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絵本紹介(249) オオカミのおうさま2015年12月17日 23:59

題名   : オオカミのおうさま
文     : きむらゆういち
絵     : 田島征三
発行所  : 偕成社

 今日ご紹介する絵本はシンプルなお話しと、ページからはみ出しそうな力強い絵が絡み合って、個人的には絵本らしい絵本だなぁと感じる一冊です。「あらしのよるに」のきむらゆういちさんの作品です。

 ものすごくドジなのにエエカッコシイのオオカミがいました。
 オオカミはみんなの前で失敗するのがいやで、一人でいる方が気楽でした。

 ある時、仲間たちの眼を気にしながら丘を登ったオオカミは、てっぺんで足を滑らせて崖から谷底に向かって落っこちてしまいました。

 もうダメだ!と思った直後、崖の途中から突き出た何かに当たって空に向かって跳ね返って、空を飛んでいた何かに当たって落ちて、柔らかい何かの上にドスン。<
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 また仲間に格好悪いところをみられたぁと思ったオオカミは、コソコソと立ち去ろうとしますが、何故か仲間たちは「かっこいー!!」「すげえ~!!」

 えt!? オオカミが周りを見回すと、オオヘビが崖の途中で、ハゲワシが地面で、足元にはオオイノシシがのびていました。

 それに丘のでオオカミが滑ったことに驚いたたくさんのウサギやノブタも地面に転がっています。

 オオカミたちが苦手としていたオオヘビ、ハゲワシ、オオイノシシをいっぺんに片付けて、おまけに沢山の獲物を一度に獲ったことで、オオカミは仲間たちから尊敬されることになってしまい、「ぜひ おいらたちをこぶんにしてください」と迫られてしまいました。

 ひとりが好きなオオカミは丘の上に逃げ出して、「オレについてくるなー」と叫んで手を振りました。

 しかし仲間たちには「オレについてくるかー」と聞こえて、みんなオオカミを追って走り出しました。
 オオカミは必死で逃げましたが、仲間を引き連れて走る姿はかえって他の仲間も呼び寄せてしまい、とうとうたくさんの子分たちに囲まれてしまいました。


 一人でいたいのにみんなのボスに祭り上げられてしまったオオカミ。  果たしてみんなとうまくやっていけるのでしょうか?