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絵本紹介(177) バルト 氷の海を生き抜いた犬2015年03月12日 23:34

題名   : バルト 氷の海を生き抜いた犬
作    : モニカ カルネシ
訳    : 中井 貴惠
発行所 : 徳間書店

 今回ご紹介する絵本は、2010年冬ポーランドのビスワ川で実際に起きた話を題材にしています。犬の話となると、ついついご紹介したくなってしまうもので。

 ある寒い冬の日、ポーランドの中央を南から北に流れてバルト海にそそぐ大河ビスワ川で、たくさんの氷が下流に向かって流れて行きました。

   と、岸辺で遊んでいた子供たちが、氷の上に何かいるのを見つけました。始めは鳥や魚に見えたりしましたが、それは犬でした。流れていく氷の上に犬がちょこんと座っていたのです。


 やがて子供たちの騒ぎで気付いた大人たちも、流されて行く犬を見てなんとか助けられないかと手を尽くしました。消防士が川に入って犬を救おうとしましたが、流れが速すぎて間に合わず、犬を乗せた氷はどんどん下流に流されてしまいました。


 それから2晩、犬は-20℃になる氷の上で何とか生き延びました。
 犬を乗せた氷はとうとうバルト海に出て、今度は大海原を漂いました。

 そんな時、近くを通りかかった大きな船が、氷の上の犬に気づいてくれました。

 大きな船は犬に近づいて助け上げようとしますが、かえって犬の乗った氷を押しやって、犬が海におっこちる事態を招いてしまいました。
 必死に氷に這いあがる犬。ようやく氷の上に上がれたものの、体力を使ってふらふらになってしまいました。


 その様子を見た船の乗組員の一人が、氷の海の危険を顧みず、小さなボートを下ろして氷に近づいて、見事犬を保護することに成功しました。


 間一髪で救助された犬は、しばらくはぐったりして動くことができませんでしたが、やがて元気を取り戻しました。
 冷たい氷の海を生き抜いた犬なので、バルトと名付けられて、助けられた船でみんなにかわいがられながら航海を続けています。



 よかったですねぇ。よく極寒の氷の上で2晩以上も堪えました。広い海原で、よく偶然に通りかかった船に見つけて貰えました。海に落ちても溺れずにまた氷に這いあがりました。バルトはきっと、最悪な状態でも生きようと頑張ったんですね。見習わなきゃですね。

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