手袋はやがて見つかるのですが、あれあれ。なんだか無くした分よりずっとずっと多く見つかったようですよ。寒いけど楽しい冬のお話です。


 ネッドとドニーという双子の男の子が、旅行に出かけた両親の留守中、お婆ちゃんと一緒に過ごしていました。

   ある日、ドニーが手袋をはめようとしたら、片方がありません。きっと昨日遊んだジェイニーの家の庭に忘れて来たのです。ネッドとドニーは早速ジェイニーの家の庭を二人で探しましたが手袋は見つかりませんでした。


 でもしばらくすると、ジェイニーがネッドとドニーの家まで手袋を届けに来てくれました。ジェイニーのお母さんが見つけてくれたのです。


 お婆ちゃんは見つかってよかったと言って、もう無くさないように手袋を上着の袖に縫い付けてくれました。

 ところが、次の日になってお隣のブラウンさんが、ドニーが手袋を無くしたことを知って、見つけた手袋を届けてくれました。

 ブラウンさんだけではありません。ネッドとドニーの学校の先生も、郵便屋さんも、牛乳屋さんも、ゴミ集めのトムさんも、お店屋のオジサンも、みんなドニーが手袋を無くした噂を聞いて、見つけた手袋を渡してくれました。


   手袋は、あっという間に10個に増えてしまいました。
 その後も、誰かが手袋を見つけると家まで届けに来てくれて、手袋は益々増えて行きます。


 おまけに旅行から帰って来たおかあさんがお土産で買ってきてくれたのも手袋。。。

 さて、こんなにたくさんの手袋、一体どうしたらいいのでしょう?
 実はネッドがいいことを思いつくんです。
 さて、そのいいこととは?

 子供の頃、雪の中で夢中で遊んでいて、何度も手袋を無くしました。
片方無くさないように左右の手袋を毛糸の紐でつないで、袖の中に紐を通してはめたりさせられましたが、それでも今度は両方とも無くしてしまう。親にしたら困った悪ガキだったのでしょう。
 誰かが無くした手袋は、春になると雪の下から氷漬けになって良く見つかりましたが、もう泥と水でぐしゃぐしゃで使い物になりませんでした。このお話を読んでそんな記憶が甦って来ました。

   国会でさかんに「記憶を確認したい」とおっしゃってる大臣さんも、たまには絵本読んで思い出して下さいね。