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絵本紹介(176) どうするどうするあなのなか ― 2015年03月08日 23:55
題名 : どうするどうするあなのなか
文 : きむらゆういち
絵 : 高畠 純
発行所 : 福音館書店
今日はイラストの表情が豊かで、思わず"くすっ"とさせられてしまう、ユーモアたっぷりの絵本の紹介です。見開き2ページを縦長に使って、穴の深さをたっぷり表現しています。
森の中から、三匹のネズミが慌てて逃げてきます。
二匹のはらぺこ山猫夫婦に追われて、必至に走っています。
山猫もあとちょっとでねずみを捕まえられそうで、やっぱり必死です。
だからみんな、この先に大きくて深い穴があることなんか気づきません。
勢い余って、ねずみたちも山猫夫婦もみんな穴の中にひゅーーーん、どっしーん。しまったと思ったけれどもう手遅れ。
穴は思ったよりも深くて、壁はつるつるして、いくら爪を立てて登ろうとしても、誰も登ることができません。
「うむむむむ。どうしたらいいんだ。」
でも山猫夫婦は、最初は余裕でした。
だって目の前に餌のねずみがいるんですから、まずねずみを食べて、それからゆっくり脱出する方法を考えればいいんです。
山猫がいよいよねずみを食べようとすると、ねずみたちは慌てて、「ぼくたちを食べたからって、あんたたちはここから出られないよ。」「そうなりゃここで飢え死にだぁ。」と脅してきました。
不安になってひとまずねずみを食べるのをやめた山猫に、ねずみたちが言いました。「みんなで力をあわせて、この深い穴から出る方法を考えようよ。」
最初にねずみの中の一番ちびが提案しました。
山猫の旦那の上に奥さんが乗って、その上にのっぽねずみ、次に姉ちゃんねずみ、で、一番上にちびねずみ。ちびねずみが穴の外にでて、口から木のツルを垂らして、みんなツルを伝って脱出する方法です。ねずみたちは喜びなした。
でも山猫が反対します。
「わざと短いツルをたらして、お前たちだけ外に出て、そのまま逃げちゃうんじゃないのか?」
そして今度は山猫が提案です。
それはねずみ3匹の上に山猫の旦那が乗って、一番上に山猫の奥さんが乗って穴を脱出して、木のツルを下ろして、山猫の旦那とねずみたちを順番に昇らせて脱出させる方法です。
今度はねずみが反対します。
「だめよ。あなたたちが穴の外で待っていて、登って来たわたしたちを1匹ずつ食べちゃうもん。」
深い穴の底で、あーでもない、こーでもないと脱出の方法を話し合うねずみたちと山猫夫婦。
いつの間にか降り出した雨が、穴の底にたまり出しても、話し合いは止まりません。
さあ、いったいどうなる穴の底。
どうするどうするあなのそこ。
とてもとぼけたお話しと、高畠純さんのとぼけた絵で、とっても楽しい絵本になっています。
高畠純さんの絵は、いつもとぼけた味が素敵ですが、中でもこの絵本は最高のように思います。
簡潔な文章とわかりやすい絵で、読み聞かせ向きの絵本ですが、大人が独り占めしてニタニタしながらこっそり読むにも向いてる絵本ですよ。
文 : きむらゆういち
絵 : 高畠 純
発行所 : 福音館書店
今日はイラストの表情が豊かで、思わず"くすっ"とさせられてしまう、ユーモアたっぷりの絵本の紹介です。見開き2ページを縦長に使って、穴の深さをたっぷり表現しています。
森の中から、三匹のネズミが慌てて逃げてきます。
二匹のはらぺこ山猫夫婦に追われて、必至に走っています。
山猫もあとちょっとでねずみを捕まえられそうで、やっぱり必死です。
だからみんな、この先に大きくて深い穴があることなんか気づきません。
勢い余って、ねずみたちも山猫夫婦もみんな穴の中にひゅーーーん、どっしーん。しまったと思ったけれどもう手遅れ。
穴は思ったよりも深くて、壁はつるつるして、いくら爪を立てて登ろうとしても、誰も登ることができません。
「うむむむむ。どうしたらいいんだ。」
でも山猫夫婦は、最初は余裕でした。
だって目の前に餌のねずみがいるんですから、まずねずみを食べて、それからゆっくり脱出する方法を考えればいいんです。
山猫がいよいよねずみを食べようとすると、ねずみたちは慌てて、「ぼくたちを食べたからって、あんたたちはここから出られないよ。」「そうなりゃここで飢え死にだぁ。」と脅してきました。
不安になってひとまずねずみを食べるのをやめた山猫に、ねずみたちが言いました。「みんなで力をあわせて、この深い穴から出る方法を考えようよ。」
最初にねずみの中の一番ちびが提案しました。
山猫の旦那の上に奥さんが乗って、その上にのっぽねずみ、次に姉ちゃんねずみ、で、一番上にちびねずみ。ちびねずみが穴の外にでて、口から木のツルを垂らして、みんなツルを伝って脱出する方法です。ねずみたちは喜びなした。
でも山猫が反対します。
「わざと短いツルをたらして、お前たちだけ外に出て、そのまま逃げちゃうんじゃないのか?」
そして今度は山猫が提案です。
それはねずみ3匹の上に山猫の旦那が乗って、一番上に山猫の奥さんが乗って穴を脱出して、木のツルを下ろして、山猫の旦那とねずみたちを順番に昇らせて脱出させる方法です。
今度はねずみが反対します。
「だめよ。あなたたちが穴の外で待っていて、登って来たわたしたちを1匹ずつ食べちゃうもん。」
深い穴の底で、あーでもない、こーでもないと脱出の方法を話し合うねずみたちと山猫夫婦。
いつの間にか降り出した雨が、穴の底にたまり出しても、話し合いは止まりません。
さあ、いったいどうなる穴の底。
どうするどうするあなのそこ。
とてもとぼけたお話しと、高畠純さんのとぼけた絵で、とっても楽しい絵本になっています。
高畠純さんの絵は、いつもとぼけた味が素敵ですが、中でもこの絵本は最高のように思います。
簡潔な文章とわかりやすい絵で、読み聞かせ向きの絵本ですが、大人が独り占めしてニタニタしながらこっそり読むにも向いてる絵本ですよ。
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