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絵本紹介(216) せかいでいちばんつよい国2015年08月02日 23:26

題名    : せかいでいちばんつよい国
作     : デビッド マッキー
訳     : 中川 千尋

 世界で一番強い国?そりゃ恐ろしい兵器と強い軍隊を待った国じゃない?いえいえ、そうとも言えないかもしれませんよ。

 むかし、大くて強い軍隊を持った国がありました。
 大きな国の人たちは、自分たちの暮らしが一番素敵だと信じていました。

 我々が世界中を征服して、世界中の人々を幸せにするんだ。大きな国の大統領はそう言っていろいろな国へ戦争に行きます。


 他の国の人々は命がけで戦いましたが、最後は小さな国一つを残して、みな強い国に制服されてしまいました。
 残ったのはとても小さな国でしたが、世界征服を完成させるため、大きな国の大統領と兵隊たちは戦争に出発しました。

 ところが、小さな国には兵隊がいなかったので戦争になりません。
 小さい国の人たちは、大きな国の兵隊たちをお客のように歓迎して、自分たちの家に招きました。


 やがて兵隊たちは小さな国の人たちから、地元の遊びや歌、料理を教えて貰って、小さい国の人たちの仕事を手伝うようになりました。


   怒った大統領は、すっかり小さい国になじんでしまった兵隊を、新しい兵隊と交代させて国に返しました。
 でも新しく来た兵隊たちも、しばらくするとすっかり小さい国の生活になじんでしまいました。

 小さな国は何も抵抗しないので、大統領は少しの兵隊を残して、大部分の兵隊たちと国に帰りました。そして、小さな国から帰った兵隊たちは、小さい国で覚えた遊びや歌や料理を大きな国の中で広め始めました。
 大統領自身も、口ずさむ歌はいつの間にか小さい国の歌ばかりになっていました。

 これぞ本当のおもてなしの国の力、ですね。

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