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絵本紹介(233) ふまんがあります2015年10月04日 22:38

題名     : ふまんがあります
作      : ヨシタケシンスケ
発行所   : PHP研究所

 大ヒット絵本「りんごかもしれない」のヨシタケシンスケさんの最新絵本のご紹介です。子供はみんな、おとなってズルい!と怒っています。何におこっているのか?ヨシタケさん独自の視点で子供の怒りをとらえて、鋭く切り込み、やんわりと受け流します。その一人突っ込みとボケの妙がお楽しみいただける絵本です。


 わたしは いま おこっている。

 なぜなら、 おとなはいろいろとズルいからだ。
 ちゃんと もんくを いって、ズルいのをやめてもらおう。


 どうして おとなは よるおそくまで おきているのに、 こどもだけ 早くねなくちゃいけないの?

 それはね、大きな声では言えないんだけど、次のクリスマスを前に、サンタクロースの調査員が早く寝る子かどうか、しょっちゅう調べに来ているからなんだ。


 どうして おふろに はいる じかんを おとなが かってに きめちゃうの?

 それはね、早く入らないと謎の生きもの風呂荒しに風呂のお湯を全部使われちゃうからだよ。


 どうして おとうとが わるいのに わたしばかり おこられるの?

 弟の代わりに怒られる優しいお姉ちゃんは、王子様とかにすごく人気なんだよ。


 どうして ふゆは「さむいから」、 なつは「あついから」と いって、 いっしょに そとで あそんでくれないの?

 だって冬はシロクマが、夏はオランウータンが、パパを仲間だと思って連れ去ろうとするんだもの。


 まったく文句をいってもパパにはのらりくらり、ウナギみたいに逃げられちゃいますね。
 この調子で女の子の文句はお父さんにうまく届かないのでしょうか。
 他のもまだまだパパが語るあっとおどろく屁理由(理由にならない理由)がたくさん出て来る楽しい絵本です。
でも、このパパの屁理由を自分も使ってみようなんて不届きな考えはいけませんよ。子供には真摯に向き合わなきゃ。