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絵本紹介(202) 蛙の消滅2015年06月11日 23:59

題名    : 蛙の消滅
作     : 宮澤賢治
画     : 小林敏也
発行所  : パロル舎

 雨の季節に関連して、今回は宮澤賢治の童話で、カエルに例えて人間の業が描かれたちょっと背筋が寒くなるお話をご紹介いたします。


   カンガエル、ブンガエル、ベンガエルの3匹は歳が同じで顔つきも似ている仲良しの三匹でした。
 ある夏の夕方、三匹は花見ならぬ雲見をしていました。


   「この頃、ヘロン(人間)の方ではゴム靴がはやるね。」
 「うん。みんなはいているようだね。」
 「僕たちもほしいもんだな。」
 三匹はヒトが履いているゴム靴に憧れました。

 夜が迫って三匹はそれぞれの家に帰ることにしましたが、途中カンガエルは考えました。そして、以前チフスの時に看病して貸しがあるノネズミを訪ねて、ゴム靴を調達してきてくれるようにと頼みました。

   あくる日、ノネズミは大変な苦労をしてゴム靴を取ってきて、それをカンガエルに渡したところ、カンガエルはそのゴム靴を自分に似合ったゴム靴に作り直して履きだしました。
 ゴム靴を見せびらかすカンガエルに、ブンガエルもベンガエルも焼きもちを焼いていたところに、てんとう虫のカワイイ娘がやってきて、立派なゴム靴を履くカンガエルに一目ぼれして結婚することになりました。カンガエルは有頂天です。


 ブンガエルとベンガエルは嫉妬に狂って、なんとかカンガエルをひどい目に会わせてやりたいとたくらむようになります。
 そして二匹はカンガエルとてんとう虫の娘の結婚式当日、カンガエルをわざと茅の刈跡に連れ出して、自慢のゴム靴をボロボロにさせた上で杭穴に突き落とすという、恐ろしい計画を立てました。


 さて、この醜い嫉妬の復讐劇は思わぬ展開と大きな悲劇を生むのですが。。。続きは恐ろしくて気分が悪くてとても口にできません。宮澤賢治はホラー作家だったんですね。
 続きは是非絵本屋さんで現物を見つけて読んでください。

 あれっ?すっごい偶然だなぁ。ちょうどあぷりこっとつりーには在庫が1冊あるぅー。
 でも、誰かが買ったら無くなっちゃう。。。

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