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絵本紹介(140) 西洋古都2014年10月28日 11:20

【お知らせ  11月1日(土)、11月2日(日)、あぷりこっとつりーは臨時休業させて頂きます。】

題名   : 西洋古都
作     : 安野光雅
発行所  : 岩崎書店

 表紙のカバーから古くて汚れた雰囲気を醸し出している絵本です。
 本文もわら半紙風に黄ばんだ紙色を使用して、文は旧漢字と旧仮名遣いを使った縦書きです。
 ちょっとお子さん向きと言うわけには行きませんが、取り上げられたヨーロッパ都市の説明が、とても情緒豊かで、旅情をそそられます。

 この絵本では、アテネを起点にして、出版当時”西側”に属したヨーロッパの36都市を巡っていますが、その中から比較的有名な三都市のページをご紹介します。

【倫敦(ロンドン)】

 英吉利(イギリス)の首都、人口六百九十七萬、英吉利最大の都會なり。
   (中略)
  市の中心にバッキンガム宮殿ありて、その衛兵交代の儀式の華麗なるさまは、さながら繪巻をひろげたるが如し。
 (中略)
  就中(なかんずく)、倫敦塔は英吉利を統治せる歴代王家の政治的暗躍の舞臺にして、安置せられたる美しき王冠は、ものいはずして残酷なる歴史物語ぬ。

【巴里(パリ)】

 巴里は人口約二百三十一萬、佛蘭西の首都なり、巴里の屋根の下、豊かなる塞納河(セーヌがわ)の流れありて長き歴史の哀歌をうつせり。
(中略)
  マロニエの並木、露路裏に消え入る唄、路上にしつらえたるカフェなる戀のうま酒など、一つとして美ならざるはなし。
 巴里を語るに紙數は尽きず、その美々しきさまは、筆にて語るべきにあらざれば、古人は一語にてそれを云へり、すなわち巴里は「花の都なり」そしてまた「沈まぬ舟なり」と。

【維也納(ウィーン)】

 維也納は墺地利(オーストリア)の首都なり、かつては音樂の都として華やかなる宮廷文化を誇りぬ。
 モーツアルト、ベートーベン、ヨハン・シュトラウスなど、往年の音樂家にしてこの地を訪ねざるはなし。
 (中略)
 多悩河(ドナウがわ)、西より來り、町をすぎて東に去る、河の中洲に遊園地あり、大いなる観覧車は、はかららずも映画「第三の男」によりて世にしらるるところなり。

 あー、旧漢字と旧仮名遣いを写し取るの、疲れました。どうにも出てこない漢字もありましたし。 でも、古都説明には普段使いの口語よりも、旧漢字を使った文語調の方が、断然奥行が出ますね。

 されば吾らも西洋古都をおほいに見聞せんと、銀翼に身を預けいざ行かん欧州へ。

   皆様行って参ります。