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絵本紹介(157) 雪渡り2014年12月28日 22:55

題名   : 雪渡り
文    : 宮沢賢治
絵    : たかしたかこ
発行所 : 偕成社

 「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」など、童話の名作をたくさん残してくれた宮沢賢治。その賢治のデビュー作が「雪渡り」です。雪国の子供と子ぎつねの交流を題材にした物語に、日本のパステル画第一人者たかしたかこさんが絵を描いて、とても幻想的な絵本になっています。

 雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなった朝、四朗とかん子は小さな雪沓をはいて、キックキックキックと雪を踏みながら野原にでました。

 「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。」
 雪が堅く固まっているので、いつもは歩けない黍の畑の中でも、すすきの野原でも、好きなところにどこでも行けて、こんな面白い日はありません。


 二人は森の近くまで来て、「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。狐の子ぁ、嫁ぃほしい、ほしい。」と森の中に向かって叫びました。
 すると、森の中から「凍み雪しんしん、堅雪かんかん。」と言いながら、白い狐の子がでてきました。

 狐の子の名前は、子狐紺三郎。最初は警戒していた四朗とかん子ですが、そのうちすっかりと紺三郎と仲良しになりました。そして紺三郎は二人を、次の雪が凍った月夜の晩に開かれる狐の幻燈会に招待してくれました。


 次の十五夜の夜、二人は雪沓をはいて、お餅をかついで、森の中で開かれる狐の幻燈会に出かけていきました。するとそこには狐の学校の生徒たちがたくさん集まって、栗の皮をぶつけあったり、相撲をとったり、大はしゃぎです。


 みんなの前の木に白い敷布が一枚さがっていて、いよいよ幻燈会が始まります。

最初の題目は、「お酒のむべからず!」 なんだか楽しそうなテーマです。

 幻燈会。動画時代生まれなのでさすがに経験したことはありませんが、子供のころ地域の集会所に集まって、巡回映画の開始をワクワクしながらまった思い出が蘇ってきます。たかしたかこさんの描く雪国や子供たちの様子が、日本の原風景を映しているようで、懐かしさが溢れる絵本です。
 今でも狐が演芸会をやっていそうな森、どこかに残っていて欲しいですね。